とんま天狗は雲の上

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ラ・リーガ第10節 バルセロナ対レアル・マドリード

 レアル・マドリードのロペテギ監督が解任された。直前のクラシコバルセロナに1-5と惨敗したことが決断の理由らしい。今節、ラ・リーガではクラシコがあったのか。まずはそのゲームを観戦することにした。レアル・マドリードのゲームは第7節アトレティコ・マドリードとのマドリード・ダービーを観戦したが、この時はスコアレスドロー。けっして悪い出来とは思わなかった。だがその後は2連敗。4戦勝ちなしで順位も7位まで落としてしまった。先発はカニバハルがケガでナチョが右SBに入った他はほぼベストメンバー。マルセロも左SBに入っている。対するバルセロナはメッシが骨折で欠場。代わりに右FWラフィーニャが入る。他はほぼベストメンバー。右SBにはセルジ・ロベルトが先発した。

 序盤は互角の展開。8分には左FWイスコの縦パスに右FWベイルが走り込み、クロスにCFベンゼマボレーシュート。まずはレアル・マドリードがベイルの速さを生かしてシュートを放つ。しかしその後はバルセロナがパスをつないでゲームを支配する。レアル・マドリードは守りながらカウンターを狙う形だが、各選手のプレスは緩い。すると11分、右IHラキティッチのフィードに左SBジュルジ・アルバが走り込み、クロスに左FWコウチーニョがシュート。バルセロナが先制点を挙げた。

 レアルは右SBナチョが中に絞って、その外側のスペースが空く。13分、左IHアルトゥールの縦パスに走り込んだCFスアレスが左に流すと、左FWコウチーニョがカットインからミドルシュート。これはDFにブロックされる。直後には右FWベイルがミドルシュートを放つも、GKテアシュテーゲンがキャッチした。17分には左SBマルセロがミドルシュートを放つ。バルセロナも19分、右SBナチョのクリアを受けた左IHアルトゥールがミドルシュート。GKクルトワがファインセーブで弾き出す。

 レアルも個人能力から攻めてはいくが、ゲームはバルセロナが支配する。レアルは全体の連携がイマイチ。どこか集中力がないように見える。そして30分、左SBジュルジ・アルバのクロスにCFスアレスが走り込んだところを、CBヴァランが後ろから蹴って倒してしまう。VARで確認の上、PK。これをスアレスが確実に決めた。2-0。その後も43分、CFスアレスのクロスにCBピケがヘディングシュート。さらに直後には右FWラフィーニャミドルシュート。そしてアディショナルタイム46分、カウンターで駆け上がったCFスアレスループシュートを放つが。これはバーの上。前半は2-0、バルセロナのリードで折り返した。

 前半バルセロナにペースを握られ、思うようなサッカーができなかったレアルは後半、CBヴァランを下げて右WBルーカス・バスケスを投入。カゼミーロをCBに下げて、3-5-2の布陣に変更する。するとこの布陣変更が功を奏する。5分、CFベンゼマから右に展開すると、右WBルーカス・バスケスの縦パスにOHイスコが走り込み、クロスのこぼれを左WBマルセロがシュート。レアル・マドリードが1点を返した。

 その後もレアルが攻め続ける。10分、左WBマルセロのクロスにCBセルヒオ・ラモスがヘディングシュート。11分、CHクロースの縦パスをFWベイルが落とし、CHモドリッチミドルシュート。だが右ポストにはね返された。12分にはOHイスコから左に展開。左WBマルセロのクロスにOHイスコがミドルシュート。だがバルセロナも次第にレアルの布陣変更に対応ができるようになる。16分、右IHラキティッチの縦パスに走り込んだ右SBセルジ・ロベルトがクロス。CFスアレスのヒールで蹴ったアクロバティックなシュートはポストを叩いた。19分にはCHブスケツから左に展開。左FWコウチーニョのクロスに左SBジョルジ・アルバが内側に走り込んでシュート。だがこれはDFがブロックした。

 レアル・マドリードも23分、OHイスコの縦パスに走り込んだ右WBルーカス・バスケスのクロスにFWベンゼマがヘディングシュート。だが枠を捉えられない。すると24分、バルセロナは右FWラフィーニャに代えて右SBセメードを投入。右サイドの守備を強化し、セルジ・ロベルトを右FWに上げる。さらに29分には左FWコウチーニョに代えてデンベレを投入する。すると30分、左SBジュルジ・アルバからの縦パスに左FWデンベレが抜け出すと、右にサイドチェンジ。右FWセルジ・ロベルトのクロスにCFスアレスがヘディングシュート。これが決まり、バルセロナが先に3点目。レアルを突き放す。

 レアル・マドリードは32分、FWベイルに代えてアセンシオを投入。35分、右IHラキティッチのドリブルから右に流し、CFスアレスのクロスに右FWセルジ・ロベルトがヘディングシュート。これはGKクルトワがキャッチする。しかし36分、レアルは左Sマルセロがヒールパスの際に右腿裏を痛めてFWマリアーノとの交代を余儀なくされる。アセンシオが左WBに下がった。すると38分、バルセロナはCBラングレーのフィードを右FWセルジ・ロベルトが収めて右に流すと、CFスアレスが走り込み、シュート。バルセロナが4点目。39分には左IHアルトゥールに代えてビダルを投入。すると42分、左FWデンベレのクロスに左IHビダルがヘディングシュート。バルセロナが5点目を挙げる。

 その後、45分には左IHビダルから右に流し、右FWセルジ・ロベルトのクロスにCFスアレスボレーシュート。だがこれはGKクルトワがナイスセーブ。レアル・マドリードアディショナルタイム46分、FWベンゼマがFWマリアーノとのワンツーから走り込みシュートを放つが、わずかに右に外した。そしてタイムアップ。5-1。バルセロナが完勝した。

 バルセロナはメッシがいなくても、流れるようなパス回しでゴールを量産。一方、レアル・マドリードは3バックにした後半の序盤こそよく攻めたものの、バルセロナのプレスになかなか決定機を作らせてもらえず、そのままゲームが終わった。これで9位に陥落。ロペテギ監督の解任も仕方ないが、覇気のなさが気になる。

 ところでこのゲームの解説は水波さん、中村憲剛がゲストに入ったが、憲剛の解説がわかりやすく面白い。憲剛らしいピッチを俯瞰した視線、ゲームの流れに応じた選手の対応と監督とのコミュニケーションなど、現役ならではの視線からレアルの布陣変更やバルセロナの対応をわかりやすく解説していた。中村憲剛は引退しても十分解説者として食べていける。いやそれが待ち遠しくなるほどの名解説だった。クラシコも楽しかったが、中村憲剛の解説の解説という思いがけない発見をしたゲームだった。