とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

沖縄への逃避行。二人だけのドラマの真相は・・・

 千葉の団地で発生した母親殺害事件で次女を連れ出した男が沖縄で逮捕された。逮捕後に見た容疑者の写真は気の弱そうな青年で、この事件の裏にある人間関係や心理状況などの人間ドラマにいたく興味が掻き立てられる。
 たまたま見た日本TVのニュースでは、空港に移送された際の映像や機内での映像が流されていたが、容疑者は黒い布を被りおとなしくしており、その両側に控えた口髭に金縁メガネの屈強な警察官の方が一見悪そうな雰囲気を醸していた。
 その回りで暴力的に容疑者に殺到するマスコミの姿も異様。自動車のウインドウに張り付いてカメラを向ける女性カメラマン。キャビン・アテンダントが「他のお客様の迷惑になりますので、席におかけください。」と言う言葉を無視して、容疑者を中心とする機内の様子を放映する映像カメラマン。
 業務執行妨害や迷惑条例違反は彼らの方じゃないかと思うが、警察がマスコミを逮捕する気配はないから、結局これは警察とマスコミの共謀による騒動ということか。
 それにしてもこの騒ぎを見ていると、「凶暴な殺人鬼がついに逮捕された」というステレオタイプのシナリオの上で取材報道を行っている印象がするが、容疑者のひ弱そうな写真や保護された次女の不可解な行動を思うとどこか調子外れな印象を受ける。
 「全部、間違いだ。」と容疑者が言っているそうで、何が間違いなのか、いろいろな解釈がありそうだ。今後、裁判になっていくと、例えば偶発的に刃物が母親を刺してしまった、また次女も合意の上での逃避行といった辺りが焦点になるかもしれない。この青年がさらに第二、第三の殺人を行う可能性が高いとは思えず、執行猶予がつく可能性もある。あ、もちろんそれ以前に無罪の可能性もあるだろう。
 当然、この事件も将来的には裁判員制度により裁かれるわけで、それを念頭に今後マスコミはどういう報道をしていくのか。関心を持って注視していく必要がありそうだ。
 それにしても彼ら二人が起こした事件と逃避行には、そのまま小説にもなりそうな興味深いドラマが隠されていそうだ。さしあたり「Chikirinの日記」あたりで、容疑者の仮想独白でも公開されるんじゃないかな。