なでしこアメリカ遠征2試合目はブラジル。初戦アメリカに引き分けた日本に対し、ブラジルはイギリス相手に1-2で敗戦。連敗はできないと目の色を変えてきた感じ。対する日本はまたも若手を積極的に起用。CBに大賀と南を起用。ともに代表初招集だ。もっとも今朝の新聞を読むと、熊谷と市瀬がインフルエンザにかかったとのこと。苦肉の策だったかもしれない。右SBにも代表初出場の宮川が先発。その代わりに左SB有吉、ボランチには宇津木と中島が入った。両SHには右SH籾木、左SH阪口。そしてFWは横山と代表初先発の池尻。池尻はアメリカ戦の積極的なプレーが評価された形だ。対するブラジルは4-4-2の布陣。マルタとベアトリスの2トップに、右SHアドリアーノ、左SHデビーニャ。ボランチにアウヴェスとベテランのフォルミガが座り、DFは右からサントス、エリカ、モニカ、タミレス。GKはアリーニが入った。
開始2分、FW横山がFKを狙うが、壁に当てる。6分には右SH籾木のアーリークロスにFW横山が走り込むが、GKアリーニがセーブ。さらに8分、CH中島のミドルシュートは枠を外した。序盤こそ攻め込んでいった日本だったが、次第にブラジルの圧力に押され出す。10分、右SBサントスのクロスにFWマルタが飛び込むが、これはDFが競って、わずかに届かない。その流れからFWベアトリスがミドルシュート。日本も17分、FW横山がドリブルで持ち上がり、ミドルシュート。23分には右SH籾木のミドルシュートがDFに当たり、あわやゴールをGKアリーニがナイスセーブする。
しかしその後はブラジルが日本を圧倒。26分、FWマルタが起点となって、CHアウヴェスの縦パスを左SHデビーニャが落とし、FWベアトリスがシュート。28分、FWベアトリスのフィードから左SHデビーニャがシュート。これもGK山根がセーブする。33分にはCHフォルミガがミドルシュート。39分、FWマルタがミドルシュート。日本はDFからなかなか前にボールが入らない。長いパスはことごとくブラジルの中盤にカットされる。43分にはFWベアトリスがドリブルで持ち上がり、左に流してFWマルタがクロス。右SB有吉がブロックするも、こぼれ球をCHフォルミガがミドルシュート。だがブラジルの決定力のなさに助けられる。
すると44分、右SB有吉からのフィードの処理をDFがもたつくと、CH中島が奪って、右に流す。右SH籾木がループシュート。これが決まり、日本が先制点を挙げた。前半はここでタイムアップ。守る時間が長かった日本だが、守り切り、逆に先制点を奪って前半を終えた。
しかし後半になってもブラジルの攻勢は変わらない。7分、CH宇津木から左SHデビーニョがボールを奪い、右に流して、右SHアドリアーナがミドルシュート。右SB有吉がブロックする。10分にも右SHアドリアーノがミドルシュート。さらに11分、左SHデビーニャがミドルシュート。必死で守る日本だが、クリアボールがことごとくブラジルに渡り、波状攻撃を受ける。そして12分、左SHデビーニャのミドルシュートが日本のゴールに突き刺さった。ついにブラジルに同点に追い付かれた。
13分、ブラジルは右SHアドリアーナに代えてジェイジを投入。日本も14分、FW横山に代えて小林、FW池尻に代えてOH長谷川。左SH阪口萌乃に代えて遠藤。そして左SB有吉に代えて鮫島を投入する。長谷川がトップ下に入る4-2-3-1。しかし途中出場のジェイジが元気だ。16分、右SHジェイジが右サイドをドリブル突破してミドルシュート。GK山根が何とかはね返すが、こぼれ球をまたジェイジが拾い、左SHデビーニャがシュート。さらにDFブロックのはね返りをCHアウヴェスがシュート。わずかに右に外れた。19分には右SB宮川からCH中島へのパスが弱い。CHフォルミガにカットされ、縦パスをFWベアトリスがドリブル。最後に左SHデビーニャにパスしたところをGK山根が抑えた。
ブラジルの方がボールへの執着心が高い。特にこのゲームが代表初出場の右SB宮川・右CB南からのボールがつながらない。ちなみにCB大賀はよく戦っていた。またCH宇津木がやや軽いプレーが目立つ。そこで22分、その宇津木に代えて杉田を投入する。するとこれで日本の中盤が落ち着いた。24分、CH杉田が起点となって、OH長谷川のパスからCF小林が縦へ。DFに当たってコースが変わり、右SH籾木のところへこぼれる。ループシュートを狙うが、わずかにポスト右に外れる。
惜しいチャンスだったが、これで日本がようやくペースを取り戻す。29分、CF小林のキープから左SH遠藤が走り込み、クロスにOH長谷川がシュート。GKアリーニがナイスセーブ。しかし31分、右SB宮川のバックパスが弱い。FWベアトリスに奪われて、中へのパスに左SBタミレスが走り込み、クロスのクリアを右SBサントスがミドルシュート。わずかに右に外れるが、やはり右SB宮川が狙われる。32分には右SHジェイジが仕掛けてDFをかわし、FWマルタにつないで、CHフォルミガがミドルシュートを放つ。34分、FWマルタのFKにGK山根が飛び出すが、届かず、手前でフリック。しかしCH杉田がゴールマウス内でクリア。杉田が攻守に効いている。
そして36分、カウンターでCF小林が前に運ぶと、左SH遠藤につないで右につなぐ。右SH籾木のクロスにCF小林がヘディングシュート。日本が勝ち越し点を挙げた。さらに40分、DFのクリアを右SH籾木がカット。右に流して、OH長谷川が中に切れ込んでミドルシュート。日本が突き放す3点目を挙げた。
あきらめないブラジルは41分、右SHジェイジが仕掛けて、DFをかわしシュート。GK山根がナイスセーブすると、続くCKからFWマルタがミドルシュート。しかし前がかりになるブラジルに対して、日本はカウンターで対抗。43分、CH杉田のスルーパスに左SH遠藤が抜け出してシュート。わずかにポストの左。45＋2分、OH長谷川、右SH籾木とつないで、CH杉田がミドルシュート。GKアリーニのナイスセーブで弾かれた。さらに45＋3分にはOH長谷川のスルーパスにCF小林が走り込むが、これもGKアリーニがセーブ。しかし最後まで攻め切って、日本が3-1。ブラジル相手に勝利した。
長谷川、杉田、小林、遠藤らが出るまでは、勝ち越し点を浴びるのも時間の問題という感じだったが、彼女らが出てからは一転ゲームの流れが変わってしまった。先発出場していた籾木と合わせて、さすがベレーザ・コンビは強力。中でもCH杉田の存在感が際立った。やはり外国相手に体格のある選手の存在は大きい。さらに杉田にはテクニックもあり、攻撃のセンスもある。次は阪口夢穂とのコンビも観てみたい。またCBはさらに激戦。大賀もよくがんばったが、他にも市瀬や三宅もいる。イギリス戦はどんなメンバーで臨むのだろうか。次のゲームが楽しみだ。
