とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

イタリアの魂。身に付いた執念。勝利のメンタリティ。日本に足らないもの。

 コンフェデ杯は所詮W杯に向けた練習試合。まして決勝を逃した後の3位決定戦でどこまで真剣勝負をするだろうかと思っていた。それを説明するようにイタリアの先発陣にはピルロボヌッチジャッケリーニもいない。スペインとの延長までもつれた準決勝から中2日。ウルグアイに比べてコンディションも最悪だ。
 だがウルグアイも堅守速攻型のチームで前から積極的にプレスをかけていくわけではない。中盤から後ろできちっと守り、攻撃はフォルランスアレスカバーニの3人が大きな展開からカウンターで攻め込んでいく。12分、スアレスのポストからカバーニがドリブル、CBアストリが倒したが、フォルランのFKは枠の外。イタリアも12分、右SHディアマンティのFKからCBキエッリーニがヘディングシュート。さらに15分、左SBデシーリョのクロスにCHカンドレーバがミドルシュート
 お互い守りあって隙を狙う感じで、ゲームは静かに淡々と進行する。すると24分、中盤右サイドで得たFKをディアマンティが蹴ると、ファーポストに当たったボールがGKムスレラの背中に当たりこぼれたところをCBアストリが押し込んだ。イタリアが先制。
 だがウルグアイもすぐに反撃する。27分、CHガルガーノのスルーパススアレスが走り込みシュート。GKブッフォンがファインセーブ。37分にはスアレスからカバーニのスルーパスに右SHマキシミリアーノ・ペレイラが走り込みシュート。だがこれもGKブッフォンが止める。その後もウルグアイが積極的にミドルシュートを放っていく。40分、ディアマンティのスルーパスに左SHエルシャラウィが走り込みシュートを放つも、CBゴディンがブロック。前半は守りあって、イタリアがFK一発リードして終わった。
 後半も静かな立ち上がり。お互いチャンスがつかめないまま時間が過ぎて13分、中盤でガルガーノがパスカットすると、ドリブルから左に流し、カバーニがシュート。これが決まり、ウルグアイが追い付いた。
 イタリアは疲れからか動けない。23分にはやはり中盤でCHアレバロがパスカットするとドリブルで前進。左に流しフォルランがシュート。GKブッフォンが弾き返す。さらにフォルランがシュート。今度はGKブッフォンが左足一本で止めた。スーパーセーブだ。
 すると28分、エルシャラウィの仕掛けをガルガーノが倒して得たFKをディアマンティが決めて、再びイタリアがリードする。ここまでほとんど攻めることができなかったイタリアがFKで一発。だがウルグアイも負けてはいない。33分、カバーニが倒されて得たFKをカバーニが自ら蹴って、ゴールにねじ込む。ウルグアイ同点。その後もお互い死力を尽くしての攻防。お互い疲れて運動量が落ち、連続攻撃などは見られなかったが、隙を狙ってのミドルシュートループシュートを放ちつつ、90分の攻防を終えた。
 90分の激闘でCBアストリがエネルギーダウン。延長6分、ボヌッチに交代。スアレスキエッリーニとの競り合い。さらにカバーニの走り込みにCBとの攻防。お互い体力を温存しつつ、ここぞという場面で身体を張る。
 延長後半5分、スアレスのドリブルにCHモントリーボが競って、2枚目のイエローカードをもらい、イタリアが一人少なくなってしまう。その後はウルグアイが圧倒。9分スアレス、10分・11分とカバーニミドルシュート。さらに14分、ガルガーノミドルシュート。GKブッフォンがナイスセーブで弾き出し、このままPK戦に突入した。
 PK戦は一番手のフォルランが失敗。しかしイタリア3人目、デシーリョも失敗してこれで同点に追いついたが、その後カセレス、ガルガーノと連続してGKブッフォンが止め、イタリアが勝利。ウルグアイはW杯に続いて3位決定戦で敗退した。
 それにしてもイタリアの執念がすごい。体調不良で先発メンバーの多くが離脱する中で、最後の最後まで粘り、数少ないチャンスを決め、最後はPK戦で勝ち切った。これこそW杯4回優勝したチームの勝利へのメンタリティだ。大会前に期待されたエルシャラウィは大会中、大した活躍ができなかった。が、このゲームで最後まで出場させることにより、イタリアの精神をしっかりと若い世代に受け継いだ。こうしてイタリアの魂が醸成されていく。日本もこうしたメンタリティを作っていきたいものだ。