ACLのため他チームよりも1試合消化が少なかったチーム同士の対戦が水曜日にあった。土曜日にトリニータに勝利して3位に上がってきたフロンターレは、このゲームに勝てば首位FC東京に勝ち点差1と肉薄する。しかし中3日のゲームは前節から齋藤学と中村憲剛、田中碧、そして車屋をベンチに置いて、左SHには長谷川。トップ下に家長。ボランチには守田。そして登里を左SBで起用して、右SBには馬渡が入った。他は前節と同じ。一方、サンフレッチェは5-4-1の布陣。パトリックがガンバに移籍して、CFにはドウグラス・ヴィエイラが入る。中盤は稲垣と川辺がボランチに入り、右SH柴崎、左SH森島。右WBはハイネル、左WBには柏。野上が累積で出場停止のCBは右から井林、荒木、佐々木と並ぶ。GKは若い大迫だ。
序盤、フロンターレが積極的に前からプレスをかけていく。しかししっかりと守備を固めて対応すると、4分、左SH森島のクロスに対してCH守田がクリアミス。こぼれたボールをCB佐々木が蹴り込んで、サンフレッチェが幸先よく先制点を挙げた。その後もフロンターレがパスを回して隙を窺うが、サンフレッチェの守備が堅い。フロンターレがなかなかチャンスも作れないまま時間が過ぎると、23分、左SH森島のクロスにCFドウグラス・ヴィエイラがヘディングシュート。サンフレッチェが追加点を挙げた。
前半も早い時間に2点目を入れられたフロンターレはその後もパスをは回すものの、有効な攻めの形を作っていけない。30分過ぎ位から、阿部と家長のポジションを入れ替えて、阿部がトップ下に入ってくる。そしてようやく36分、左SB登里のクロスをCF小林が丁寧に落として、CH守田がミドルシュート。しかし枠を捉えられない。43分にはCF小林のスルーパスに右SH家長が抜け出し、クロスに左SH長谷川が走り込む。が、手前でCB井林がクリア。前半はこのままサンフレッチェがゴールを許さない。サンフレッチェの2点リードで折り返した。
後半開始からフロンターレはCH守田に代えて山村を投入。山村は積極的にゴール前まで上がってくる。しかし7分、左WB柏の突破を右SH家長がPA手前で倒すと、左SH森島のFKのクリアを右SH柴崎がヘディングで前に送り、CB荒木がヘディングシュート。サンフレッチェが3点目を挙げた。これですっかり余裕のできたサンフレッチェは、余裕でパスを回す。また、守備の場面ではCH稲垣とCH川辺が効果的に戻って、フロンターレの縦パスからの展開を自由にさせない。フロンターレは12分、OH阿部に代えてFWレアンドロ・ドミンゲスを投入。サンフレッチェも23分、右SH柴崎に代えて左SH渡を投入。森島を右SHに回す。
24分、CH川辺がミドルシュート。これで得たCKを森島が蹴ると、CB佐々木がフリー。しかしシュートはポスト右に外した。サンフレッチェは25分、右WBハイネルに代えて清水。フロンターレも28分、足を痛めた左SB登里に代えて車屋を投入する。すると30分、CH下田の縦パスをFW小林がワンタッチでフリック。FWレアンドロ・ダミアンが落としたボールをFW小林がシュート。きれいにゴール左隅に決まった。ついにフロンターレが1点を返した。サンフレッチェは直後にCB佐々木を下げてCB吉野を投入。荒木を左SBに移す。
そして34分、左SH長谷川のクロスにFWレアンドロ・ダミアンがヘディングシュート。これが決まり、フロンターレが2点目。1点差に追い上げる。これでゲームはわからなくなる。36分にはCH山村が強烈なミドルシュートを放つが、GK大迫がファインセーブ。37分にはCH下田のCKをGK大迫がパンチング。しかしうまく弾けず後方に飛んだボールを左SH長谷川がヘディングシュート。右SH渡がライン上でクリアした。この時間からサンフレッチェは渡を右SH、森島を左SHに戻す。
42分、左SH長谷川のパスからCH下田がスルーパス。FW小林が左に落として、走り込んだ左SH長谷川がシュート。しかしポストの右。44分には右SH家長がボレーシュートを放つが、GK大迫がキャッチする。その後も攻め続けるフロンターレ。だがサンフレッチェが何とか守る。そしてタイムアップ。3-2。サンフレッチェが勝利した。
これでサンフレッチェは5位に浮上。これで6試合負けなし。選手層は不安だが、守備意識は高く、いかにも城福監督らしいチームに仕上がってきた。一方、フロンターレは16試合ぶりの黒星を喫し、4位に後退した。とは言っても首位との勝ち点差は4。この間に、マリノスとアントラーズが入り、J1リーグはわずか勝ち点差4の中に4チームが集まる大混戦になってきた。各チーム、夏の移籍で選手も大きく変わっている。この混戦から抜け出すチームはどこか。猛暑の中、激闘は続く。
