とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ゴムひも1本の奇跡

 毎朝、自転車通勤をしている。ズボンの裾を自転車のチェーンに巻き込まれないよう、足元をゴムひもでまとめて乗っている。大きめなボタンにゴムひもをつけた妻お手製のゴムひもだ。先週、いつものように駅の駐輪場まで自転車に乗っていき、自転車置き場でゴムひもを外して手提げ袋に入れた。
 冬は寒さ対策として手袋はもちろん、耳あてとネックウォーマーを巻いて自転車に乗る。ネックウォーマーは数年前にトヨタ自動車の関係者からもらったトヨタカップ記念の特製のものだ。黒一色にロゴの入ったシックなデザインで気に入っている。
 これらの防寒用グッズを小汚い布製の手提げ袋に入れて、自転車のハンドルにかけて置いてある。その日もこれらのグッズともども、ゴムひもを袋の中に放り込んだ。
 それでその日の夜、帰宅時に袋からこれらのグッズを取り出して身に付け、最後にゴムひもを取り出したところ、片方しかない。足首に巻く際にゴムひもを飛ばしてしまうことが時々あるので、周辺に飛び散っていないかと探したが見当たらない。しかたなくチェーーのある右足だけに巻いて家に帰った。
 次の日に駐輪場の担当者に落し物がなかったか聞いたが、出てこない。そのまま週末を過ごした。週が明けた朝、自転車に乗ろうとしたら、自転車の横にゴムひもが落ちている。あれ、何で?
 ゴムひもをなくしたのは駅の駐輪場。先週は確かに朝、ゴムひもを巻いて駅まで行き、両足のゴムひも2本を手提げ袋に入れた記憶がある。そして帰りは片方だけ巻いて帰ってきた。どうしてもう片方のゴムひもが自宅の自転車置き場の横に落ちているのか?
 自転車はわが家ではガレージの一角に止めている。週末には何度かクルマを利用したから、普通ならその際に見つけるはずだ。それが今になってなぜ?
 いろいろと考え、思い返してみる。そういえば、週末最後にクルマを利用した後、買い物をガレージに面した勝手口から家の中に持ち運んだ。勝手口のドアを開ける際に、勢い余って自転車を倒してしまった。すぐに立て起こして元に戻したが、夜だったのでそれ以上ガレージ内を見ることはしなかった。ひょっとして倒した際に、自転車に引っかかっていたゴムひもが弾き飛ばされて自転車の横に落ちたのではないか。そう考えるといろいろと符合する。
 先週、駅の自転車置き場でゴムひもを外し、袋に入れた際に、何かの弾みで袋にうまく入らず、自転車のどこかに引っかかった。それがその後自転車に乗っていても取れず、自転車を倒した弾みに取れてゴムひもが発見された。
 すごい奇跡だ。たかがゴムひも1本だけど、こんな奇跡はまたとない。きっといいことが、・・・いやこんなところで運を使い果たしたかな。それでも奇跡にめぐり合えて、なんかとってもうれしい。ゴムひも1本の奇跡。