とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

女子ワールドカップ 準々決勝 フランス対アメリカ

 女子ワールドカップもいよいよ準々決勝。残念ながら日本はラウンド16でオランダに屈したが、ベスト8の顔触れを見ればアメリカ以外は全てヨーロッパのチーム。優勝候補筆頭のアメリカは準々決勝でフランス。その後も勝ち上がれば、イングランドやドイツとFIFAランキング2~4位のチームを破っていかなくてはいけない組合せだ。フランスもFIFAランキング4位。4月の強化試合では日本が1-3で敗れた相手だ。

 布陣は4-2-3-1。ゴーヴァンをトップに、ティネイがトップ下に入り、右SHディアニ、左SHルソメ。中盤にはアンリとビュサグリアが並び、DFは右から右SBトロン、CBムボク・バティ、CBルナール、左SBマイリ。GKはブアディが守る。アメリカは4-3-3の布陣。モーガンをワントップに、右WGヒース、左WGラピノー。中盤はアーツをアンカーにして、右IHラベル、左IHミュウィス。DFは右から右SBオハラ、CBダールケンパー、CBソーアーブラン、左SBダン。GKにはネアが入る。

 開始1分、さっそくアメリカが仕掛けていく。左WGラピノーが中へドリブルで仕掛けて、CHアーツがミドルシュート。GKブアディがナイスキャッチ。その後もアメリカの勢いが止まらない。そして5分、CFモーガンの仕掛けをCBムボク・バティが倒してPAやや外側でFKを得ると、左WGラピノーのシュートが直接ゴールネットを揺する。アメリカが早くも先制点を挙げた。

 フランスも13分、右SBトロンの縦パスに右SHディアニが走り込み、クロスをCHビュサグリアが左に展開。左SBマイリのクロスを左SHルソメがヘディングシュート。GKネアがナイスセーブする。しかし直後にはアメリカも左WGラピノーが仕掛けて右SBトロンを抜いてクロス。CFモーガンがシュートを放つ。16分には左SBマイリのクロスをCFゴーヴァンが反転からシュート。CBソーアーブランがブロック。するとすぐにアメリカがカウンター。CFモーガンの縦パスに左WGラピノーが走り込む。しかしGKブアディが飛び出してクリア。広いピッチを目一杯使って、速い攻防が展開される。18分には右SHディアニのクロスのこぼれからCHビュサグリアがミドルシュート。さらにCHアンリがミドルシュートとフランスが必死に反撃をしていく。

 その後はしばらく膠着状態。32分、OHティネイのCKからCHアンリがヘディングシュートを放つも、枠を捉えられない。フランスがペースを握るが、なかなかシュートまで至らない。45+1分、左SNマイリのクロスに右SHディアリがヘディングシュートするも、肩に当たり、枠を外した。前半は1-0のまま。アメリカのリードで折り返した。

 前半も中盤以降は守る時間が長かったアメリカだが、ハーフタイムを挟むとまた別人のように勢いが増す。後半開始1分、左WGラピノーの落としから左IHミュウィスがシュート。GKブアディがナイスセーブ。はね返りを右WGヒースが詰めてシュートするが、これもGKブアディが弾き返した。続くヒースのCKからCFモーガンがシュートと後半立ち上がりはアメリカが攻勢をかけた。だがこれに耐えたフランスは7分、CHアンリが2本続けてミドルシュートを放つと、満員のサポーターの応援がフランス代表を後押しする。続くOHティネイのCKに左SHルソメがミドルシュート。13分には右SHディアニが仕掛けて、こぼれ球を右SBトロンがクロス。GKネアとCFゴーヴァンが競ってこぼれたボールに左SHルソメがシュート。しかし力んだか、シュートはサイドネットに外れた。

 14分にもOHティネイのスルーパスに右SHディネイが抜け出すが、シュートは左SBダンがブロック。この二人は前半から火花が散るような攻防を繰り返した。18分、アメリカは右IHラベルに代えてホランを投入。19分、OHティネイのクロスにCFゴーヴァンがヘディングシュート。だがGKネアがナイスセーブ。すると20分、CFモーガンが右サイドに下がってスルーパス。右WGヒースが走り込み、クロスに左WGラピノーが走り込んでシュート。これが決まり、アメリカが追加点を挙げた。耐えるところは耐えて、一瞬のチャンスを決めきる。これがアメリカの強さだ。

 その後、アメリカはアーツがCBの間に下がって5バックにして守りを固める。フランスも攻めるが、肝心のところでミスが多い。30分、CFモーガンのスルーパスに左SBダンが抜け出して、クロスを右WGヒースが押し込み、決定的な3点目。かと思ったら、ダンのポジションがわずかにオフサイドの判定。フランスは31分、CFゴーヴァンを下げて右SHカスカリーニを投入。ディアニをCFに上げる。33分、CHアンリがミドルシュート。34分、右SHカスカリーニのクロスに左SHルソメがシュート。GKネアがナイスセーブする。そして36分、OHティネイのFKにCBルナールのヘディングシュートが決まる。フランスが1点を返した。41分にはPA内で左SBマイリのパスが右SBオハラの手に当たったが、主審はPKを取らず。VARも確認せず。その後は37分、左IHミュウィスに代えてロイド。42分には左WGラピノーに代えてプレスと選手交代を重ねたアメリカが残り時間もうまく使い切って2-1。準決勝進出を決めた。

 開催国フランスは2011年大会以来のベスト4進出を狙ったが、アメリカの前に夢は潰えた。これでアメリカは1991年、女子ワールドカップが始まって以降、8回連続でベスト4以上を決めた。そして次はFIFAランク3位のイングランド。これもまた見逃せないゲームとなりそうだ。