とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

退職記念旅行は、東北でよかった(その5)

 「退職記念旅行は、東北でよかった(その4)」から続く。

 翌日、4月26日(水)は朝から雨。前夜、ネットで調べると、千秋公園では桜まつりの期間、どうやら毎晩、ライトアップしているらしい。昨日は人出もなく、思った以上に遠かったこともあり、途中で帰ってきてしまった。それで朝、ホテルを出てクルマで千秋公園に向かう。するとまさに真っ盛り。多くの出店が準備中。でも駐車場もなく、通り抜けも困難だったので入口だけ見て先を急ぐことにした。もう雨が降り始めていたし。

 それでまずは八郎潟へ向かう。この時期、八郎潟のある大潟村では「桜と菜の花まつり」を開催している。それでナビに村役場をセットして走り始めた。道は県道42号を南から干拓地に入る。すごい、両側に農地が続き、まるで北海道のような景色。道もどこまでもまっすぐ。そしてしばらく走った後で、大きな交差点を左折。するとその道がさらにすごい。パンフレットを見ると「菜の花ロード」、そして「桜並木」へ続く県道298号だ。

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 まっすぐな道の両側に黄色い菜の花の絨毯。そしてそれを挟み込む桜色の並木がどこまでも続く。ところどころに駐車帯が設けられており、何台もの車が停まっている。でも、平日ゆえか、雨のせいか、十分ゆとりをもって停められる。それで何度もクルマを降りては、前を後ろを写真に撮った。すごい、すごい、すごい! 振り返っても、この旅で最大の感動だった。こんな景色はここでしか見られない!

 名残惜しい気持ちを持ちつつ、道を北に取ると、桜並木はなくなったけど、代わりに北海道のような農地が広がる。さらに運河に沿って車を走らせる。広い環濠を渡る。すると途端に日本の田舎町になった。やはり八郎潟は特別。来てよかった。

 その後は国道7号を北上。能代市を通り過ぎるとまた信号の少ない1本道が始まる。前方に白神山地が見えるはずだが、この日は雨で山容は見えない。途中で道の駅「みねはま」で休憩。さらに走ると13時過ぎ、ようやくアオーネ白神十二湖に着いた。ここは白神山地への登山の入口。十二湖へ向かう入口まではクルマを走らせたが、さらに先までは行かなかった。青池という神秘的な池があったことを後で知ったが、雨だったし、時間も遅かったので仕方ない。アオーネ白神十二湖のレストラン「アカショウビン」で昼食を取った。

 深浦町は「世界遺産とマグロのまち」だそうで、「マグロは大間だけじゃない!」をキャッチフレーズに、いくつかの食堂で「深浦マグロステーキ丼」を提供している。マグロを三種類の焼き方、三種類のたれで食べるもので、B級グルメとは言えない、A級グルメだ。妻は「海彦山彦定食」。昨夜のしょっつる鍋から鍋物が気に入ったみたい。寒かったし。食事後は入口の物産館「カワセミ」でしばし土産物を探す。奥にはコテージが並び、リゾート地の雰囲気。いちご煮という缶詰を買ったが、まだ食べていない。ウニとアワビの入ったお吸い物というのだが。いつ食べさせてもらえるか、楽しみ。

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 2時前にアオーネ白神十二湖を出て、さらに北を目指す。それにしても、五能線沿いに走っているのだが、さっぱり汽車に会わない。いったいこのローカル線は何時走っているのだろう。道の駅「かそせ いか焼き村」で少し休憩し、鰺ヶ沢を過ぎて、弘前に向かう。岩木山の山裾を走る道は、道路際にフキノトウがいっぱい生えている。妻が嬉々としてフキノトウを摘んでいた。「家まで保つかな」と思ったが、旅行から戻って天ぷらにして食べたらおいしかった。

 弘前も雨なので、桜は翌日にして、まずは弘前市仲町の重伝建地区を見学することにする。全く知らなかったが、行ってみたら、厚い生け垣が並ぶ通りに、江戸期に建てられた武家屋敷が数棟残っている。でもほとんどの家は現代的なものだ。だが、どの家も生け垣はきれいに手入れされ、武家門が残されている。想像していたものとは違ったが、特徴ある町並みということではこういう指定もありなのかもしれない。コンビニで少し買い物をして、それからカメラを持って通りを歩き回った。

 それから宿に向かう。今夜の宿は、「百沢温泉 富士見荘」。弘前から岩木山に向けてまっすぐに登っていく。岩木神社の鳥居の真正面にその宿はあった。部屋は改修されていたが、浴室へは長い廊下を歩いて、さらにほとんど垂直な階段を降りる。岩木山詣でや岩木山登山の客が相手の宿のようだが、この時期は閑散として、泊り客は私たち夫婦しかいなかった。料理もいかにも仕出しで取り寄せたもので、それで二人で19,740円は高いが、弘前市内だと一人2万円以上が当たり前だったので仕方がない。宿の女将さんはやさしかった。

 「退職記念旅行は、東北でよかった(その6)」に続く。