とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

外国人労働者と単純労働

 先週、いつもの床屋へ行って、主人といつもながらの話をした。先日は最初、格安理髪店について、主人が暴走。主人曰く「10分1000円の理髪ではまともな散髪はできない。10分1000円ということは時間6000円。これはうちよりも高い。だいたいそんな店でどれだけ働いても、将来、自分の店を持つだけの技術はつかない」。商売敵に対する悲憤は理解できるが、需要があるから商売として成り立っている側面は見落としてはならない。

 続いて、最近近くでオープンしたヘアカラー店の話題に移った。当初は「ヘアカラーも美容院ですべき」と主張していた主人だが、「美容院の回数が減るわけではなく、家で自ら行ってきたヘアカラー(白髪染め)の代替だ」と話したら、ようやく納得した。ただ、そうした店で働いているのは、おそらく子育てが一段落した美容院勤務の経験がある主婦。彼女らには将来的に自分の店を持つと言った希望はなく、暇な時間に少しでも稼げればいいという感覚だろうから、店舗経営者と労働者の需要はマッチしているが、先に書いた格安理容店の場合は少し違うかもしれない。

 いや、格安理容店で働く人にも、ヘアカラー店と同様の主婦や、スキーやサーフィンなどの趣味を持ち、季節的に働きたいというフリーターなどもいるかもしれない。そういう形で労働者のニーズとマッチした職場なら問題はないのだが、いま問題となっている外国人労働者の場合はどうなんだろう?

 企業側からすれば、誰でも替えの利く単純労働について、日本人の非正規労働者だけでは不足しているという状況に対して、代わりに単純労働を引き受けてくれる人材として外国人労働者に期待をしているということ。所得水準に差のある外国からの労働者であれば、単純に金儲けだけが目的で、ある程度カネが貯まれば離職してくれるという目算。しかし、外国人側にすれば、日本である程度の期間働けば、ある程度のコミュニティもできるし、母国よりも儲かるという思えば、家族を呼び寄せたりして、永住しようと考える人も出てくる。

 カネだけが目的であれば、母国と日本の労働条件を比較して、日本の方がいいと思って来日するわけだが、その過程で騙されたとか様々なことがあっても、最後は「母国へ帰る」という選択肢が残っている。でも「騙された」とかの点で、いろいろ問題も出てくる。また、長期間働きたいと考えたとすれば、日本での労働条件などの点での問題も発生する。永住したいとなればさらに問題は多い。

 といいことで、いま国会では、入管法改正の議論がされているが、外国人労働者の問題については、上記のような様々な問題が一緒くたに提起され、議論されており、一般国民には何が何だかさっぱり訳が分からない状況ではないか。そのあたりもう少し整理して議論をしてもらえないものか。