「消費税のカラクリ」の最後にポツリと書かれていたこの提案が次第に私の中で大きくなっている。
税収が足りないのなら、税率を上げればいい。どれだけ?何を? 必要なだけ。全部。簡単な話だ。
何も、どの税金を増やすか、代わりにどの税金を止めるか、下げるかなどといった議論をする必要はない。
税収が足りない、というだけのことなら話は簡単だ。
いや、簡単に考えるべきなのだ。
景気対策や格差是正対策にあたり、他の制度改変と合わせて税制改革が有効なら、数ある対策のうちの一つとして考え、その上で他の政策への影響を検討するというのが筋道だろう。例えば景気対策のための税制改革の結果、社会格差が拡大する可能性があるなら、それが許容範囲かどうかを検討した上で決定する必要がある。
もちろん通常はこうした政策検討が行われているだろうと思うが、政治やマスコミが取り上げた時点で、本来の筋道が忘れ去られてしまう。「消費税のカラクリ」を読んで、そのことを思い知らされた。
これは他のすべての事柄に関わることだ。ものごとは簡単に考える。そこからほぐしていく。肝に銘じておこう。