とんま天狗は雲の上

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コンフェデレーション杯 グループA第3戦 メキシコ対ロシア

 コンフェデ杯も準決勝進出の4チームが決まった。顔触れは予想どおり。だが、グループリーグで敗退した国の中ではロシアの奮闘が目立った。グループリーグ第3戦、メキシコとのゲームを観戦した。ロシアはスモロフとブハロフをトップに並べる3-5-2。ポルトガル戦よりはだいぶ攻撃的な布陣で戦った。対するメキシコは4-3-3。左FWに若いロサーノを置いた以外はポルトガル戦とほぼ同じ先発。序盤からメキシコが攻めていく。

 5分、左FWロサーノが中へのドリブルからミドルシュート。しかしロシアもかなり積極的。6分、左IHゴロビンのパスからFWスモロフがドリブル。左WBジルコフが上がってパスを受けるが、メキシコのCBモレノに倒される。しかし主審はPKを取らない。明らかに足はかかっていたが、かかり方が浅いという判断か。VARの意見を聞きたかった。メキシコもその直後、左SBラジュンの斜めのパスに左Hジョナサン・ドスサントスが抜け出すが、左WBジルコフがクリア。ジルコフは12分にもわずかにポスト右に外れるミドルシュートを放つなど、攻めに守りに躍動する。

 17分、ロシアの右CBジキヤのヘディングに走りこんだFWスモロフを後ろから追いかけたCBアラウホが押し倒してしまう。今度こそPKかと思ったが、今度はVARの結果、ノーファールの判定。確かに明らかに足をかけたりしていなければ、主審の判断に委ねられることもあるだろう。しかしロシアには厳しい判定だった。

 その後もメキシコがパスをつないで攻め手を探る一方、ロシアは前からしっかりとプレスをかけて守っていく。そして25分、中盤でCHグルシャコフがボールを奪うと、左IHゴロビンの縦パスからFWスモロフが強烈なミドルシュート。ポストに当たる。はね返りをCHグルシャコフがミドルシュート。GKオチェアがはね返す。さらにこれを左IHゴロビンが拾ってドリブルで左サイドに回り込み、クロスに右IHエロヒンがシュートを打つが、空振り。しかし落ち着いて右に流し、右WBサメドフがシュート。ようやくロシアが先制点を挙げた。先のPKにならなかった判定と合わせて2点分の努力をした感じだが、得点は1点。

 一方、メキシコは30分、右IHグアルダードのFKはGKアキンフェーフがナイスセーブ。しかしはね返りをCFエルナンデスが拾い、左IHドスサントスのクロスをCBアラウホがふわっとしたヘディングシュート。GKアキンフェーフの上を越えてゴールに吸い込まれる。すぐにメキシコが同点に追い付いた。

 33分にはFWスモロフのパスに右IHエロヒンが抜け出して、GKをかわしてシュートを放つが、枠を外す。39分、メキシコは右SBディゴ・レイエスが腿裏を痛め左SBルイス・レイエスに交代する。ラジュンが右SBに回った。42分、右SBラジュンのFKはGKアキンフェーフがキャッチ。前半を終えて1-1。同点で折り返した。

 メキシコは後半頭にベラに代えて左FWアキーノを投入。ロサーノを右FWに回す。1分、ロシアのFWスモロフから左に展開。左IHゴロビンのクロスにFWスモロフがボレーシュート。しかしうまく当たらない。3分には左IHゴロビンのクロスを右IHエロヒンが落としてFWスモロフがスルーパス。しかしオフサイド。後半はロシアが積極的に攻めていく。しかし7分、メキシコのアンカー、エレラのフィードに右FWロサーノが走り込むと、PAの手前でロサーノがヘディングシュート。GKアキンフェーフはヘディングでクリアすべきところを足で蹴ろうとしてロサーノが先に触った。痛恨のミス。いやフィードがぎりぎりPA外で弾んだところはロシアに運がなかった。

 ロシアも14分、右IHエロヒンがミドルシュートを放つが、ポストのやや右。逆に15分、メキシコは左FWアキーノの戻しから左IHグアルダードがクロス。DFのクリアを右FWロサーノが拾って、落としをグアルダードがもう一度クロスを入れてCBモレノがシュート。ゴールを割ったが、VARの判定でオフサイド。ゴールは取り消された。19分にはFWブハロフに代えてポロズを投入。反撃に努めるロシアだったが、23分、左WBジルコフがメキシコの右SBラジュンと競った際に肘打ち。2枚目のイエローで退場となってしまう。

 一人少ない状況でエロヒンに代えて右WBスモルニコフを投入。サメドフを左WBに回す。しかし反撃意識は高い。27分には左WBサメドフの縦パスから左IHポロズのクロスに右WBスモルニコフがシュート。フリーだったが、枠を外してしまう。逆にメキシコはゆっくりとパスを回して時間を使う。一人少ない体制でボールを奪い取ることができないロシア。結局最後は体力切れ、時間切れ。2-1でメキシコが勝利し、準決勝進出を決めた。

 結果は予想どおりだが、ロシアがここまでがんばるとは思わなかった。ゲーム序盤のPKにならなかった2度の判定。そして後半の退場がなければ結果は逆になっていてもおかしくなかった。開催国としてW杯出場は決まっているロシアだが、この結果を糧にさらに強化に努めることだろう。もし日本が当たれば、ロシアもかなり厳しい相手になると思われる。いやその前に日本はW杯出場を決めなければならないのだった。