とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

キリンチャレンジカップ2018 日本対ガーナ

 W杯選手選考前最後の国内壮行試合。誰が選考されるかというより、西野監督はどんなサッカーをするのかという点に興味があった。西野監督と言えば攻撃サッカー、ということでハリルホジッチは試さなかった3バックで臨んだ。中盤は山口と大島。左WB長友に対して右WBに原口。そして宇佐美を左FWで起用。本田も右FWで先発した。一方のガーナは4-3-3。アトレチコ・マドリードのパーテイが攻守にチームを引っ張る。FIFAランキングは日本を上回る50位。W杯出場を逃したことが不思議なくらいだ。

 序盤から日本が積極的に攻めていった。5分、左FW宇佐美のヒールに左WB長友が走り込み、クロスにCF大迫がシュート。だがGKオフォリがセーブする。すると9分、ゴール前に放り込まれたボールに対して左CB槙野が競り合ってCFボアテングを倒してしまう。これで得たFKをパーテイが直接ねじ込んだ。GKに見えるようにと開けた壁の間をしっかりと通されてゴールを決められてしまう。

 その後も日本は積極的に攻めていく。13分、CF大迫がポストプレーから右に流して、右WB原口がクロス。左に流れたところを左WB長友が折り返しのクロスを入れるが、CF大迫のシュートはDFにブロックされた。15分にはCH大島のパスカットから左に展開。左FW宇佐美がミドルシュートを放つ。右FW本田が次第に自由にポジショニングをするようになり、人数を集めてボールを奪い攻めていく。

 27分、CH大島のスルーパスに走り込んだ右WB原口のクロスにCF大迫がミドルシュート。29分、左FW宇佐美のミドルシュートはGKオフォリにキャッチされる。33分には自ら倒されて得たFKを右FW本田が無回転シュートで直接狙うが、GKオフォリがナイスセーブ。続くCKから左FW宇佐美のクロスに、右WB原口がフリックして、右FW本田がシュート。だがこれはGKオフォリがファインセーブ。結局、攻めどもゴールならず。前半はガーナの1点リードで折り返した。

 日本は後半頭、CF大迫に代えて武藤、左FW宇佐美に代えて香川、右WB原口に代えて酒井高徳を投入する。すると後半1分、右WB酒井高徳アーリークロスにCF武藤がヘディングシュート。3分には右FW本田の縦パスに駆け上がった右WB酒井高徳のクロスに左FW香川がシュート。さらに4分、左FW香川から右へ大きくサイドチェンジ。これに駆け上がった右WB酒井高徳のクロスをファーサイドで左WB長友が落とし、左FW香川がボレーシュート。だが大きく枠を外した。

 すると続くゴールキックからのフィードをCHサッキーがフリック。右FWアチュアンボングが縦に送ると、走り込んだCFボアテングにCB長谷部が追いかけ、飛び出したGK川島がPA内でボアテングを倒してしまう。PKをボアテングが確実に決めて、ガーナが追加点を挙げた。直後の7分には右WB酒井高徳にMFパーテイがプレスをかけて奪うと、左FWアンポマーが縦パス。これをCFボアテングが落として左IHパーテイがシュート。しかしポスト右に外してくれた。

 日本は人数をかけて積極的に攻めるが、3バックで1枚減った守備は不安定。しかしリスクを冒してでも攻めざるを得ない。11分、右CB吉田のクロスに右FW本田がヘディングシュート。14分には右FW本田に代えてFW岡崎、CH山口に代えて柴崎を投入する。16分には左WB長友のクロスにCH柴崎がミドルシュート。19分にはCH柴崎の落としからCH大島がミドルシュートを放つが、DFがブロックして枠を外した。

 なかなかゴールを挙げられない日本は31分、最後の選手交代、CB長谷部を下げてCH井手口を投入。布陣は4-4-2となる。柴崎が右SH、香川が左WB。そして35分、CH柴崎の縦パスからCH井手口がつないで、FW武藤がシュート。その後も日本が必死に攻めていくが、焦りからかミスを連発。やはり急造ゆえの連携ミスが目に付く。アディショナルタイム47分、右SH柴崎のクロスを左SH香川がスルー。FW武藤がミドルシュートを放つが、枠は捉えられなかった。結局このまま終了。セットプレーからとは言え、2失点。攻撃も連携が合わず無得点。W杯に向けて西野ジャパン好発進というわけにはいかなかった。

 監督が代わって、選手の意気込みは高かった。だがやはり急造ゆえに攻撃の連携はイマイチ。ゴールシーンだけでなく、3バックも危ない場面が何度もあった。ハリルホジッチ前監督の遺産があったとは言え、上積みがあったとは思えない。3バックにして新たな方向を目指してみたが、井戸は掘り当てられなかった。さてどうする。どのメンバーが選ばれるにせよ、W杯はそんなに甘いもんじゃない。結局、監督を交代して、選手の一刻のやる気を引き出しただけで、戦術的には大きく後退したのではないか。いっそのことハリルホジッチ氏にアシスタント・コーチにでも就任してもらったらどうか。