W杯以来、久しぶりのなでしこジャパンはFIFAランク7位のカナダが相手。先のW杯ではカナダも日本と同じベスト16敗退。東京五輪は開催国で予選のない日本にとって、貴重な強豪チームとの対戦だ。日本の布陣は4-4-2。岩渕と菅澤の2トップに、中盤は右SH中島、左SH長谷川。ボランチは杉田と三浦。そしてDFは右から右SB清水、CB熊谷、CB南、左SB宮川。GKは山下。要所要所に若い選手が名前を連ねている。対するカナダの布陣は3-5-2。ヴィテマとシンクレアの2トップに中盤はスコットをアンカーに、右IHフレミング、左IHシュミット。WBは右にリビエール、左ローレンス。そしてCBは右からクイン、ブキャナン、サドルスキー。GKはラペーが守る。
序盤から日本が積極的に攻め込む。そして6分、右SB清水のパスから右SH中島がFW菅澤とワンツーで抜け出し、クロスにFW岩渕がシュート。日本が幸先よく先制点を挙げた。カナダも直後の7分、左IHシュミットのスルーパスにFWヴィテマが抜け出し、シュート。GK山下がナイスセーブ。それにしても簡単に裏を取られた。しかし日本の攻撃の勢いは止まらない。8分、左SH長谷川のクロスを右SH中島が胸で落として、FW菅澤がミドルシュート。しかし枠は捉えられない。9分には左SB宮川がドリブルで深い位置まで持ち上がり、戻しのパスをCH杉田がミドルシュート。しかしこれはGKラペーにセーブされた。
その後はやや膠着。26分、FW菅澤のミドルシュートはGKラペーにキャッチされる。33分には左SH長谷川がFW岩渕とのワンツーからシュートを放つが、DFにブロックされる。36分には中島がミドルシュート。そして37分、カナダは左WBローレンスがクロスを入れると、CB南がヘディングクリア。しかし大きくは飛ばず、ゴール前の混戦の中でCH三浦が右SBリビエールに蹴られ、担架で運ばれる。42分、三浦に代わって右SH籾木を投入。中島をボランチに下げて対応する。前半は1-0で折り返した。
カナダは後半、CBクインを下げて、左SHベッキーを投入。布陣も4-2-3-1に変更。シンクレアをトップ下に下げて、中盤はスコットとフレミングのダブルボランチ。シュミットを右SHに回す。日本も後半は最初から岩渕を左SHに下げ、長谷川をFWにしてきた。5分、FW菅澤から左に展開、左SH岩渕がカットインからミドルシュート。わずかに右に外れたが、いいシュートだった。7分にはFW長谷川のドリブルから右に展開。右SH籾木がカットインしようとしたが、DFがブロック。こぼれ球をCH杉田が狙うが、GKラペーがセーブする。さらに直後には右SH籾木のパスに右SB清水が駆け上がり、ライン際からのクロスを左SH岩渕が折り返すと、FW菅澤がヒールでシュート。これはDFにクリアされた。
カナダも11分、左SBローレンスのクロスを右SHシュミットが落として、OHシンクレアがシュート。だがGK山下がキャッチした。15分には左SH岩渕のサイドチェンジから右SH籾木がヘディングシュート。その直後、カナダは右SHシュミットに代えてレオンを投入。日本も18分、FW菅澤に代えて左SH遠藤を投入。岩渕をFWに戻す。すると20分、左SH遠藤が下げたパスを左SB宮川が中へパス。FW長谷川の縦パスをFW岩渕がヒールで落として、長谷川がシュート。GKラペーがファインセーブするが、こぼれ球を右SH籾木がシュート
これが決まり、日本が追加点を挙げた。
さらに27分、右SH籾木の縦パスにFW岩渕が抜け出す。GKと一対一。横に流して、FW長谷川が押し込む。ゴール。日本、3点目。カナダも29分、左SBローレンスのクロスのこぼれからOHシンクレアがシュートを放つが、DFがブロック。日本は最後まで集中して、よく守った。カナダは30分、右SBリビエールに代えてアグニュー投入。日本も34分、FW岩渕に代えて田中南美。左SB宮川に代えて高橋はなを投入する。W杯に出場できなかった田中南美にとっては、存在感を示したいところ。
36分、左SH遠藤がDFを背負って前を向き、ドリブルで運んで、クロスにFW長谷川がシュート。しかしこの時にGKと交錯。立ち上がれず、小林里歌子と交代した。アディショナルタイムは3分。終了間際の45＋2分、CH杉田の縦パスにFW田中南美が抜け出す。そのままドリブルしてシュート。GKラペーにはね返されるが、こぼれ球をFW小林が押し込んだ。4点目。そしてタイムアップ。カナダ相手に4-0。日本が久しぶりに強さを見せつけて快勝した。
よかった。W杯はオリンピックの前哨戦とは思っていたが、ようやく始まった代表のゲーム初戦でこんな勝ち方ができて本当によかった。三浦や長谷川のケガは心配だが、田中南美や宮川らも活躍したし、岩渕や菅澤もいよいよ円熟味が増した。次の代表戦は来月の南アフリカ戦。そして12月にはE-1選手権が開催される。オリンピックに向けてさらに成熟度を高めていってほしい。
