とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

サスペンス・初秋の京都はトロッコ列車並みのワクワクドキドキ。

 何とか友人の携帯番号もわかり、あとは連絡を取り合うだけとホッとして眠りに着いた(「ラッキーとアンラッキーが入り混じった京都の1日」)のだが、翌朝起きるとまだサスペンスは終わっていなかった。
 朝遅く目覚めると携帯にSMSが入っていた。「私ではありませんが…。FF(性)」。えっ! まだ失くしたのに気付いてない。それで「FFさんの免許証を預かっています。××(私の名前)」と送った。ところが「何かの間違いではありませんか? FFSS(姓名)」と返ってくる。あ、名前が違う。前日教えてもらった携帯番号は同性別人のものだった。それで「昨日、同窓会で一緒だったFFTTさんを探しています。ご存じではないでしょうか?」とすがるように送信。同性とはいえ、二人が仲がよかったという記憶はない。その時点でほぼ名刺入れの友人に辿り着くのはおきらめた。
 それでも念のため、FFSSの携帯番号を教えてくれた友人に「FF違いでした。FFTTさんは知りませんか?」と送信。しばらくするとFFSSさんからSMSが届く。「旅行中なので多くはわかりませんが、参考まで」と記して3人の携帯番号が書かれている。ありがとう。さっそく2人に「FFTTさんの携帯番号は知りませんか?」と送信。一人は050から始まるIP電話でSMSが届かない。でも彼がFFTTさんと業界が近く、携帯番号を知っている可能性も高い。それで思い切って電話をすると、「今、電車内」という返事。そそくさと事情を告げると「また後で電話をします」と言って電話が切れる。あまり期待をせずに待っていた。
 すると、キタ━━━d(゚∀゚)b━━━!! 教えてもらえた!
 さっそくFFTTさんに電話をすると、本人は名刺入れを失くしたことに気付いてない。寝惚けた頭に詳細を話し、ようやく理解をしていただき、お返しする方法について打合せ。何とか明日返すことができる運びになった。それにしても、なぜ私のジャケットのポケットに入っていたか?
 彼が言うには、自分のジャケットの内ポケットに入れた記憶があるとのこと。どうやら、ジャケットの色が似ていたため、間違えて私のジャケットのポケットに入れてしまったということらしい。やれやれ。わかってみればそんなこと。私は自分が知らないうちに盗癖でもあったんじゃないかと心配したよ。
 それでホッとして、ようやく京都旅行を楽しむゆとりが出てきた。
 10時前にホテルをチェックアウトして、まずは祇園の葛切り「鍵善良房」へ向かう。前日、妻と娘が午後3時位に行ったら長蛇の列で入店を諦めたとのこと。朝10時にはさすがに空いていた。冷えた葛切りをほんのりとした甘さの黒蜜で楽しみ、のんびり過ごす。特に予定もない。嵯峨野のトロッコ列車はどうだろう。スマホで検索すると、意外に予約が空いている。それでそれから嵯峨野に向った。
 着いたのはちょうど12時。改札に行くと、立ち席であれば13時7分発が空いている。さっそく購入。クルマを駐車場に止め、近くのカレー屋さんで昼食。時間もちょうどいい。13時7分、トロッコ列車に乗り込んだ。指定車両は5号車だったが、窓がない5号車は台風に備え、指定席の販売をしておらず、自由に座ってもらっていいとのこと。ラッキー。トロッコ列車らしく風も楽しみ、亀山までの25分間の旅を楽しんだ。そして亀山に到着するとすぐに折り返し。帰りは2号車。こちらも立ち席だったが、途中で空いた席に座らせてもらい、のんびり揺られてトロッコ列車を楽しんだ。
 帰りはトロッコ嵐山駅で降車。ちなみに1・2号車はプラットホームに収まらずトンネルの中。3号車まで車内を歩いて降りるのも面白い。駅を出て眼の前の小倉池で記念写真。さらにきつい坂を上っていくと、竹林の道。さすがにすばらしい景観。35年前に妻と二人で来た時は、まったく人もおらず、二人だけで歩いた覚えがあるが、さすがに今は大勢の観光客で、カメラも向けても人が入ってしまう。それでも手入れの行き届いた竹林を「こんなに高低差があったっけ」なんて言いながら、当時を思い出しつつ野宮神社まで抜ける。
 北に向って線路を渡ると、立派な低層集合住宅が現われる。何と、京都市営嵯峨野住宅。公園のトイレを借りた妻と娘を残してクルマを取りに行き、この後はクルマで嵯峨野を巡る。と言っても、狭い道。本当は嵯峨野を巡るつもりなどなかったけれど、狭い道から抜けられない。右往左往して何とか広い道まで抜け出した。それにしても、人力車が多い。あの坂道をホイホイと登っていく。軽快に走り下っていく。すごいなあ。狭い道で申し訳ない気持ちですれ違った。
 最後に化野念仏寺に向う。駐車場にクルマを止め、5分ほど歩き、山門へ。ここも30数年前に妻と二人で来たことがある。「もっとこじんまりした印象だった」と妻が言う。そうかな? モミジがうっすらと色づき始めている。あと半月もすればもっときれいになるだろう。その後、疲れて、街道沿いの「茶房 福」で一服。6種類の可愛いケーキが並ぶ「京のフルーツおまわり」がほんのりとした甘さでおいしい。時間が遅かったせいか、客も我々3人だけでゆったりとした時間を過ごさせてもらった。
 帰りは嵐山を抜けて、京都南ICから名神高速に入り、途中、大津SA、御在所SAに寄って家に着いた。携帯番号を問い合わせた友人からSMSでコメントが入っていた。みんなに心配をかけた。でも終わってみれば面白かった。ヒヤヒヤ、ドキドキ。そしてワクワク。最後はマッタリ。まるで感情のジェットコースターに乗ったような、トロッコ列車型のジェットコースター? いや、楽しい京都旅行でした。