とんま天狗は雲の上

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高額所得者優遇を実感するエコポイント

 補正予算衆議院を通ってしまった。あと30日すれば自動的に成立する。野党の抵抗がもっとあるかと思ったが、小沢代表の辞任騒ぎなどもある中、意外にすんなり通ってしまった。一方でハコモノ批判なども今さらながら巻き起こっているが、結局後の祭り、パフォーマンスに過ぎない。
 そんな緊急経済対策の一つに電化製品のエコポイント制度がある。過日、対象機種と規格毎のエコポイント高が公表され、ほんとに実施するんだと実感した。
 定額給付金と高速道路割引は実施前の批判に対して、実施後は意外に好評だとする記事が多く見られる。定額給付金については、後年負担に対する懸念はあるものの、ほぼ全員に配布されており、それほど不公平感を生まなかったとは思うが、先日公表された都道府県毎の高速道路割引利用額の集計は、高速道路密度や地理的な影響を被り、かなり不公平な制度だということが明らかになった。もとより自動車利用しない・できない世帯に対しては、後年負担だけが残る全く利益のない制度だが、割引の現場に立ち会うこと自体がないので、不公平感を味わう機会もなかったと言える。
 しかし、電化製品のエコポイントはどうだろう。今回ポイントの対象となる冷蔵庫やエアコン、テレビは、故障や引っ越しでもしない限り、通常は次々と買い替える類の商品ではない。一方、電器店は、エコポイントの対象となる冷蔵庫やエアコン等だけでなく、乾電池や電球、DVDなどの消耗品購入のためにも日常的に訪れる機会が多い店舗である。とすれば、買い換えの予定のない消費者にとって、今までの諸制度とくらべて不公平感を味わう機会が多くなるのではないか。
 買い替えたいが買い替えるにはお金がない低所得世帯の横で、買い替える必要もない高額所得者が高級電化製品をエコポイント付きで購入していく。高額所得者優遇の制度であることを目の当たりにする。高速道路割引も実はそうだったが、今回はそれを目の前で実感する。そういう制度なのだ。
 わが家でも冷蔵庫は数年前、エアコンに至っては昨年の秋に購入したばかり。地デジテレビについては、エコポイントと地デジ移行が連動している点が汚いというか悔しいが、いつまでエコポイント制度が続くのか、販売価格はどう推移するのか、といったあたりを見極めた上で決断することになるだろう。
 それにしても人騒がせな施策が続く。こんな小賢しい計算をして生きるのはもうまっぴらだと思うが、政治家や官僚は、国民が右往左往と騒ぐのを見るのが楽しいのだろうか。