とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

今年は野鳥が少ない。

 妻が近所の方の話として、「今年はツグミが少ない」と聴いたと話した。若い頃、北海道苫小牧のウトナイ湖サンクチュアリーに行って以来、しばらくバードウォッチングにはまっていた時期があった。双眼鏡や望遠鏡と野鳥図鑑を購入し、地元の野鳥観察会に参加するとともに、友人や妻と一緒に近在の野鳥観察の名所を訪ねて回った。
 伊良湖岬のタカの渡り。木曽三川の冬の水鳥。新城桜ヶ淵公園や米原三島池のオシドリ。御岳でホシガラスやコマドリに感動したり、石川県の片野鴨池まで足を伸ばしてガンを見たり。あの頃は本当に色々なところへよく行った。
 それも子供が生まれるまでで、その後は遠出もできず、次第に遠ざかってしまったが、愛知用水沿いの今の家に移ってからも、シジュウカラやコガラ、メジロの群れが囀りながら木々を渡るのを微笑ましく観察していた。妻の実家が柿田川沿いに程近く、子供と一緒にヤマセミを見たこともある。
 「今年はツグミが少ない」と言われると確かにそういえばと思う。スズメを見かけなくなって久しいが、今年はヒヨドリの声を聴くことも少ない。ムクドリの群れもあまり見かけない。モズやホオジロの鳴き声も聴いていない。逆にカラスの大群を見る。昨日も数百匹の群れが道路を挟んで電線や木々に止まっていた。先週には1000尾を超える大群が電線に止まっていて、思わずヒッチコックの「鳥」を思い出した。
 ネットで検索すると、「今年は野鳥が少ない」という投稿は毎年のようにどこかのブログで書かれている。もちろん2012年の投稿もあるが、昨年までに比べて多いかどうかはよくわからない。
 昨夏が過ごしやすかったせいで山野に食料が豊富にあるのか。東北地方太平洋沖地震の再来を予告する異常電波やラドンの発生でもあったのか。「野鳥が少ない」という観察自体が錯覚という可能性もあるけれど、まだ東日本大震災の被害が収束しない中で、不気味な思いがしてならない。何もなければいいが。今年は平穏無事な年になるはずだったのに。