とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

令和改元・山陰旅行(その2)

 「令和改元・山陰旅行(その1)」から続く

 朝起きると、まず朝風呂へ。朝6時から一般客が日帰り温泉に入ってくる。バイキングの朝食を食べて、9時過ぎにホテルを出た。まず向かうのは足立美術館。ホテルを出てすぐのコンビニで前売りチケットを購入。山陰道を米子南ICから入り、有料区間を安来ICまで走る。足立美術館までは約40分。10時前にも関わらず、既に駐車場はほぼ7割がた埋まっていた。そしてチケット売り場も長蛇の列。だがそこは前売りチケットの威力。悠々と列を通り過ぎ、スムーズに入館できた。

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足立美術館庭園

 入館してすぐに見事な庭を拝観。多少の日本画が展示してある部屋を通り過ぎると、裏庭も見事。そして坪庭。さらに庭園眺望が前面に広がるメインロビーへ。滝も自前。山も自前。すべてが完璧に手入れされている。さらに林義男の童画等を鑑賞しつつ進むと、人だまりがあって、何を並んでいるのかと思ったら、これが噂の「生の掛け軸」。そこを出てさらに進むと、茶室「寿楽庵」があった。しばし待合で待った後、室内へ。向かい合わせの席から土壁を縦に切り取って庭を眺める、ここでも「生の掛け軸」が拝観できる。お茶菓子は松江銘菓「日の出前」。一服後は金の茶釜も見学した。その後はもっぱら日本画の鑑賞。横山大観川合玉堂前田青邨川端龍子。他にもたくさんあったけど、全てを観ていては時間がいくらあっても足りない。適当なところで割愛して次を急いだ。

 足立美術館を出発したのは11時15分。ほぼ予定どおり。昼食は松江市内の神代そばの予定。山陰道松江西ICを降り、宍道湖の景観を眺めながら松江城へ向かう。車中から松江城を眺め、お堀沿いに走ると、武家屋敷群の先に目的の神代そばが見えてきた。クルマは苦労して何とか駐車したが、店には長い列ができている。順番を待つ間、交互に武家屋敷・塩見縄手・小泉八雲旧居などを見て回る。お堀と武家屋敷がよく似合う。

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松江武家屋敷

 30分ほども待ってようやく順番が回ってきた。とろろ割子そばと温かい釜揚げそばを食べる。小さめの3段重ねの木の器に盛られたそばに直接つゆをかけて、食べ終わったら、つゆを下の段の器に移していく。最後はそば湯をかけて飲む。他では見られない形のそばだが、おいしかった。

 しかし予定よりも時間がかかって、出発したのは13時半過ぎ。途中、宍道湖沿いの格安ガソリンスタンド「ユニペト」で給油。セルフだが現金のみでお釣りはカードで出る仕組み。カードはその場で精算できるとも書かれていたが、不安なので少し少なめに3000円分だけ給油した。でもちょうどよかった感じ。そこからいよいよ今夜の宿、石見銀山へ向かう。

 途中、山陰道が新しく開通したばかりの区間もあり、少し迷ったが、無事15時には石見銀山へ到着した。まずは宿に寄って、クルマを止めさせたもらい、銀山地区の龍源寺間歩へ向かう。GW中、山陰地方は次第に雨となる予報だったが、ここまでは何とか振り出さずに来た。しかしここでついに雨が降り出す。小雨の中、自転車で間歩まで向かう人たちもいたが、宿がレンタサイクル所からかなり間歩寄りにあったこともあり、傘を片手に歩いて向かう。片道2.3km。途中、大森小学校の入り口には全校生徒9人分のパンジーの鉢が置かれていた。もちろん木造校舎。アスファルトの狭い道路は片側をせせらぎが流れて気持ちがいい。それでも時々強い風が吹きすぎて、傘が壊れそうになる。途中、立入禁止の看板とともに、小規模な坑道跡が随所に見られる。古びた家屋も見られなくなり、かなり歩いたところでようやく龍源寺間歩に到着した。

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龍源寺間歩

 坑道内は削り取った蚤跡がそのまま。低いところでは腰を屈まねば通ることはできない。それでも雨は降らないから快適。ところどころ鉱脈を追って掘られた「ひおい抗」も残っている。最後は当時の作業を説明するパネル展示を見て、坑道を出た。面白かった。しかし、帰りが大変。ただ同じ道を帰るだけだが、次第に雨が強くなってきて、靴がグジュグジュ。最後は私が宿まで先に歩いて、クルマで家族を迎えに行ったが、妻はかなり疲弊していた。

 しかし宿に入ったら一転。宿泊したのは「石見銀山の宿 ゆずりは」だが、観光車両が進入禁止となる龍源寺間歩へ向かう道沿いにあり、正面には国史跡渡辺家住宅がある。夕食はこの住宅の土間を通り過ぎ、奥にある「せせらぎ茶房まぶのや」で食事する。多くの方が宿泊されていたのか、私たちは厨房前のカウンターで食事をすることになったが、凛とした厳しさと品を備えた調理人の方から直接料理の説明を受け、また話をすることができた。中でも地元産ノドグロの刺身と炙りは絶品。また、部屋もなんとスイート。三方に窓がついて、浴室はガラス張りの個室。それでも一人2万円はいかないので、かなりリーゾナブルではないかな。大満足して眠りについた。

 以下、「令和改元・山陰旅行(その3)」に続く。