フジゼロックススーパー杯で勝利し、その後もACLでは順調なスタートを切ったものの、リーグ戦では絶不調のセレッソ。前節はヴィッセルとの阪神ダービーに屈して3分1敗。代表で必ずしもいいパフォーマンスを出せなかった杉本をベンチに置いて、ヤンドンヒョンが先発。ボランチもソウザがケガで、代わりに新加入のオスマルが先発した。左SHは高木俊幸。対するベルマーレも開幕戦はV・ファーレンに勝利したもののその後は2分1敗。前節はFC東京に0-1の敗戦。こちらもなかなか調子が上がらない。野田をワントップで起用し、シャドーはいつもの松田天馬と菊地俊介。高山を左WBに回し、右WBには岡本が先発した。
お互い高いDFラインに厳しいプレス。序盤から激しい攻め合いが続く。それでもシュートまで持っていくのはセレッソ。5分、セレッソの左SH高木がミドルシュート。そして13分、GKキムジンヒョンのフィードをFWヤンドンヒョンがDFを背負ってうまくマイボールにすると、落としたボールを右SH水沼が運び、横パスに抜け出したヤンドンヒョンがシュート。セレッソが幸先よく先制点を挙げた。
16分には左SH高木のサイドチェンジから右SH水沼がダイレクト・ボレー。セレッソの方が攻撃に一日の長。個人レベルの巧さがある。しかしお互い中盤を飛び越えて長いボールが行きかう展開。すると36分、ベルマーレがカウンターで攻め込み、左CB大野のクロスに右WB岡本がダイレクト・ボレー。きれいに決まり、ベルマーレが同点に追い付いた。43分には右FW菊地俊介のスルーパスに左FW松田天馬が抜け出すが、飛び出したGKをかわすトラップが長く、DFにクリアされる。セレッソも45分、CH山口の縦パスをFWヤンドンヒョンが落とし、右SB松田陸がミドルシュート。GK秋元がナイスセーブで弾き出した。前半は1-1で折り返す。
後半頭にベルマーレは左WB高山に代えて杉岡を投入する。「アクシデント」と監督の弁。6分、左SH高木俊幸のドリブルからミドルシュート。DFのクリアを右SB松田陸が拾って、クロスにFW柿谷がヘディングシュート。しかしうまく当たらず、GK秋元がセーブする。13分、CKからCBヨニッチがヘディングシュート。14分には右SH水沼がミドルシュート。お互い長い縦パスをFWが落として、SHやシャドーから攻撃を組み立てようとするが、ベルマーレはCF野田にほとんど収まらない。そこで15分、ベルマーレはCH秋野に代えて右FW端戸を投入。菊地をボランチに下げる。30分、右WB岡本のドリブルから、切り返してミドルシュートを放つが、CBヨニッチに当たってポスト右に外れる。続くCH石川のCKをCB大野がヘディング。DFのクリアがゴールサイドに落ちて、右FW端戸がシュートを打つも、サイドネットに突き刺さった。
後半31分、セレッソはようやく高木俊幸に代えてFW杉本を投入する。柿谷を左SHに下げる。ベルマーレも32分、3人目の選手交代。松田天馬に代えてCH小林祐介を投入。再び菊地をシャドーに上げる。35分、FWヤンドンヒョンがカウンターで走り、大きなサイドチェンジに、左SH柿谷がミドルシュート。しかし枠を捉えられない。40分にはその柿谷に代えて左SH福満を投入する。すると41分、右SB松田陸のフィードにFW杉本が走り込んで、切り返しでCB大野をかわし、CBアンドレ・バイアの股を抜くシュート。これが決まり、ついにセレッソが勝ち越した。バルマーレも終盤、アンドレ・バイアをトップに上げて反撃をするが、アディショナルタイムにCB山下を投入し、3バックにして守りを固めたセレッソを崩すことはできず、2-1、セレッソがリーグ初勝利を挙げた。
お互いプレスが厳しいせいか、中盤で攻撃を作ることができず、長いボールと早いカウンターの応酬。結局、巧さで優るセレッソが杉本の勝ち越しゴールで勝利したが、途中は眠くなるような展開が続いた。共にまだまだ。特にセレッソはソウザと清武の欠場が大きい。ヤンドンヒョンの加入がかろうじてチームを救っているが、まだ前途多難。それでもACLでは山村も復帰して済州ユナイテッドに勝利し、グループリーグ2位に上がってきた。そのゲームでは杉本も先発している。フロンターレとレイソルがグループリーグで敗退した。セレッソにはアントラーズとともに、何とかACLとの両立を目指してがんばってほしい。
