とんま天狗は雲の上

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プレミアリーグ第26節 アーセナル対レスター

 強豪との3連戦も最後のアーセナルとの対戦を迎える。リバプール、マンCと撃破してこれで3連勝。7戦負けなしで、アーセナルにまで勝てばいよいよ優勝の可能性が見えてくる。だがレスターにはまだその緊張感は見られない。伸び伸びとアーセナル戦を戦い、結果こそ最悪のものになってしまったが、今後につながる内容だった。レスターの凄さを改めて認識させるゲームだった。

 開始1分、アーセナルはOHエジルから中へのパスを左SHサンチェスが右に流し、右SHオクスレードチェンバレンが絶妙なクロスを入れる。DFがブロックしたが、続くCKに左SHサンチェスがヘディングシュート。序盤からアーセナルが攻勢をかける。9分には右SHオクスレードチェンバレンの仕掛けにPA内でCHカンテがハンドの反則。だが主審はこれを取らない。レスターもいつものように前からプレス。14分には左SHオルブライトンのクロスにFW岡崎が抜け出してシュートを放つが、GKチェフが身体を張ってセーブする。判定はオフサイドだった。

 15分にはアーセナルがOHエジルのスルーパスにCHラムジーが走り込む。飛び出すGKシュマイケル。ナイスプレー。そして16分、今度はレスターがこの時間マレズとポジションチェンジした右SHオルブライトンがクロス。FWバーディーが走り込んでヘディングシュートを放つが、GKチェフがスーパーセーブ。お互い面白い攻防が続く。その後もレスターは前からプレスをかけて、ミスをしてもすぐに奪い返して前へ向かう。前へ前へ、レスターの攻勢が続く。

 アーセナルは25分、右SHオクスレードチェンバレンが一旦CFジルーに預けスルーパスに走り込むと、クロスに左SHサンチェスがシュート。しかしDFがブロック。続くオクスレードチェンバレンのCKにCFジルーがヘディングシュート。しかし枠を捉えられない。その後もレスターが高い位置からプレスをかけて押し込んでいく。39分、CHカンテのミドルシュートはカーブを描いて枠内へ。GKチェフがファインセーブ。

 そして44分、アーセナルがDFではね返したボールをFW岡崎が中盤でヘディング。これを受けたCHカンテが前に運ぶと、CBコシエルニが強烈なスライディング。カンテが吹き飛ばされるが、ボールは前へ。FWバーディーが受けてそのままドリブルで仕掛けると、左SBモンレアルの足にかかって倒れる。モンレアルはバーディーが勝手に引っ掛かったと主張するが、受け入れられずPKの判定。これをバーディーが決めて前半終了間際、レスターが先制点を挙げた。見応えのある前半だった。

 後半最初からアーセナルはCBコシエルニに代えてチェンバースを投入する。前半終了間際のプレーでコシエルニがイエローカードをもらったからだろうか。後半1分、CHラムジーがヒールで中に送ったパスをCFジルーがヒールで落とし、OHエジルがシュート。DFブロックのこぼれ球をラムジーミドルシュート。わずかに左に外す。4分、左SHサンチェスのドリブルを右SBシンプソンが身体ごと止めてイエローカードをもらう。8分、左SBモンレアルのクロスにCFジルーがヘディングシュート。右サイドばかり攻められて右SBシンプソンは相当カッカと来ていたんだろうか、9分、アーセナルスローインを受けてCFジルーが仕掛けようとしたところを右SBシンプソンが腕を取って止めてしまう。2枚目のイエロー。シンプソン退場。

 これで守備を強化せざるを得なくなったレスターは13分、マレズを下げて右SBバシレフスキを投入。岡崎を右SHに回す。その後もレスターが攻め込むシーンがあったが、ラニエリ監督は右サイドの守備を気にしたか、16分、岡崎を下げて左SHグレイを投入。オルブライトンを右SHに回す。それなら最初から岡崎をバシレフスキに交代しておけばよかった。アーセナルも同じタイミングでCHコクランに代えて右SHウォルコットを投入。オクスレードチェンバレンをCHに下げる。

 20分、レスターはCHカンテのスルーパスにFWバーディーが走り込んでミドルシュート。GKチェフがセーブ。その後はアーセナルが押し込んでいく。そして25分、CHラムジーから右に展開すると、フリーの右SBベジェリンからのクロスをCFジルーが落として右SHウォルコットがシュート。ついにアーセナルが1点を返す。レスターも32分、FWバーディーの落としからCHカンテがミドルシュート。カンテが左右によく動いてレスターのカウンターを引き出すが、左グレイが全く効いていない。守備では右SBベジェリンをフリーにするし、攻撃面でも目立たない。

 押し込まれるレスターは38分、右SHオルブライトンに代えてキングを投入。アーセナルもオクスレードチェンバレンに代えてFWウェルベックを投入し、エジルをCHに下げる。40分、CHエジルのクロスにCBメルテザッカーがヘディングシュート。わずかに枠の外。42分、左SBモンレアルのクロスをFWジルーが落とし、FWウェルベックがシュート。しかしうまく合わせられずGKシュマイケルがキャッチする。42分、左SBモンレアルのクロスにFWジルーが強烈なシュート。しかしこれもGKシュマイケルがファインセーブ。43分、右SHウォルコットのクロスにFWジルーがヘディングシュート。GKシュマイケルがキャッチ。さらに左SBモンレアルのクロスにCHラムジーがシュート。枠を外す。アーセナルの猛攻を何とかしのぐレスター。そしてゲームはアディショナルタイムに入っていく。

 アディショナルタイムの終わろうとする4分。アーセナルのCKをDFが大きくクリア。左SBモンレアルと右SBバシレフスキが走り込んで交錯。モンレアルが倒れる。FKの判定。4分を経過し最後のFKのチャンスにCHエジルが蹴ったボールをFWウェルベックが走り込んでヘディングシュート。これが決まり土壇場でアーセナルが決勝点を入れる。ゴール。そしてタイムアップ。2-1、アーセナルがぎりぎり首位レスターに勝利して、リーグ優勝への可能性を残した。

 しかし負けたとは言え、レスターにとっても今後を戦っていく上で大きな自信となったゲームだったのではないか。カンテが絶好調なだけに、岡崎かマレズをもう少し長く残していれば、キングとグレイの投入の順番を逆にしていれば、などラニエリ監督の采配には意見を言いたくなるが、それもこれからの財産になるはず。トッテナムがマンCに勝利してレスターを勝ち点差2でトッテナムアーセナルが追う展開。いずれが優勝しても久しぶり、若しくは初優勝となる。プレッシャーとの戦いもこれからはあるはず。どんなレースになっていくのか。いよいよプレミアリーグは佳境に入っていく。