とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯準々決勝 ウルグアイ対フランス

 スアレスとユムティティ、グリーズマンとゴディンとヒメネス。同じクラブに所属する選手同士がそれぞれのチームの主力として対戦するカード。だが、エムバペと同じパロ・サンジェルマンに所属するカバーニポルトガル戦で左ふくらはぎを痛め、ベンチにも入れない。カバーニの不在が大きく響いたゲームだった。ウルグアイカバーニ代わってFWストゥアニが先発。スアレスと2トップを組み、トップ下にはベンタンクール。トレイラをアンカーに右SHナンデス、左SHベシーノのダイヤモンド型中盤はポルトガル戦と同じ。ヒメネスが復帰したDF陣も同様だ。対するフランスは左SHにトリッソが先発。カンテとポグバがダブルボランチを組む4-4-2。グリーズマンがFWでジルーと並び、エムバペが右SH。DF陣はアルゼンチン戦と同じだ。

 5分、FWストゥアニがシュートを放つと、ウルグアイは序盤から積極的に攻めていった。だが、しばらくするとフランスが攻勢。そしてさらにウルグアイ。お互いボールを持つとなかなか取られず、しっかりと攻め切る。14分、CHトレイラのCKにCBヒメネスがヘディングシュート。GKロリスがナイスセーブすると、15分にはフランスも、右SBパバールのクロスをFWジルーがヘディングで折り返し、右SHエムバペがヘディングシュート。だがややタイミングが合わず、バーの上を越えていった。

 エムバペはボールを持つと圧倒的なスピードで突破を図り、囲まれていてもテクニックで抜き去ろうとするが、さすがに警戒するウルグアイDFが完全にやられることはない。19分、CHポグバがミドルシュートウルグアイは36分、CHトレイラのスルーパスにCFスアレスが走り込み、クロスに左SHベシーノがミドルシュートを放つ。そして40分、左SHトリッソの仕掛けをOHベンタンクールが倒して得たFKをFWグリーズマンが蹴ると、CBヴァランがヘディングシュート。フランスが先制点を挙げた。グリーズマンはいったん蹴ると見せかけて止めて、もう一度動き出してのキック。用意されたフェイクだろうが、それがしっかりと決まった。

 その後、ウルグアイも反撃する。42分、CHトレイラのCKのこぼれを右SHナンデスがミドルシュート。44分にはCHトレイラのFKを右SBカセレスがヘディングシュート。決まったと思ったが、GKロリスがスーパーセーブ。ゴールを許さない。前半は1-0、フランスのリードで折り返した。

 後半に入って、フランスが前から積極的にプレスをかける。3分、GKムスレラにFWグリーズマンがプレスをかけてあわやのシーンを作ると、5分、右SHエムバペの鋭く速いFKがゴール前に入る。CHポグバが飛び込むが、GKムスレラがナイスセーブ。だが、エムバペはドリブルだけでなく、FKの精度も高く鋭い。8分にはFWグリーズマンのCKから右SBパバールがミドルシュートを放つが、これは枠を捉えられない。

 ウルグアイも10分、CBユムティティのクリアをカットしたOHベンタンクールがミドルシュートを放つと、14分にはFWスアレスのクロスから右SBカセレスミドルシュート。だが、スアレスも一人ではなかなかいい形でボールに触ることができない。すると14分、FWストゥアニに代えてゴメス、OHベンタンクールに代えてロドリゲスを投入する。しかしその直後の16分、CHポグバがボール奪取からドリブル。パスを受けた左SHトリッソが左に流すと、FWグリーズマンが強烈なミドルシュート。ブレて左下に沈んだボールをGKムスレラが弾こうとするが、うまく当たらない。弾いたボールはこぼれてゴールに転がり込んだ。フランスが追加点を挙げた。

 ウルグアイも必死に反撃する。19分、トレイラのCKのこぼれをOHロドリゲスがミドルシュート。DFに当たったはね返りをもう一度ロドリゲスがシュートを放つが、ポスト左に外れた。その後、右SHエムバペがOHロドリゲスにわずかに当たったとして顔を抑えて倒れる。CBゴディンが近寄って、大したことないだろと起こそうとすると、両チームの選手が集まって紛争状態に。結局、ロドリゲスとエムバペにイエローカードが与えられた。

 お互い集中力も途切れそうな状況だったが、ウルグアイは28分、右SHナンデスに代えてウレタビスカヤを投入。何とか攻撃を活性化しようとする。しかしフランスの守備は堅い。特にカンテが危ない芽をことごとく摘んで、ウルグアイに決定機を作らせない。31分には右SHエムバペの高速ドリブルから落としをFWジルーがシュート。だが枠を捉えられない。35分には左SHトリッソに代えてエンゾンジを投入。ポグバと並んでCBの前に高い壁を作ると、カンテは左SHに出て、ウルグアイの右サイド、SHウレタビスカヤとSBカセレスを抑えにいく。44分にはFWグリーズマンのFKがバーを越える。43分、エムバペに代えてデンベレアディショナルタイムにはグリーズマンに代えてフェキルを投入。最後までスアレスを自由にさせず、決定機を作らせないまま、ゲームを終えた。2-0。フランスが完勝したゲームだった。

 フランスは先制点を挙げた後、GKロリスのスーパーセーブが大きかった。そしてCBとCHの守備が堅い。その上にエムバペやグリーズマンの攻撃力。総合力が高いチームだ。一方のウルグアイカバーニの不在が痛かった。結局、スアレスが中盤まで降りてきてゲームを作らざるを得ず、前線で触ってもいいタイミングで走り込んでくる選手がおらず、孤立する。カバーニがいる状態で両チームのゲームを観てみたかった。とは言っても致し方ない。たとえカバーニがいたところでフランスの総合力は高い。これでベスト4進出。このまま決勝戦まで上がっていけるだろうか。次の準決勝も楽しみだ。