とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯準々決勝 ブラジル対ベルギー

 今大会、輝きを放つかと思われた期待の若手が二人。フランスのエムバペとブラジルのジェズス。だがジェズスはここまでノーゴール。動きの質の高さなどは評価が高いが、結局、最後までゴールが遠かった。これがブラジル敗退の大きな要因の一つではないか。日本戦をギリギリで下してベスト8に進出したベルギーに対して、ブラジルはメキシコを余裕で退けた。カゼミーロの出場停止は気になるが、ブラジルの方が優勢かと思っていた。ブラジルはアンカーにフェルナンジーニョを入れるとともに、左SBにはマルセロが戻ってきた。CFジェズスの爆発を期待した。対するベルギーは日本戦で途中から出場して逆転につなげたフェライニとシャドリが先発。二人がヴィッツェルと連動してIHに入り、DFを右からムニエ、アルデルウェイレルト、コンパニー、フェルトンゲンと4バックで組んできた。また前線もデブルイネをトップ下に左FWアザール、右FWルカク。かなりブラジルを研究した布陣だ。

 開始2分、OHデブルイネがミドルシュートを放つと、ブラジルも8分、左SHネイマールのCKをCBミランダがフリック。CBチアゴ・シルバに当たったボールはポストにはね返された。しかしその直後、ベルギーがカウンター。FWルカクがドリブルで運び、OHデブルイネの落としからFWアザールがシュート。DFのはね返りを左IHシャドリがミドルシュート。わずかにポスト左に外れる。ブラジルも10分、右SHウィリアンのCKに右IHパウリーニョがシュート。しかしうまく当たらない。

 序盤からお互い積極的に攻めて決定機を作っていく。非常に面白い。そして13分、OHデブルイネの縦パスに走り込んだ右IHフェライニがシュート。これで得たCKを左IHシャドリが蹴ると、ニアにCBコンパニーが走り込んでフリック。これがCHフェルナンジーニョの肩に当たってゴールに吸い込まれた。ゴール。ベルギーが先制点を挙げた。

 するとこれでブラジルの攻撃がさらに強まる。15分、左SHネイマールのドリブルからクロスにCFジェズスがシュート。だがCBコンパニーがブロック。19分、左IHコウチーニョミドルシュートはGKクルトワがキャッチする。26分、左SBマルセロのミドルシュートもGKクルトワがナイスセーブ。30分、右SHウィリアンのFKのクリアをCHフェルナンジーニョが拾うと、左SHネイマールミドルシュート。しかし続くCKからベルギーがカウンター。FWルカクがドリブルでボールを運び、右に流して、OHデブルイネがシュート。ベルギーが追加点を挙げた。

 さらに攻めるブラジル。36分、左SBマルセロのクロスにCFジェズスがヘディングシュート。37分、左IHコウチーニョミドルシュートはGKクルトワがファインセーブで弾き出す。逆にベルギーも41分、OHデブルイネのFKをGKアリソンがナイスセーブ。続く左IHシャドリのCKにCBコンパニーがニアに走り込んでヒールシュート。だがGKアリソンがセーブした。前半を終わって2-0。ベルギーが予想外のリードを持って、前半を折り返した。

 するとブラジルは後半頭から右SHウィリアンに代えてFWフィルミーノを投入。ネイマールをFWに上げて2トップにし、ジェズスは右SHに下げる。4-4-2。攻めるブラジル。守るベルギー。4分にはFWネイマールからボールを奪ったCBコンパニーがドリブルで持ち上がり、OHデブルイネから右に流してCFルカクが走る。だがCBミランダがナイス守備。FWルカクとCBミランダの闘いは終始面白かった。6分には左SBマルセロのクロスにFWフィルミーノが飛び込むが、わずかに届かない。

 10分、右SBファグネルのスルーパスにCHパウリーニョが走り込み、シュート。ブラジルが攻める。13分には、右SHジェズスに代えてドウグラス・コスタを投入する。しかしベルギーの守備は堅い。4人のDFの前に3人のMF。中央はなかなか破れない。そしてカウンター。17分、左SHコウチーニョからボールを奪った左IHシャドリがドリブルで上がり、OHデブルイネが左に流して、FWアザールがシュート。ブラジルもその直後、右SHドウグラス・コスタが仕掛けてシュート。だがGKクルトワが立ちはだかる。ナイスセーブ。26分にも右SHドウグラス・コスタがミドルシュート。GKクルトワがキャッチ。ブラジルは28分、CHパウリーニョに代えてレナト・アウグストを投入。30分にも右SHドウグラス・コスタのドリブルからシュート。しかしこれをGKクルトワがナイスセーブ。

 そして31分、左SHコウチーニョのループ状のスルーパスにCHレナト・アウグストが走り込んで、ヘディングシュート。ついにブラジルが1点を返す。これでどうなるかわからない。ブラジルがますます攻撃を強める。33分には左SHコウチーニョから左に流して、FWネイマールのクロスにFWフィルミーノが反転してシュート。しかし枠を捉えられない。36分、左SHコウチーニョから右に流して、CHレナト・アウグストがシュート。これもわずかにポストの左に外れる。

 ベルギーは38分、左IHシャドリに代えてCBフェルメーレンを投入。フェルトンゲンを左IHに上げて、さらに守備を固める。39分、CHフェルナンジーニョのボールカットからFWフィルミーノが左に流し、FWネイマールがドリブル。クロスを入れるが、走り込んだ左SHコウチーニョがうまくシュートを打ち切れない。右に大きく外す。ベルギーは42分、FWルカクに代えてティーレマンスを投入。アディショナルタイム46分、右SBファグネルのクロスにFWネイマールが右SBムニエと競りながら飛び込んで倒れるが、PKは取らない。さらに49分、右SHドウグラス・コスタのクロスをFWネイマールミドルシュート。しかしこれもGKクルトワがファインセーブで弾き出す。最後は続くCKにFWフィルミーノがヘディングシュートをするが、これも枠を外す。そしてタイムアップの笛。2-1。ベルギーが前半のゴールを守り切り、ブラジルに勝利した。すごいゲームだった。

 ベルギーはフェライニ、シャドリと守備を強化した作戦が当たった。そして強固な守備から必殺のカウンター。FWルカクはCBミランダが何とか抑えたが、ついにデブルイネが爆発した。一方、ブラジルはネイマールががんばったものの、ジェズスは最後まで不発。それなら最初からフィルミーノをワントップに起用する手もあったように思うが、今さら言ってもしょうがない。結局、ルカクのようなストライカーの有無がベルギーとの差を分けた感じ。ベルギーの次はフランス。攻撃力はベルギーの方がバラエティに富んでいるが、守備力はフランスの方が上だろう。隣国同士の歴史的確執がいろいろありそう。意地の戦い、面白い勝負になりそうだ。