とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第3節 鹿島アントラーズ対サンフレッチェ広島

 サンフレッチェが開幕3連勝して単独首位に立っている。去年ぎりぎり残留したチームに何が起こっているのか。昨季は途中でヤンヨンソン監督を召致して、4バックにして何とか残留を達成した。にも拘わらず、ヤンヨンソン監督はエスパルスに去り、今季は城福監督が就任した。どんなサッカーをしているのか。興味を持って観戦した。

 第3節の相手はアントラーズ。リーグ戦では1勝1分、ACLも2勝1分とけっして不調なわけではない。だが、ゲームを観ると、やはりサンフレッチェの方がアントラーズを上回っている。確かに今季のサンフレッチェは昨季までとは違う。サンフレッチェの先発はティーラシンとパトリックの2トップ。青山と稲垣でボランチを組んで、左SH柏、右SHにはジュビロから戻った川辺が入る。CBは水本と野上。佐々木翔が左SBに入り、右SBにはアルディージャから移籍の和田が入った。昨季からかなりメンバーが変わっている。対するアントラーズペドロ・ジュニオールと金崎の2トップ。遠藤がケガで中村允孝が左SH。右SBにはヴェルディから移籍の安西が入った。

 開始3分、左SB山本のフィードが弾んで、CB水本が処理を誤り、FWペトロ・ジュニオールが奪ってシュート。しかしGK林がナイスセーブ。7分にも右SB安西がFWペトロ・ジュニオールとのワンツーで走り込み、スルーパスペドロ・ジュニオールが抜け出す。しかしシュートはまたもGK林に当ててしまう。

 序盤こそ守勢に回ったサンフレッチェだったが、落ち着いて凌ぐと、しっかりと守備ラインを作って、前からプレスをかけていく。12分、FWティーラシンがプレスをかけてこぼれたボールをCH稲垣が拾うと、右SH川辺が左に流して、左SH柏がミドルシュートを放つ。さらに15分にはFWパトリックの中へのパスに、右SH川辺がその内側が駆け上がり、右サイドを抜け出してクロスを入れる。GKクォンスンテがわずかに触って、左SH柏に届かない。

 するとゲームは次第にサンフレッチェのペースになってくる。32分には右SB和田のクロスをFWパトリックが落とし、FWティーラシンがミドルシュート。DFのブロックをさらに右SH川辺がシュート。だがこれもGKクォンスンテがセーブした。アントラーズも39分、右SH土居のドリブルからFW金崎が落としたボールにCH小笠原がミドルシュート。しかしGK林がセーブ。前半はスコアレスで折り返した。

 後半も互角の膠着した展開。だが6分、右SB和田がドリブルでボールを運ぶと、右SH川辺が走り込んでクロス。これをクリアしたCH三竿のパスが甘い。和田が再びカットして、走り込んだ三竿をかわして、GKのニアを抜くミドルシュートサンフレッチェが先制点を挙げた。サンフレッチェは特に中盤のプレスが鋭い。XH稲垣が前目でプレスをかけていくと、青山はやや下がり目で全体をコントロールする。選手全員が非常にアグレッシブにボールを奪いに行く。

 するとアントラーズは13分、FWペドロ・ジュニオールに代えて鈴木優磨を投入。サンフレッチェも15分、FWティーラシンに代えて右SH柴崎を投入。川辺をトップ下に移し、4-2-3-1に布陣を変更する。すると18分、FW鈴木優磨がライン際で粘ってドリブル。いったんは自分のものにしたボールを突かれて思わず左SB佐々木翔PA内で鈴木優磨を倒してしまう。PKを蹴るのは金崎、ところがこれをGK林がファインセーブ。こぼれ球に寄せたSH土居のシュートもGK林がはね返して、ゴールを許さない。

 アントラーズは21分、中村允孝に代えて右SB伊東を投入。安西を右SHに上げる。すると22分、右SH安西の縦パスに右SB伊東が走り込み、クロスを入れるが、GK林がナイスセーブ。アントラーズの右サイドが活性化したのを受けて、サンフレッチェは24分、左SH柏に代えてCH吉野を投入。左SHにより守備力の高い稲垣を当てる。しかし36分、その右SH安西が膝を痛めて途中交代。左SHに金森を投入し、土居を右SHに移す。サンフレッチェも39分、足首を痛めたOH川辺に代えてFW渡を投入する。

 40分、CH小笠原のCKにFW鈴木優磨がヘディングシュート。しかしGK林がキャッチ。45分にもCH小笠原のアーリークロスにFW鈴木がヘディングシュート。しかしこれはポスト左に外す。終盤はアントラーズが攻めていくが、サンフレッチェは最後まで落ち着いていた。しっかりと守備ブロックを作って守り切り、1-0。3連勝を飾った。

 サンフレッチェは変わった。4-4-2をしっかりと身に付けて、中盤からのプレスと最後まで衰えない運動量でゲームを支配する。中でも川辺と稲垣がいい。ティーラシンもよく効いていた。パトリックの強さも生きている。次節はジュビロ、そしてフロンターレ戦と続く。ここを乗り切れば強さは本物。今季のサンフレッチェは一味違う。