とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

大垣・桑名六華苑・なばなの里

 年末も近付いた12月の週末、気分転換にどこかへ行こうという妻に急かされて、大垣に行くことにした。一度行きたかった。とりあえず「奥の細道むすびの地記念館」をカーナビにセットし、名神高速を西へ向かう。大垣ICで降りて10分。片側2車線の道路の橋を渡ると、突然そこが奥の細道むすびの地。大垣城を巡る水門川に沿って遊歩道が整備され、銅像や解説板が設置されている。水門川に面した広大な空き地に、黒壁・しっくい様の大規模な施設が工事中。後で調べると、これが整備中の「奥の細道むすびの地記念館」だった。
 2012年4月オープン予定。だが現在は、大垣市総合福祉会館の1階にこじんまりと展示されている。まずはこちらを見学。芭蕉は、奥の細道の旅の最後をこの大垣で終えた。大垣では地元の俳人・谷木因(ぼくいん)が芭蕉を出迎えた。芭蕉の俳句や木因に関する資料が並べられているが、来年4月になればこれらはさらに飛躍的に充実されて展示されるんだろう。
 お腹がすいたので、総合福祉会館の南にある古い再開発ビル「船町ビル」の1階に入るラーメン店「中華そばマルト屋」で食事。塩そばと鶏出汁つけ麺を食べる。上品な味ですごく美味しい。ラーメン嫌いの妻も絶賛。
 その後、水門川沿いを散策。短い間に何本も橋が架かる。船町港跡には木船が浮かび、櫓状の黒い住吉灯台が趣を添える。ただし木がよく茂り、うまく写真に収まらない。桜のシーズンはきれいそうだ。川沿いには町家造りの商家が並ぶ。
 船町港跡で折り返し、総合福祉会館の向かいは水門川が鉤の字状に屈折し、その溜まりが四季の広場として整備されている。虹の橋が架かり、川に面してステージが整備され、川底には水草が揺れる。
 後はクルマで市街を走る。観光マップを片手に美濃路を辿ると、立派な外観の和菓子店がある。御菓子・つちや。竹の筒に入った柿羊羹が美味しい。お茶をいただき、しばし休憩後、またクルマに戻る。本陣跡、問屋場跡など、大垣は空襲で城下がほとんど焼失したのだった。名水大手いこ井の泉はアーケードのある大通り沿いの交差点角にきれいに整備されている。
 西に迷い込むと突然大垣城の東門。立派だが駐車場がない。北側をぐるっと回って大垣公園西、郷土館近くの路上にしばし駐車。大垣城を楽しむ。戦後復元されたRC造の建物だが、4層の背が高い造りはなかなか優美。焼失前の外観をほぼ復元している。南側の大垣公園では子供たちが楽しそうに走り回っていた。
 大垣はどうやらこんなもの。これからどうしようかと思ったが、南へ1時間も走れば桑名。春に桑名に行った時に、六華苑に行かなかったことを思い出し、妻も喜ぶかと国道258号を南下した。
 着いたのは2時半頃。数年前に一度来たことがあるが、久しぶりに見る六華苑はやはりいい。まず洋館が美しい。ジョサイア・コンドル設計だが、ドーム状の丸屋根を載せた4層の塔屋がよく目立つ。館内も明るく広々として気持ちがいい。西側には平屋の和館が伸びている。こちらも広い。そしてこれらの前面に広い芝生広場が整備され、さらに池や雑木林を巡る庭園。デコラティブな洋館と質素な和観の対比をのびのびと楽しむことができる。暦がいいのか、館内には数組の新婚カップルが館内や芝生広場等で客を引き連れ写真撮影をしている。
 館内で「新ご当地グルメ誕生 桑名流!しぐれ肉巻きおにぎり」のパンフレットを見て小腹がすいてきた。肉巻きおにぎりの中に桑名名物しぐれごはん。しぐれ専門店「瑞宝志ぐれ茶屋」で8つも買ってしまった。とりあえず一つずつ食べて残りは家で楽しんだ。その後、九華公園に隣接する精肉店「柿安本店」を覗いたら、大勢の客でにぎわっていた。
 次第に日が傾いてくる。娘は学校で夜遅くまで実習作業とのこと。思い切って「なばなの里」に向かうことにする。案の定、駐車場に長蛇の列。やや遠い南駐車場まで案内され、ピストンバスに乗る。入場料は2000円だが、うち1000円は場内で利用できる金券になっている。レストランはいくつもあるが、どこも長蛇の列。イタリアンレストランで1300円のセット。格別うまいわけではないが、こんなもんだろう。
 それよりもやはりイルミネーション。入口付近の「光の雲海」に驚かされ、チャペル前には「ツインツリー」。中央の池に沿って「光の大河」、そして「光のトンネル」。全長200mはさすがに長い。そして抜けた先に変化するイルミネーション「日本の四季」。これが素晴らしい。冬。白い雪原に立つ樹氷から雪がこぼれおちると、春。木には桜が咲き誇り、地面には菜の花、そして緑のじゅうたん。夏には花火が夜空を染め、秋には真っ赤に燃え上がる。思わず見とれてしまった。
 帰りは光のトンネル「宝石箱」。そして川に映る紅葉と逆さ紅葉を楽しむライトアップ。これで1000円(金券分を除く)は安い。混雑がなければ何度でも行きたい。
 大垣から桑名、そしてなばなの里と昼前に家を出たにしては盛り沢山。楽しい日帰り旅行を楽しんだ。