とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ミランらしからぬ守りのサッカーで首位キープ

 セリエA第12節。インテルACミランミラン・ダービー。CLのレアル・マドリード戦や先のユベントス戦など、相変わらず中途半端な攻撃サッカーで無様なサッカーを続けてきたACミランだったが、ディフェンディング・チャンピオンのインテルを相手に、ミランらしからぬ守りのサッカーを見せ、1-0で勝利した。
 メンバーは、イブラヒモビッチロビーニョの2トップにアンブロジーニガットゥーゾボランチに入り、セードルフフラミニが攻守にわたって中盤をカバー。これにチアゴ・シルバ、ネスタのCBも固く、カウンターに徹した守りのサッカーを展開した。
 3分、右SBアバーテのクロスにセードルフがヘディングをすると、4分には中盤底からセードルフロングフィードイブラヒモビッチが抜け出し、ゴール前で切り返してシュートチャンスを窺うところを、今シーズン初先発のマテラッツィが後ろから足を払ってPKを獲得。これを自ら決めて先制点を挙げた。
 13分にもロビーニョのスルーパスイブラヒモビッチが抜けてクロスを上げると、フラミニが走り込む。これは届かなかったが、序盤、インテルのDFがルーズなところに、ミランのカウンターがよく嵌って、チャンスをつかんだ。
 対するインテルエトーが一人元気だが、ミリートはほとんど消えていて、スナイデルも活躍する場面が見られない。左SHに入ったオビがよくボールに絡むが、そこから周りにつながっていかない。20分にはアンブロジーニアーリークロスイブラヒモビッチがボレー。鋭いシュートがわずかに枠を外れる。
 ボールキープ率は高いインテルだが、なかなかチャンスに繋がらない中、35分、オビが負傷でコウチーニョに交代。これでコウチーニョが右SHに出て、スナイデルが左に回り、ようやくエトーとの連携が見られるようになってきた。37分、スナイデルエトーとのワンツーから抜け出し、コウチーニョがシュート。40分にはガットゥーゾスナイデルを倒しイエローカードスナイデルのFKはあわやサイドネットをえぐる。
 しかしこの日のミランは中盤の守備がしっかりしている。アンブロジーニが広範囲をカバーし、ガットゥーゾはいつもの必殺ディフェンス。これに加えてフラミニの攻守にわたっての動きが効いている。
 ところが後半に入り、イエローをもらったガットゥーゾピルロに交代。中盤の守備が大丈夫かと心配したが、なんとかボロを出さずに残り45分を守りきった。一方のインテルも前半全く活躍できなかったミリートに代えてパンデフを投入。こちらは前線から中盤へとよく動いてインテルの攻撃に流動性を加えリードした。
 序盤、スナイデルセードルフミドルシュート。両者、守備が固くなかなかゴール前まで入っていけない。11分、スナイデルのFKはGKがセーブ。15分、パンデフアバーテが争って両者イエローカードアバーテは2枚目で退場となってしまう。
 一人少なくなったミランだが、17分にはロビーニョをアントニーニに代え、イブラヒモビッチのワントップにして守りを固める。18分スナイデル、24分スタンコビッチPAの外からミドルシュート。23分にはマテラッツィに代えてビアビアーニを投入。何とか動きを加えてミランを揺すぶろうとするが、なかなか中に入っていけない。33分、右サイドで競ったこぼれ球をスナイデルが拾いクロスを入れるが、パンデフが合わせられない。
 結局、最後まで守りきったACミラン。がっちり首位をキープした。ミランにこんなゲームができたんだ! 攻撃は結局PKの1点のみだが、何より無失点で終わらせたところが大きい。もっともインザーギが今季絶望。パトも負傷欠場の中で、守備の厚みから攻撃の形と連携を作っていければいい。ようやくスタートラインに立てた感じ。これからはチェゼーナよりもミランの方が楽しみに観られるかも。