いよいよW杯も準々決勝までやってきた。その初戦がドイツ対フランス。世界1位と3位の戦い。準決勝又は決勝に取っておきたい好ゲームだ。そして期待に違わぬ好ゲームを展開した。
序盤、フランスの出足がいい。1分、右SHトミがドリブルで右サイドを突破すると、クロスに左SHネシブがシュート。わずかにポスト右に外れる。4分、ネシブのFKからCBジョルジュがシュート。序盤からフランスが積極的に攻めていく。9分にも左SHネシブがミドルシュート。
ドイツはようやく15分、右SHラウデアのクロスにCFシャシッチがヘディングシュートを放つが、これがドイツ最初のシュート。いや、最初の攻撃。19分、OHミッタークがミドルシュートを放つが、ドイツが攻め込む場面はほとんどない。中盤からフランスの出足が早く、ドイツは守備に追われる。25分、右SBフアラの縦パスに右SHトミが走り込み、右サイドを突破してクロスにFWデリがヘディングシュート。
それでも28分、ドイツがセットプレーからチャンスをつかむ。CHゲースリンクのFKがこぼれたところを左サイドに回ったSHラウデアがボレーシュート。CBルナールのブロック。もう一度ラウデアがシュート。これもルナールがブロック。そしてこぼれ球を右SBマイアーがミドルシュート。しかしGKブアディがセーブした。
29分にはFWデリのクロスに左SHネシブがシュート。35分、左SHネシブのドリブルからCHアンリがミドルシュート。強烈だったが、GKアンゲラーがキャッチ。38分、右SBフアラからのフィードをDFがクリアしたところを左SHネシブがシュート。これもGKアンゲラーがナイスセーブした。前半、攻めに攻めたフランス。しかしゴールならず。前半はスコアレスで終わった。
後半に入り、頭からドイツはミッタークに代えてマロジャンを投入する。FWに入るマロジャン。だが後半も序盤はフランスが攻勢。ドイツは5分、FWシャシッチのスルーパスに走り込んだFWマロジャンが戻したところをシャシッチがシュート。しかしGKブアディがナイスセーブ。13分、マロジャンのFKもGKブアディがナイスセーブを見せる。
攻めても攻めてもゴールが遠いフランス。だが19分、右SBフアラからのフィードをFWデリが競ってDFが落としたところを左SHネシブが拾ってミドルシュート。これがDFに当たってコースが変わりゴールネットに吸い込まれる。ようやくフランスが先制する。この後24分、右SHトミをラボジェに交代するフランス。ドイツも25分、左SHポップに代えてデブリッツを投入する。
先制したフランスの中盤でのプレスがやや弱まってきた印象。ドイツがようやく中盤でパスが回せるようになり、反撃をする。27分、ゲースリンクのCKのクリアを右SHラウデアがシュート。わずかにポストの右。ドイツは34分最後の交代、ゲースリンクに代えてCHベーリンガーを投入する。すると39分、フランスのPA前まで攻め込んでFWシャシッチから右に展開。右SBマイアーが上がってPA内で切り返してミドルシュート。しかしこれが左SBマジュリの手に当たる。ハンド。PKの判定。これをシャシッチが落ち着いて決めて、ついにドイツが追い付いた。
43分にはフランスの右SHラボジェがPA内に攻め込んで倒れるが、PKを取らず。太ってプレーの邪魔をしてしまうシーンもあったカナダの主審だが、判定は的確。後半はこのまま終了し、1-1。今大会初めての延長戦に入った。
延長戦の頭からフランスはFWルソメに代えてティメを投入する。延長戦はさすがにお互い運動量が落ち、決定的なシーンはなかなか訪れない。延長前半7分、PA前でルーズになったボールを拾ったFWデリが右に流すと、左SHネシブがドリブル。左SBケメが帰って身体をぶつけシュートを打たせない。PKじゃないかとアピールがあるが、審判はこれを取らない。こぼれ球をFWティネがシュートするが、DFがブロックした。ドイツも13分、右SHラウデアの縦パスに右SBマイアーが走り込み、クロスに左SHデブリッツがシュート。しかしGKブアディがセーブした。
延長後半はさすがに両チーム疲れた。CBルナールの緩慢な守備もあったが、最後は必死に走ってクリアする。11分、フランスは右SHラボジェの粘りから右SBフアラが絶妙のクロス。FWティネが走り込みシュートを放つが、枠を外す。惜しいシュートだった。アディショナルタイム1分にはネシブのCKにCBルナールがヘディングシュート。しかしその前にGKアンゲラーが手を伸ばしてパンチング。こぼれ球を狙ったCHアムラウィのシュートは枠を外した。ドイツもアディショナルタイム2分、FWマロジャンが抜け出してミドルシュートを放つが、GKブアディがナイスセーブ。結局ここでタイムアップ。強豪同士の戦いは120分戦って1-1。勝負はPK戦に持ち込まれた。
PK戦はドイツが先攻。CHベーリンガー、右SHラウデア、CBペーター、FWマロジャンと連続して成功すれば、フランスもFWティネ、CHアビリィ、左SHネシブ、CBルナールと譲らない。そして5人目、ドイツはシャシッチがゴールを決めると、フランスの5人目は右SHラボジェ。だがGKアンゲラーが横っ飛びナイスセーブ。ドイツがPK戦を制し、準決勝進出を決めた。
さすが、面白いゲーム。前半はフランスが圧倒し、先制後も不運なPKで同点に追い付かれる展開。内容に勝っていたフランスに勝たせてあげたかったが、さすがドイツは勝負強い。フランスも前半でゴールが取れていれば結果は違っていただろう。残念。だがここはドイツの粘りを称えよう。次の準決勝はアメリカ。見逃せないゲームが続く。
