とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

東北関東大震災をめぐって思うこと

 東北関東大震災発生から時が経つにつれ、次第に、壊滅した町や避難所の様子、遺体の発見のニュースなど、さまざまな情報が入ってくる。マスメディアも現地に入れるようになり、被災者へのインタビューや被災時のビデオなど、情動的な報道を繰り返している。さすがに昨日の午後には、これらの報道を見続けるのがイヤになり、しばらくテレビから離れていた。
 昨日までのテレビを見ていて感じたことや今日になって友人らと話したことを書き連ねてみる。
 専門的には建築物の被害状況を知りたいが、ビデオやブログ等から断片的に想像するばかりで総合的な情報がない。被災建築物応急危険度判定も始まっているが、メディア情報は津波で流出した町の報道が中心で、全壊・半壊と健全な建物が混ざった地域の被災状況は全く報じられない。地図上で被災状況をプロットした情報が欲しい。
 昨日のサンデーモーニングを見ていて、専門家と一般人とのコミュニケーションが非常に困難なことを痛感した。地震津波の専門家もできるだけ平明な表現にしようと努めていたが、関口宏や女性アナウンサーなどがなかなか正確に理解できない。最後まで誤解したまま終わった話題もあった。逆に私も、原子力安全・保安院の担当者が言う「じょせん=除染」の意味がわからなかった。
 復興のまちづくりをどう行うか、気になる。津波に襲われた町は地盤沈下もひどい。海面下になってしまった地区もあるようだ。そうした地区までもう一度再建するのだろうか。これまで住んでいた人の多くが死亡してしまった。助かった人もまた被災した同じ町に住み続けたいと思うだろうか。漁港など海沿いでなければならない施設や機能もあるが、住宅地まで従来のように復元する必要はない。山沿いにニュータウンを整備するのだろうか。しかし莫大な経費と時間がかかる。
 被災者が今後どうやって生活していくかも大きな問題だ。阪神淡路大震災では神戸の産業がかなりの被害を被ったとは言え、大阪など勤務先は多くあった。新潟中越では錦鯉の養殖など壊滅的な被害を受けた人もいたが、全体からすれば小さいと言える。今回の大震災の場合、水産業関係者が多いと思われるが、あれだけの被害から産業として再建するのはかなり厳しい。復興のための土木建設業が当面の雇用先になるのかもしれないが、どれだけ予算を確保できるのか。昨今の国家財政下では限りがある。
 多くの人が親戚等を頼って東京などへ移動するのだろうか。原発事故により計画的停電が始まろうとしている。これがいつまで続くのかわからない。首都圏の生産機能・産業構造への影響はどれほどか。首都圏と言えど、東海地震の発生が危惧されている。東海・東南海地震の可能性が指摘される東海から西の太平洋岸地域にも行きたくないだろう。それとも一度地震が起きてしまった東北地方はかえって安全か。仙台や福島などの内陸の都市が被災者を集めて再活性化していくというシナリオも考えられる。今後、東北地域の地域づくりをどうしていくのかが問われる。
 それにしてもこの間の管首相の存在感は小さかった。途切れ途切れに話す演説は何を言いたいかさっぱり伝わってこない。これに対して、枝野官房長官はかなり株を上げた。民主党自民党など、各党が個別に集まり震災対策を協議していたことにはあきれた。超党派で集まることはできないのか。これに乗じて復興税という名の消費税引き上げが目論まれている。これなら国民新党無利子国債発行の方が理に適っている。余剰資金をこそ集めるべきだ。
 ブログでは、秩序正しい日本人の行動が評価され、また逆に危惧されていた。イベントが軒並み自粛され、ブログ記事も自粛モードで、おちゃらけた記事には猛烈な批判もあったらしい。私もこんな状況で何を書いたらいいかわからなかった。いや書かなければいいとも思ったが、その時、何を感じたかは個人的に残しておきたいと思い、こうして書いている。ちなみに昨日の読書記事はちょうど読み終わった本の記録である。
 今日はまた福島第一原発3号機の爆発のニュースがあった。どう考えても、原子炉か格納容器のいずれかに損傷があって、水素等が漏れ出しているように思うが、よくわからない。明日はどういう記事を書くことになるのか。早く心おきなくサッカー観戦記を書きたいと思う。