とんま天狗は雲の上

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Jリーグチャンピオンシップ決勝第1戦 ガンバ対サンフレッチェ

 すごい。何というゲームだ。何という強さだ。チャンピオンシップ決勝の初戦は下剋上を狙うガンバの勢いと、年間勝ち点1位のサンフレッチェの意地がぶつかり合う壮絶なゲームとなった。すごい。いったい第2戦はどうなってしまうのだろう。

 序盤はホームのガンバが早いプレスから積極的に押し込んでいった。2分、CH遠藤のフィードをCF長沢が落とし、右SH阿部がミドルシュート。GK林がセーブする。7分には遠藤のCKからCF長沢がヘディングシュート。9分、OH宇佐美のアーリークロスに右SH阿部がシュートする。

 サンフレッチェはいつものようにパスを回してチャンスを窺う。17分、CH青山のフィードから左WB清水がドリブルで切り込んでミドルシュートを放つ。これがサンフレッチェの初シュート。直後にはCB塩谷から右に流して右WBミキッチのクロスにCF佐藤がヘディングシュート。しかし右SBオジェソクに寄せられ、バランスを崩してミートできない。

 ガンバは21分、OH宇佐美のパスから左SH大森がつなぎ、左SB藤春がシュート。24分、CH今野の縦パスをCH遠藤が絶妙なヒールパス。左SH大森が流してOH宇佐美がシュート。しかしGK林がナイスセーブ。28分にはCH遠藤のアーリークロスにCF長沢がヘディングシュートを放つも、GK林がキャッチする。サンフレッチェも44分、CB塩谷のフィードにDFのブロックをFWドウグラスがつなぎ、左FW柴崎がループシュート。しかしGK東口がセーブする。前半は静かながら火花が散る戦い。スコアレスで折り返した。

 後半4分、右WBミキッチのクロスにCF佐藤がヘディングシュート。しかしGK東口がキャッチ。6分、CH遠藤の縦パスから右SH阿部がミドルシュート。10分、左SH大森のクロスのこぼれを左SB藤春がミドルシュート。DFがブロックする。

 サンフレッチェは後方でじらすようなパス回し。12分には早くもCF佐藤に代えて浅野を投入。前線になかなかパスが入らない展開を変えようとする。しかし15分、DFでのパス回しにミスが出る。左CB佐々木からのバックパスをCH森崎和幸がスルーすると、受けるはずのCB千葉が逆サイドに動こうとして逆を取られる。その間に走り込んだCF長沢がボールを奪い、そのままシュート。ガンバが先制点を挙げた。

 先制したガンバは17分、左SH大森に代えて倉田を投入。前線の運動量を増やし、サンフレッチェにプレッシャーをかける。サンフレッチェも24分、右WBミキッチに代えて柏を投入。29分、CH青山から右に展開。右WB柏のクロスにCF浅野がニアに走り込んでヒールシュートを放つが、DFがブロックした。そして32分、ガンバはCF長沢に代えてパトリックを投入する。すると34分、CH遠藤のFKに走り込むパトリック。準決勝のダメ押し点の再現かと思ったが、シュートはバーの上に外れた。

 そして直後の35分、CB塩谷からのフィードにCF浅野が走り込むと、そのままシュート。左ポストを叩く。弾かれたボールを右WB柏がシュート。FWドウグラスがコースを変えるヘディングシュートでネットに突き刺した。ようやくサンフレッチェが同点に追い付いた。ここからの展開がすごい。36分、やや遠目からのFKを遠藤が蹴ると、DFのクリアをCH今野がボレーシュート。これがネットに突き刺さり、ガンバが再びリードをする。

 追い付こうと必死に攻めるサンフレッチェ。38分、左WB清水のクロスのクリアを右CB塩谷がミドルシュート。しかしGK東口がファインセーブを見せる。そして41分、左サイドから右サイドへとドリブルで進んだ左WB清水に対して右SBオジェソクがマークをして抑えるが、清水のファールに対して激高。思わず清水の胸倉を突き倒してしなう。オジェソク、一発レッドカード。

 一人多くなってさらに攻め込むサンフレッチェ。44分には左WB清水に代えて山岸を投入する。ガンバもOH宇佐美を下げて右SB米倉を投入。オジェソクが退場した右SBをカバーした。そしてアディショナルタイム1分、中盤遠目のFKを左FW柴崎が横に流し、CH青山のフィードにCB佐々木がヘディングシュート。これが決まり、土壇場でサンフレッチェが同点に追い付いた。

 しかしドラマはこれで終わらなかった。アディショナルタイム6分、ガンバのスローインをカットしたサンフレッチェは左サイドでゲームを作り、左WB山岸がクロスを入れるとFWドウグラスボレーシュート。しかしミートできずにこぼれたボールをCF浅野がシュート。DFがブロックしたこぼれ球を今度は右WB柏がミドルシュート。これがネットに突き刺さり、土壇場の土壇場でサンフレッチェが逆転ゴール。壮絶なゲームはサンフレッチェの逆転勝利で幕を閉じた。

 3-2。ガンバが先制した時にどれだけの人がこんなゲーム結果を予想しただろうか。それにしてもすごい。サンフレッチェは最後の最後まで、自陣でパスを回してボールを前に運んでいくと、最後のスローインの場面でも短いパスをつなげてゲームを作り、そして左WB山岸のクロスから勝ち越し点を挙げた。その執念、その意地がすごい。

 ガンバにとってはアディショナルタイムの6分間で指の間から砂がこぼれるように勝利が零れ落ちていった。そして逆転負け。しかしまだ決まったわけではない。次の第2戦はいったいどんなゲームになることやら。両チームの気持ちが結果を決めそうだ。土曜日が楽しみだ。