とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

U-20ワールドカップ グループD第1戦 南アフリカ対日本

 U-20ワールドカップが始まった。10年ぶりの出場となった日本だが、魅力ある選手が大勢いる。ジュビロのFW小川航基、フロンターレの左SH三好とCH板倉、ガンバの右SH堂安と右SB初瀬、レイソルのCB中山。J2でグランパスと対戦し記憶に残っている選手もいる。サンガのFW岩崎にトリニータのCH坂井。そしてベンチには15歳の久保が控える。だがグループDは世界の強豪国が顔を揃えた。南アフリカウルグアイとイタリア。U-20世代の実力がどんなものかは戦ってみないとわからないが、まずはグループリーグ突破を目指して戦ってほしい。

 第1戦の相手は南アフリカ。4-2-3-1の布陣で、トップ下にアフリカ予選得点王のシング。序盤からCFマクガルワが快足ぶりを見せる。日本は5分、左SB舩木のクロスにFW小川がヘディングシュート。まずは無難な立ち上がり。かと思ったら、前半7分、CHセレの縦パスに左SHマージマンが走り込み、シュート。CB冨安が止めようとしたが、身体に当たったボールはゴールに吸い込まれた。オウンゴール。序盤のうちに日本が先制点を与えた。南アフリカのプレスが緩く、日本は中盤で楽にボールが持てる。それが逆に戸惑いとなったか、日本の中盤の守備もルーズに。そして南アフリカの走り込むスピードにDF陣がまだうまく対応できなかった時間帯。オフサイドぎりぎりのタイミングながら、長いボールへの対応がうまくいかなかった。12分にはCHセレのロングフィードにOHシングが走り込んでシュート。14分にもCBエムテトワのフィードに右SBムクメラが走り込み、クロス。さらに17分にも左SBモディセのクロスにCFマクガルワがヘディングシュート。南アフリカのスピードとロングボールに押し込まれる展開が続く。

 それでも19分、日本は右SH堂安のCKをGKエムボトがパンチングで弾いたボールをCB冨安がヘディングで競り合い、FW小川がシュート。ポストを叩く。20分にも左SH三好のパスからFW小川がミドルシュート南アフリカのプレスが甘いと、次第に日本がペースを掴んでいく。29分、左SB舩木の縦パスにFW岩崎が走り込み、左SH三好のクロスにFW小川がヘディングシュート。32分、右SH堂安のFKにCH板倉がニアに走り込んでヘディングシュート。南アフリカも34分、GKエムボトのフィードにCFマクガルワが走り込み、中へのパスを受けたOHシングが切り返しからシュート。枠を外したが、速さは怖い。それでも次第に日本の守備陣も南アフリカの速さに慣れていく。43分には左SH三好が、GKが上がった後のゴールを狙ってロングシュート。日本は三好が左サイドを再三破り、チャンスを演出する。それでもチャンスを決めきれず、前半は0-1のまま折り返した。

 しかし後半2分、FW岩崎が左SB舩木とのワンツーで走り込み、クロスにFW小川がニアに飛び込んでのヒールシュート。コロコロと転がってゴールラインを割る。GKエムボトが必死に掻き出すが、ゴールの判定。ゴールが認められてよかった。同点に追い付いて、その後は日本ペースになっていく。

 6分、右SH堂安からCH坂井がつないで、右SB初瀬がミドルシュート。7分、右SH堂安がミドルシュート。その後、9分CHセレのミドルシュート。13分には左SBモディセのミドルシュート南アフリカの攻勢を浴びるが、14分、日本は三好に代えてFW久保を投入する。岩崎を左SHに移す。するとその直後、FW久保が後ろからのパスをワントラップから見事なスルーパス。FW小川が抜け出してシュートを放つが、GKエムボトがナイスセーブ。しかし久保の鮮やかなプレーぶりに驚いた。

 一方、日本のDF陣も奮闘する。19分、DFからにフィードに走り込んだOHシングをCB冨安が抑えきる。南アフリカは20分、CFマクガルワに代えて左SHコディサンを投入。マージマンをトップ下に移し、シングをCFに上げる。21分、OHマージマンのパスからCFシングがシュート。しかしCB冨安がブロック。日本も22分、FW久保がアウトサイドキックで右サイドへ展開。右SB初瀬のクロスに左SH岩崎がヘディングシュート。これは惜しかったが、久保の展開力も見事。23分には左SH岩崎に代えて遠藤を投入する。

 すると27分、左SH遠藤のクロスを右SH堂安がワンタッチでスルーパス。FW久保が左サイドを駆け上がり、中をよく見て戻し気味のクロス。これを堂安が合わせてシュートをゴールに突き刺した。日本、逆転! DFを引っ張ったFW小川の走り込みもよかった。そして堂安を選択した久保のクロスも。

 南アフリカは30分、CHメイワに代えてFWジョーダンを投入。マージマンをボランチに下げるが、攻撃的な布陣。しかし日本は33分、右SH堂安の縦パスにFW小川が走り込み、クロスに左SH遠藤がシュート。これはGKエムボトのナイスセーブに止められる。南アフリカも34分、FWジョーダンのスルーパスにFWシングが走り込むが、これもCB冨安がブロック。38分、左SBモディセのミドルシュートもCB冨安が身体を張る。42分、右SHエムバタのミドルシュート。さらに43分、右SBムクメラのクロスにCBエムテトワがヘディングシュート。しかし日本は一丸となって守る。最後はCH板倉が足を攣って原と交替するが、最後までがんばった。そしてタイムアップ。2-1。後半の逆転で日本が初戦を勝利した。

 この勝利で硬さも取れたのではないか。パスが回る時の日本は強い。個人技は際立っていた。しかしまだ初戦。次に対戦するウルグアイも初戦イタリアを破っている。さらに気を引き締め、次戦を迎えたい。世界でもやれる。この勝利はきっと日本をいい方向へ向けるだろう。次戦以降も期待したい。