とんま天狗は雲の上

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地球温暖化に向けて、真にすべき対策

 先日、国連の気候変動に関する政府間パネル(ICPP)が、「産業革命前に比べ、既に約1度の気温上昇がみられ、このままでは2030年に1.5度まで気温上昇し、さらに上がり続ける」という趣旨の報告書を発表した。「1.5度までの気温上昇に抑えるためには、二酸化炭素排出量を2030年までに2010年比較で45%削減、2050年頃までには実質ゼロにする必要がある」というが、はっきり言って、無理でしょ! さっそく多くのマスコミでも、氷河の消滅や永久凍土の融解などを伝え、地球温暖化により異常気象が増加し災害が増えていると恐怖を煽り、しかし一方で、アメリカのパリ協定からの離脱なども挙げて、達成は厳しいなどと論評していた。

 地球温暖化については今や誰も異論を挟むことなく、常識とされつつあるが、個人的には「地球はもう温暖化していない」の方が正しくないかなと思っている。しかし今年の夏がかつてないほどの猛暑だったことも事実で、その対策として、二酸化炭素排出削減などとのんびりやっているわけにはいかない。今や、地球温暖化だろうが、氷河期だろうが、どちらでもいいが、今後の気候変動について、気温ばかりではなく、降雨・降雪量なども含めてきちんと予測し、その対応をしっかりと講じていく必要がある。

 まず、異常気象による風水害に対しては、防災対策をしっかりやる必要があるだろう。もし本当に日本の気温が1.5度上昇するのならば、それに対応した農作物の生産転換を進める必要があるかもしれない。学校へのエアコン設置は既に進められているが、これらの排熱を利用したシステムの開発は考えられないだろうか。永久凍土融解により発生するメタンガスを利用した発電の推進を図るべきではないか。また寒冷地で可住地の増加が見込まれることから、その意味でもロシアとの協調・経済協力を早急に進めるべき、などなど。

 ここまで人類が化石燃料を使用した生活に転換してしまった以上、二酸化炭素排出量を大幅に削減することはかなり困難だと思われる。そうである以上、二酸化炭素排出量の削減対策ばかり進めるのではなく、地球温暖化に伴って起こる気候変動への直接の対応策を検討した方がよほど有意義だ。だからなおさら、ICPPの報告が胡散臭く思えてくる。気候変動を止めるのではなく、気候変動を生かす方策、気候変動に応える方策について、研究・検討を始めるべきではないか。