とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J2リーグ第26節 名古屋グランパス対愛媛FC

 前半を観終えて「こんなゲームを観たかった」と思った。後半まで観終えて「なんてゲームをしてるんだ」と思った。ワシントンが累積欠場で、新加入のイムスンギョムがCB。左右のCBに和泉と宮原。WBには右に青木、左には初出場の現役大学生、秋山が入った。新加入をすぐに起用する風間采配。FWはシモビッチを中央に右FWシャビエル、左FW佐藤寿人。超攻撃的な布陣だ。胸の白い逆三角形が懐かしい、8月限定、J開幕時復刻モデル。GK楢崎のパッチワークのような色とりどりのユニフォームもGK伊藤裕二を思い出す。

 開始2分、右FWシャビエルのドリブルをDFが止めたこぼれ球をCFシモビッチが拾ってスルーパス。これに左FW佐藤が抜け出してシュート。グランパスが幸先のいい先制点を挙げた。その後もグランパスが攻め続ける。右FWシャビエルがサイドを下がって、右WB青木が中を上がっていく。この連携からチャンスを作っていく。それでも16分、愛媛FCは左WB白井のクロスにバイタルエリアで右FW神田がフリー。ミドルシュートはGK楢崎がナイスセーブした。続く右FW神田のCKにCF西田がヘディングシュートを放つ。

 しかし18分、中盤遠目で得たFKをCH田口が蹴ると、ブレ球はGKの手前でグッと沈んでワンバウンド。GKパクソンスが合わせきれずファンブル。ゴール内に転がり込む。グランパスが追加点。その後もグランパスが攻めていく。24分、CH田口から右に展開。右FWシャビエルが中に戻すと、今度はCH田口が左に流す。左FW佐藤寿人がシュート。流れるようないい展開。

 27分、愛媛FCもCB林堂が右サイドへ大きくフィード。右WB小暮が走り込んで、クロスをCF西田が胸トラップからシュートを放つ。GK楢崎が正面でキャッチ。そして32分、右FWシャビエルのスルーパスに右WB青木が走り込むと、クロスをCFシモビッチがシュート。きれいな展開からグランパスが前半のうちに3点目を挙げた。すばらしい。青木を右WBで起用して、右サイドの流れがいい。田口と小林のボランチも、どちらが守備的というのではなく、バランスが取れている。その結果、ボール保持率は愛媛FCの方が高く、パス数もシュート数も互角ながら、ゴール数は3-0。攻守のバランスが格段によくなった。

 38分、右FWシャビエルの縦パスにCFシモビッチが抜けて、GKをかわしてシュートを放つが、GKパクソンスがかろうじて手に当てて4点目は防いだ。41分には右WB青木の縦パスを左FW佐藤が落とし、青木が縦パス。CFシモビッチの落としから青木がミドルシュート。DFがブロック。さらに左FW佐藤がシュート。これもDFがブロックしたが、前半は面白いようにグランパスが攻撃。3-0で折り返した。

 後半に入ってもグランパスが止まらない。3分、右WB青木から左に展開すると、左WB秋山が仕掛けて、クロスにCH田口がヘディングシュート。グランパスが4点目を挙げる。これはもう楽勝。と思いきや、愛媛FCがFWに丹羽と近藤の2トップを投入すると様相が変わる。8分、右WB青木のミドルシュートはGKパクソンスがキャッチ。ここまでは余裕があった。11分、右WB小暮のクロスに左IH河原がミドルシュート愛媛FCは丹羽と近藤の2トップに、小島が上がって河原と並んでトップ下。左右のWBが積極的に上がり出す。

 そして13分、左WB白井のアーリークロスをFW近藤が落とすと、FW丹羽がシュート。これが決まり、愛媛FCが1点を返す。14分には左IH河原が左に流し、左WB白井のクロスにFW近藤がヘディングシュート。右WB青木が白井を止められない。グランパスは20分、イムスンギュが足の不調を訴え、CB酒井に交代する。そして24分、右IH小島が大きく左サイドに振ると、左WB白井が切り返して青木をかわし、ミドルシュート。ネットに突き刺し、2点目を挙げた。

 その直後、グランパスは左FW佐藤寿人に代えてフェリペ・ガルシアを投入する。しかし25分、左WB白井のドリブルから左CB浦田が縦パス。左IH河原が走り込んでシュート。何と3点目。ここでグランパスは小林をCBに下げて4バック。シャビエルをFWに上げて、フェリペ・ガルシアを左SHに置く4-4-2とする。青木を右SHにして、右SB宮原と右サイドを守る体制。愛媛FCも右WB小暮に代えて三原を投入。しかしこうした選手交代のバタバタの中、一度荒れ始めたゲームは収まらない。27分、左WB白井のクロスにFW丹羽がシュート。ついに同点に追い付いた。2点目からわずか3分間で3ゴール。

 しかし直後の29分、今度はグランパスの右SH青木がドリブルで仕掛け、縦パスをFWシャビエルが落とすと、青木がシュート。ゴールに突き刺す。グランパスが勝ち越し点。33分にも右SH青木がシュートを放つが、これはわずかに左に外す。直後、FWシモビッチに代えて左SH玉田を投入。フェリペ・ガルシアをCFに上げる4-2-3-1。シャビエルがトップ下。すると36分、愛媛FCのCH藤田のバックパスをOHシャビエルが奪い、クロスに右SH青木がDFをかわしてシュート。追加点を挙げる。グランパス、6点目。

 その後はさすがに落ち着いてくる。44分、FW近藤から右に流し、右WB三原のクロスに右IH小島がヘディングシュート。わずかにポスト左に外す。5分間と長いアディショナルタイムの4分、左SH玉田のミドルシュートはGKパクソンスがナイスセーブ。そしてAT6分、右SH青木のドリブルから戻しをCH田口がミドルシュート。これが決まりグランパス7点目。田口はハットトリック。7-4。記録に残る大量得失点のゲームはグランパス勝利した。

 しかし後半の怒涛の連続失点はいただけない。愛媛FCの攻勢に右サイドが全く機能しなかった。中盤の選手ばかりをCBに並べ、攻撃はいいが、守備があまりに脆過ぎる。それでも青木を右サイドに起用して、シャビエルとの連携はよかったし、左WB秋山もクロスの精度など、その良さを見せていた。この前半のチームをベースに、守備面を何とかしてほしい。まだまだ成長過程。でもそんなことを言っている間にリーグも終わってしまいそうだ。間に合うかな。次の松本戦も期待したい。