とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

あいちトリエンナーレ、5日かけて全会場制覇。+コストコ・ツカレタ。

 9月7日、12日と2日がかりで「あいちトリエンナーレ」巡りをしたという話を「コスコト、ツカレタ。トリエンナーレ、モットツカレタ」で書いた。その後、さらに3日を費やし、あいちトリエンナーレの全会場を制覇した。それにしても疲れた。娘は途中で脱落した。

 まず、9月23日(祝)。この日は実家のある蒲郡へ行く予定をしていたので、途中、岡崎エリアの残る会場を
廻ることにした。お昼前に家を出て、まっずぐ松本町会場へ。駐車場がなさそうなので心配したが、みんな路上に停めている。松應寺に至る参道が路地状の木造アーケードとなって、その界隈の3ヶ所に分散してアートが展示されている。古い美容院に鉄のリング。今にも壊れそうな廃屋でカーク・マルクス。これらのアーティストは他の会場でも展示をしていたが、これらの廃屋に何を感化されただろうか。廃屋の力とのコラボレーションだ。

 その後、娘だけ、康生会場の岡崎シビコ前に降ろし、僕らは岡崎市図書館交流プラザLibra(りぶら)で待つ。Libraは市民との協働で検討を進めた市民複合施設で、建物内をうねるように階段とエスカレーターのあるアトリウムが突き抜け、両側にはスタジオやホール、図書館、資料館等が連なる魅力的な建物だ。戻ってきた娘に聞くと案の定、シビコ屋上上部に張られたネットには気がつかなかったと言う。結局この日はこれで終了。岡崎エリアの展示は全て制覇した。スタンプラリーをインフォメーションに持っていってが、ガチャポン抽選で当たったのはシールだけ。残念でした。

 次は10月5日(土)。お昼を丸亀製麺で済ませ、その足で名古屋へ向かう。まずは納屋橋会場へ。コインパーキングに停めて会場に入る。最初に、「境界」を集めた下道基行の作品、青木野枝の鉄リングの作品は岡崎松本町会場にもあった。リチャード・ウィルソンのボーリングレーンの作品は動き出すとそのまま屋外にレーンが突き出していく。階段を昇った3階には白い発泡剤で作られた人工の氷山があった。映像作品も含め、それなりに面白い。
 見終えると3時半。次は名古屋市美術館へ向かう。クルマで移動したら、一方通行や交差点の渋滞に阻まれてなかなか辿り着かない。入館時間の4時半が刻々と近付き、焦る。それでも何とか15分前くらいに到着。正面へ向かったら、トリエンナーレの入り口は後方だと言う。僕らは後方の駐車場から来たのに。もう少しわかりやすい案内表示はできないものか。
 入口を入り、作品を見て2階へ。また階段。パステルカラーのカーテンで仕切られた作品は意味がわからない。たくさん歩かされて出口へ。屋外に藤森照信の「空飛ぶ泥舟」が吊られていた。以前、茅野市で観たことがあるが、やはり茅野の田園風景の中の方がよく似合う。その後、正面から常設企画展の入口ホールのベンチで休んでいたら、「アンケートをお願いできませんか」と声をかけられた。適当に回答。「案内が悪い。階段が多い。」と苦情を述べて、トリエンナーレのクリアファイルをもらう。機嫌を直す。
 それにしても疲れた。娘は翌日から寝込んで、月曜日も休んでしまった。それで14日(祝)に「最後の長者町会場へ行こうよ」と声をかけたけど、「私は行かない」と断られた。結局、娘を家に置いて、夫婦二人で出かけた。お昼前に家を出て12時前に長者町近辺のコインパーキングに駐車。まずは八木兵8号館へ。2階から4階に作品が展示されている。もちろん階段。あきらめて昇る。4階の作品「まぼろし喫茶」は昭和レトロの雰囲気を再現し、長者町ブルースなるレコードが流れ、歓楽街の看板などが並ぶ。ベランダに植木が並べられ、窓外に見える高層ビルや最新マンションとのコントラストが楽しい。1階は「こしば食堂」という名のカフェとなっているが、長蛇の列であっさりあきらめた。
 昼食は向かいにあった中華食堂へ。若い人たちが働いていたが、白い磁器に飯と料理。トリエンナーレのイメージに合ったレトロな雰囲気で面白かった。食事後、中部電力(株)本町開閉所跡地へ。長者町にあった映画スタジオが閉鎖されるという設定の下に、いくつかの映画のあらすじと記録が展示される。しばらく待たされて昇っていった2階の展示はカメラを使った映像作品だが、見れば一瞬。作品自体はある意味ふざけたようなものだが、会場となった中部電力の施設がイイ。「ねずみやねこが入って感電するので、戸扉は必ず閉めてください」の注意書きは福島原発の作業事故を思わせて秀逸。
 その後、フラフラといくつかの作品を眺めては「アートラボあいち」のインフォメーションに至る。大学生の作品が展示され、ここはエレベータを使って見学した。疲れた。向かいの喫茶店でしばし休憩。一般店舗もどこかレトロでアーティスティック。ダサいとアートの仕分けがわからない。

 30分近く休憩した後に、次は伏見地下街へ向かう。伏見地下街は1957年に開業したというから、私と同じ年。すっかりレトロでいつ閉鎖するかと思っていたが、今回のトリエンナーレで蘇った。打開連合設計事務所のコバルト色の作品は、地下街に楽しさを加えた。ギャラリーもいくつかオープンし、今後に続くアート拠点の一つになりそうだ。
 喫茶クラウンは昔ながらの純喫茶。作品は壁に数点展示されているが、案内をするでもなく普通に営業している。シモジマ名古屋店の展示も雑貨店の一角で映像が流されているが、店員さんに聞かないと気が付かない。ビルの外壁にイラストを描いただけの作品なども多い。長者町会場は街の力に比べ、作品が負けている印象。きっともっと全面的にアートを受け入れることで街の再生につながる可能性もあるのだろうが、問屋街の人々がそこまで受け入れなかったのではないか。外部からやってきた人たちの盛り上がりに比べ、少し残念な感じがする。
 疲れた。これで家に帰りたい気持ちもあったが、まだ4時前で街も明るい。「コストコ行こう」と妻の声も明るい。はいはい。名古屋高速知多半島道路を乗り継いで、コストコへ向かう。着いたのは4時半。帰る人も多く、入口に近い駐車場に停めることができた。店内も2回目でだいたいどこに何があるかわかってきた。入口付近のパソコンや電化製品に時間を割くことなく、食品売場へ直行。結局またロティサリー・チキンとパエリア、ピザなどを購入。6時半にコストコを出て、7時半に家に着いた。ああ疲れた。
 あいちトリエンナーレは結局、5日間かかって全会場を制覇した。やはり愛知芸術文化センターの作品が一番面白かったかな。ついで納屋橋会場、康生会場の順。長者町会場と名古屋市美術館は疲れた割りに面白くなかった。でもわずか1000円で5回も楽しめたのはよかった。それにしても、トリエンナーレコストコはセットなのか。そんなはずはない。会員になってしまった以上、これからもコストコに行くのはしょうがない。次はもう少し疲れない状況で行きたいものだ。