とんま天狗は雲の上

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UEFAチャンピオンズリーグ決勝 レアル・マドリード対リバプール

 いよいよ今季ヨーロッパリーグの最後を飾る大勝負、CL決勝がやってきた。3連覇を狙うレアル・マドリード対13年ぶりの優勝を狙うリバプール。下馬評は当然レアル・マドリードに分があるが、一発勝負で勢いのあるリバプールの下克上勝利も期待したい。キエフのオリンピスキ・スタジアムはゲーム前からリバプール・サポーターのYou never walk aloneが響き渡った。先発はレアル・マドリードベンゼマクリスティアーノ・ロナウドにイスコをフリーマンで走らせる4-3-3。右SBにはケガ明けのカルバハルが入った。他はベストメンバー。対するリバプールも右SBに若い19歳のアレキサンダー=アーノルドを起用。中盤はヘンダーソンとワイナルドゥムにミルナー。そして、もちろん3トップはフィルミーノ、マネとサラー。GKにはミニョレをベンチに置いてカリウスが先発した。

 開始1分、リバプールは右FWサラーのスルーパスに左FWマネが走り込むが、CBバランがクリア。レアルも2分、FWロナウドから右IHモドリッチ、さらに右につないで、右SBカルバハルのクロスにCFイスコが走り込むが、手前でGKカリウスがナイスセーブ。お互い一歩も引かない。しかしその後はリバプールが攻めて、レアルががっちりと守る展開。8分、右FWサラーの縦パスをCFフィルミーノが落とすと、右FWサラー、そして右SBアレキサンダー=アーノルドが詰めるが、GKナバスがセーブする。

 11分、レアルは左SBマルセロがミドルシュート。しかしその後は再びリバプールが攻勢をかける。14分、右FWサラー、左FWマネとシュートを打っていくが、DFがブロックした。逆に15分には右SBカルバハルのパスからFWクリスティアーノ・ロナウドミドルシュート。わずかにバーの上。リバプールも19分、レアルのミスで得たサラーのCKにCBファンダイクがヘディングシュート。23分にはMFミルナーのクロスからCFフィルミーノがミドルシュート。はね返りを右SBアレキサンダー=アーノルドが強烈なミドルシュートを放つが、GKナバスがファインセーブ。レアルもゴールを許さない。

 そして26分、CBセルヒオ・ラモスが右FWサラーの右腕を抱えた形で倒れ込むと、サラーが左肩を強打。いったんはピッチに戻ったが、結局30分、サラーをララーナに交代する。大きな攻撃のピースを失ったリバプールに対して、直後からレアルが攻める。しかし37分、今度はレアルの右SBカルバハルが肉離れ。泣きながらナチョと交代した。お互い一人ずつケガで先発選手の後退を余儀なくされたが、これはリバプールの方が痛い。43分、CFイスコのクロスにFWクリスティアーノ・ロナウドがヘディングシュート。GKカリウスのナイスセーブをFWベンゼマが押し込むが、これはベンゼマの位置がオフサイド。45分にはFWベンゼマのクロスに右SBナチョが走り込んでシュートを放つが、サイドネット。48分、FWベンゼマミドルシュートもポスト左に外した。前半は0-0。勝負は後半に持ち越された。

 後半3分、レアル・マドリードが決定的なチャンスをつかむ。FWロナウドの落としから左SBマルセロがクロス。これを左FWララーナがカット。しかしこぼれたボールをCFイスコがボレーシュート。バーにはね返される。このゲーム、レアルに運がないのか、と思った。そして6分、左IHクロースの縦パスにFWベンゼマが走り込むが、GKカリウスがキャッチ。CBロブレンにパスしようとアンダーハンドで投げたボールにFWベンゼマが足を伸ばす。はね返ったボールがそのままゴールの中へ転がり込んだ。レアルが思わぬ形で先制点を挙げた。

 唖然とするリバプール。しばし意気消沈な感じだったが、気を取り直して攻め始めると、10分、MFミルナーのクロスにCHワイナルドゥムとCFフィルミーノが飛び込むが、その手前でCBバランがクリア。だが続くミルナーのCKをCBロブレンがヘディングで落とし、右FWマネがシュート。リバプールが同点に追い付いた。再び勢いを取り戻すリバプール。しかしレアルも攻撃の手を緩めない。15分、右IHモドリッチから右に展開。右SBナチョのクロスにCFイスコがシュート。だがGKカリウスがファインセーブ。

 すると16分、ジダン監督はイスコに代えて右FWベイルを投入。ベンゼマをCFに左FWクリスティアーノ・ロナウドの布陣に変更。そして18分、左FWロナウドが中へのドリブルからシュートを狙う。だが打てずにCHカゼミーロに落とすと、再び左サイドに展開。今度は左SBマルセロが中へのドリブルからクロスを入れると、入ったばかりの右FWベイルがオーバーヘッドシュート。これが決まり、レアル・マドリードが再び勝ち越した。スーパーゴール。

 それでもリバプールはあきらめずに攻める。24分、左SBロバートソンのアーリークロスに右FWマネが走り込むが、手前でCBセルヒオ・ラモスがクリア。25分、CHワイナルドゥムの落としから右FWマネがミドルシュート。しかし左ポストに当たって外に出る。28分にはCHワイナルドゥムのドリブルから右に流して、CFフィルミーノがクロス。PA内でCHカゼミーロの肘に当たったが、これはPK取らない。フィルミーノのシュートもGKナバスがキャッチした。

 逆にレアルも29分、CFベンゼマの落としに左FWクリスティアーノ・ロナウドがフリーで抜け出す。GKと一対一となるが、シュートは左SBロバートソンが足を伸ばしてブロック。36分、右FWベイルのクロスにCFベンゼマボレーシュートはGKカリウスがファインセーブ。前掛かりになるリバプールに対してレアル・マドリードが何度もカウンターでチャンスを得る。それでも逆転をあきらめないリバプールは38分、MFミルナーに代えてエムレ・ジャンを投入する。しかしこれで少し集中力が途切れたその直後、今度は右FWベイルが中盤深い位置から思い切ったミドルシュート。これを正面で弾き返そうとしたGKカリウスの手を弾いてゴールに吸い込まれる。ダメ押しの3点目。さすがにその後はリバプールも疲れた。レアルが時間を使ってそのままタイムアップ。3-1。見事レアル・マドリードがCL3連覇を飾った。

 しかしさすがCLリーグ決勝。見所の多い充実した90分だった。リバプールにとってはサラーが前半30分でピッチを去ったのが痛かった。しかしその後もマネが好調で、いったんは振り出しに戻したが、途中交代のベイルが神がかっていた。GKカリウスの二度のミスがなければ結果はわからなかったが、そこは経験値でリアルの方が数枚も上だった。セルヒオ・ラモスが最終ラインでマネ相手に色々と駆け引きをしていたし、モドリッチ、クロースの中盤もサッカーをよく知っている。そしてベイルを途中出場させたジダン監督の手腕も光った。個人的にはリバプールを応援したが、レアルの強さはさすが。3連覇にふさわしい完成度だった。今シーズン最後に非常にいいゲームを堪能した。さあ、次はW杯だ。サラーのケガも心配だが、エジプトの活躍も観てみたい。