とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

伊賀FCくノ一健闘も空しく、17歳三宅詩織の一旋、レオネッサに屈する。

 なでしこリーグカップ・グループA。女王レオネッサに伊賀FCくノ一が挑む一戦。くノ一はなでしこリーグでは前半戦3位と好位置をキープしたが、リーグカップでは不調。ここまで1勝5敗と最下位に低迷し、既にグループリーグ敗退が決まっている。対するレオネッサは消化ゲームが少なく2位。だが当然のように5戦無敗でここまで来ている。
 メンバー発表でレオネッサの控えに近賀の名前があった。十字靭帯断裂から久しぶりに戻ってきた近賀の雄姿を早く見たいと思ったが、右SBには強化指定選手JFAアカデミー所属の17歳、三宅詩織が先発した。あとはいつものメンバー。東アジア杯で活躍したチ・ソヨンがトップ下、左右SHに日本代表の川澄と高瀬を従え、中島がCHでチ・ソヨンのフォローに回る。
 だが序盤からくノ一が積極的。1分、右SH阪口の突破からクロスをCF中出が落とし、CH櫨がミドルシュート。2分、左SH堤が積極的にシュートを放つ。さらに4分、トップ下・乃一のクロスから堤がシュート。レオネッサに主導権を取らせないまま、くノ一が攻めていく。しかも守備も硬い。プレスがよく効いて、なかなかレオネッサが攻め込めない。15分、CH中島のFKのクリアをCB磯金がヘディングシュート。これがレオネッサ最初のシュート。20分、左SH堤がミドルシュート。この時間帯辺りから、乃一をCFに上げ、中出が左SH、堤がOHに回った。
 攻め込まれていたレオネッサは27分、左SH高瀬が強烈なミドルシュート。長い距離も女子らしからぬパワーでゴールまで強烈なシュートを飛ばすが、GK澤田が難なくセーブした。
 くノ一は左右に縦に大きくボールを動かして攻めていく。日本の女子リーグではなかなか見られない攻撃。運動量も多く、よく走る。浅野監督の訓練が行き届いているのだろう。対するレオネッサは個人技。高瀬のパワー、川澄の速さ、そしてチ・ソヨンの技術。チ・ソヨンからの長いスルーパスに川澄が駆け上がるシーンが何度も見られたが、くノ一の守備陣もよく戻ってケアする。また、CH那須が効いている。何度もパスカットをしていた。
 44分、中出のCKからCH那須ミドルシュート。枠を外したが、攻める姿勢が好ましい。前半はスコアレスで終わった。
 後半に入ってもくノ一が攻める。3分、右SH阪口のクロスにCF乃一がドンピシャのヘディングシュート。だがGK海堀がスーパーセーブ。素晴らしい反応で弾きだす。レオネッサも5分、チ・ソヨンのFKにCFゴーベル・ヤネズがヘディングシュートするも、DFがよく競って、GK澤田がキャッチした。
 ところが10分、レオネッサが攻撃の場面。中盤でボールを持った川澄から右に展開すると、右SB三宅がクロス。ところがこのボールがゴールに直接向かっていく。ゴール前に詰めた高瀬やゴーベル・ヤネズに対応し、やや前目に構えたGK澤田がバックしてキャッチしようとする。が、一旦は手に当たったボールが弾み、ゴール内にこぼれる。ゴール。たぶんキックミスだが、ラッキーなゴールでレオネッサが先制した。
 くノ一は14分、疲れの見えた堤に代えて園村を投入する。19分、またも左SH高瀬がミドルシュート。GK澤田がナイスセーブ。22分、OH園村のミドルシュートはわずかにバーの上を通る。
 24分、右SB三宅の縦パスからCH中島のクロスに高瀬がシュート。右SB三宅は若干17歳ながら落ち着いたプレーでしっかり守り、攻撃面でも長く正確なパスを出すことができる。ゴールはラッキーだったが、将来の逸材の片鱗を見せた。ヤングなでしこの遠征にも参加予定。これからの活躍が楽しみだ。
 くノ一は元レオネッサ、CH那須を中心によく反撃する。30分にはパスカットからミドルシュート。だがゴールが遠い。レオネッサは25分、中島に代えて左SH田中陽子を投入。高瀬をCFにゴーベル・ヤネズをトップ下に下げ、チ・ソヨンをCHに回す。35分、ゴーベル・ヤネズから右に展開、右SH川澄のクロスにCHチ・ソヨンがシュート。だが枠を外す。くノ一はアディショナルタイム1分、園村の右サイドからのクロスにCH櫨がシュート。決まったかと思ったが、GK海堀がこのゲーム2度目のビッグセーブ。日本代表GKがくノ一の前に立ちはだかった。
 アディショナルタイム2分には三宅に代わって近賀が出場。元気な姿を見せたが、ゲームは直後にタイムアップ。レオネッサがラッキーなゴールで勝利。くノ一は惜しいゲームを落とした。それでもこのゲームは自信になる。秋に再開されるなでしこリーグ後半戦ではまさに台風の目の活躍が期待される。