とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J2リーグ第11節 名古屋グランパス対京都サンガ

 闘莉王、小屋松、石櫃、本多。グランパスから移籍した選手のうち、実に4人が先発に名を連ねるサンガ。闘莉王はFW起用で3試合連続得点中だ。そしてその間、2勝1分け。順位は17位ながら上昇機運にあって怖い相手。左SH岩崎はU20代表に選出されたばかりだ。対するグランパスは永井と内田が前節のゲームでケガを負って欠場。櫛引が戻って3バックの左に入り、左WBには田鍋。そして杉森がFWで起用された。

 トヨタスタジアムは最上階までサポーターで埋まり、ほぼ満員の状況。そんな中、開始1分、サンガのFWオリスが右に流し、右SH小屋松の落としから右SB石櫃がミドルシュートを放つ。グランパスから移籍の選手たちが勢いをもってゲームに入った。5分にはFKからFWオリスがボレーシュート。オリスは体格もよく、闘莉王と並ぶ2トップは迫力がある。また小屋松と岩崎の両SHも小柄ながら速く、裏を狙ってよく走る。二人は京都橘高校の先輩・後輩だ。

 グランパスは7分、田口のFKがゴールを襲うが、GK菅野がナイスセーブ。菅野はこの日が33歳の誕生日だ。グランパスが細かいパスをつないでボール保持率は高いが、なかなかシュートまで持ち込めない。膠着した状況が続く。20分、左SH岩崎のミドルシュートはGK楢崎がキャッチ。30分には左CB櫛引のミスからCKを与えると、FWオリスがシュート。さらにSH岩崎のクロスにFW闘莉王が待ち構えるが、その手前でDFがクリアした。続く石櫃のCKにFWオリスがヘディングシュート。サンガの方がチャンスは多い。

 そして40分、PA手前でFWオリスとCBシャルレスが競って、FKの判定。少し動かしたボールをFWオリスが強烈なミドルシュート。GK楢崎、一歩も動けず。サンガが先制点を挙げた。41分には長いFKからFWオリスが落としたところを右SH小屋松がシュート。これはGK楢崎がファインセーブ。しかし前半はサンガの1点リードで折り返した。

 反撃をしたいグランパスは後半頭から田鍋に代えてFWフェリペ・ガルシアを投入。杉森を左WBに回す。2分、田口のやや緩慢なプレーからパスをCH吉野に奪われ、戻しのクロスをFWオリスがシュート。しかしこれはGK楢崎が正面で抑えた。グランパスは後半もパスを回すが、なかなかシュートまでいけない展開が続く。それで12分には左WB杉森に代えて杉本を投入。13分、右WB宮原が強烈なミドルシュート。ポストに弾かれたボールはGK菅野に当たって外に弾かれる。15分、FW玉田がCH和泉とのワンツーからミドルシュートを放つが、GK菅野がキャッチする。そして24分、CH和泉の縦パスをCFシモビッチが落として、CH田口がミドルシュート。これがDFに当たって、あわやゴール。GK菅野がナイスセーブで弾くが、頭をポストに打ち付けてしまった。しかし気迫で立ち上がる菅野。やはり誕生日を黒星で終えるわけにはいかない。

 29分にはCH和泉のクロスをFWフェリペ・ガルシアが落とし、FW玉田がシュート。しかしDFにブロックされる。次第に時間がなくなってくる。グランパスがパスを回すが、サンガの守備の集中力は衰えない。なかなかシュートまでいけない。逆にパスを奪われ、サンガのカウンターを浴びる。39分、FW闘莉王から右に展開し、CH伊東のクロスに左SH岩崎がシュート。何とかDFがブロックした。

 サンガは40分、FWオリスに代えてイヨンジェを投入。前線に運動量を加える。グランパスも41分、CB櫛引に代えて右WB八反田を投入。宮原を右CBに下げる。そしてアディショナルタイムに突入。GK菅野の治療もあって5分と長いアディショナルタイム。すると46分、左WB杉本がゴール前に入れたクロスをDFがクリアするが、FWシモビッチが収めて、反転からシュート。これが決まり、グランパスが同点に追い付いた。

 その後、アディショナルタイム4分には、右WB八反田のクロスにFWフェリペ・ガルシアがヘディングシュート。これはGK菅野がセーブ。サンガも5分、左SB本多がドリブルで持ち上がり、スルーパスにFWイヨンジェが抜け出しシュートを放つが、サイドネット。そしてタイムアップ。1-1。何とか土壇場でグランパスに持ち込んで、ドローで終わった。

 よかった。サンガは移籍した選手たちが気持ちを見せて、よく戦った。一方、グランパスは攻撃がまだまだ。このゲームではケガ明けの和泉がよく戦ったが、田口の出来がイマイチ。前半は杉森がFWで攻撃的に動いたが、やはり力強さは今一つ。田鍋もやはり攻めきれない。まだまだ多くの選手を試している段階だろうが、永井、内田、佐藤とケガ人が多い中で、何とかみんなで風間監督のサッカーを実践しているが、結局ゴールはアバウトなクロスからというのが皮肉だ。次はモンテディオトリニータとJ1を経験したチームとのアウェイ戦が続く。ここは何とかうまく乗り切っていきたい。