とんま天狗は雲の上

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UEFAチャンピオンズリーグ グループE第3節 ヘンク対リバプール

 昨季8年ぶりにベルギーリーグで優勝を飾り、CLへの出場を決めたヘンク。久しぶりのCLでは昨季優勝のリバプールナポリと同じグループに入り、よもやグループ突破は期待していないだろうが、それでもこのクラスのチームと戦うことができるのは大きな糧になる。もちろん伊東純也にとっても。先日のW杯アジア予選モンゴル戦で出色の出来を見せた伊東純也のクラブでのプレーぶりを見たくて、DAZNで観戦した。相手はリバプール。4-1という結果は先に知っていたので、あまり期待することなく観始めたが、ヘンクもけっこう健闘して、いいプレーを見せていた。

 ヘンクの布陣は4-4-2。ポストタイプのオヌアチュに快足のサマッタという2トップ。伊東純也は右SHに入り、左SHにはボンゴンダ。ヘイネンとベルグは共に20代前半の若いボランチ。右SBメーレもデンマークU21代表の21歳。左SBウロネンはフィンランド代表。ルクミとクエスタのCBも20歳・21歳と若い。さらにGKクーケも20歳。この若いチームに対してリバプールはほぼベストメンバーでアウェイに乗り込んだ。フィルミーノ、マネ、サラーの3トップは変わらず、中盤は右IHオクスレード・チェンバレン、左IHケイタと先日のリーグ戦から変更したが、アンカーはファビーニョ。DFは右SBミルナーと右CBロブレンを起用し、他はリーグ戦に同じ。GKにはアリソンが入った。

 開始2分、右IHオクスレード・チェンバレンのグラウンダーのミドルシュートがゴール左ポストぎりぎりに飛び込む。あっけなくリバプールが先制。それでもヘンクは序盤からカウンターで反撃をしていく。5分、左SBウロネンのフィードにFWサマッタが走り込み、ミドルシュート。8分にはCBクエスタのフィードをFWオヌアチュが収めて、シュートを放つ。GKアリソンがファインセーブで弾き返した。その後はリバプールが優勢。右SH伊東はリバプールの左サイド、マネやケイタ、さらに左SBメーレと受け渡しつつ、ロバートソンをマークする。このあたりの連携はスムーズだ。19分にはCBルクミからのフィードに右SH伊東がCBロブレンをかわして抜け出すが、PAに入ったところでバランスを崩して転んでしまった。残念。

 逆にリバプールは25分、右SBミルナーのクロスを左WGマネが落とし、CFフィルミーノがラボーナでパス。マネが走り込みシュートを放つが、GKクーケがナイスセーブ。すると26分、DFからのフィードに右SH伊東が抜け出して、クロスにFWサマッタが走り込みヘディングシュート。これが決まり、ヘンクが同点に追い付いた。と思ったら、VARでゴールチェック。結果、伊東の走り込みがわずかにオフサイドと判定され、ゴールは取り消された。これも残念。

 30分には右WGサラーのFKがわずかにバーを越える。31分、左WGマネのヒールパスに内側を走り込んだ左SBロバートソンがシュート。これもGKクーケがナイスセーブで弾き出す。33分、右SBミルナーのCKにCBロブレンがヘディング、さらに右WGサラーがヘディングシュートを放つが、枠は捉えられない。すると40分、FWオヌアチュと右SH伊東、右SBメーレで右サイドを崩すと、伊東が抜け出し、ゴール前にクロス。FWサマッタが走り込むが、わずかに届かない。これも惜しい。リバプールは44分、CHファビーニョのスルーパスに走り込んだ右WGサラーがクロス。CBルクミに当たってこぼれたボールをCHファビーニョボレーシュート。だがGKクーケがナイスキャッチした。前半は1-0。でもヘンクもよく守り、よく健闘している。

 後半に入ると、序盤はヘンクが攻め込む。4分には右SH伊東が左SBロバートソンを抜いてクロスを入れるが、DFにはね返された。しかしその後はリバプールが再び攻勢。そして12分、左IHケイタの縦パスをCFフィルミーノが落とし、右IHオクスレード・チェンバレンミドルシュート。これが決まり、リバプールが追加点を挙げた。リバプールは18分、ロバートソンを下げて、右SBジョー・ゴメスを投入。ミルナーを左SBに回す。ヘンクも21分、左SHボンゴンダに代えてエンドンガラを投入。

 22分、CFファビーニョの縦パスを左WGマネがつないで、右WGサラーが抜け出す。CBルクミがよく対応してシュートは打たせなかったが、さすがにリバプールの3トップの連動は見事。その後も攻めるリバプール。28分には右IHオクスレード・チェンバレンを下げて、ワイナリドゥムを投入した。そして32分、ヘンクのスローインを右IHワイナルドゥムが奪うと、CFフィルミーノの落としから右WGサラーがスルーパス。GKが飛び出す手前で左WGマネがシュートを決めて、リバプールが3点目。実にきれいなゴールだった。

 その後、リバプールはCFフィルミーノを下げて左WGオリギを投入。マネをCFに上げる。ヘンクも36分、FWオヌアチュに代えてオデイを投入。37分、CHベルグミドルシュートを放つと、リバプールも38分、右IHワイナルドゥムがミドルシュート。40分には右SH伊東のクロスに左SHエンドンガラがオーバーヘッドシュートを見せるが、枠には飛ばない。そして42分、CFマネのドリブルから縦パスを受けた右WGサラーがCBルクミを背負って反転。寄せてきたCBクエスタの逆を取ってシュートを決めた。リバプール4点目。ヘンクも43分、CBロブレンを左SHエンドンガラと左SBウロネンで挟んでボールを奪い、ウロネンのパスにアH知り込んだ左SエンドンガラのクロスにFWオデイがシュート。意地の1点を返した。

 伊東はその直後にハジと交代。45分にはFWサマッタがミドルシュートを放つが、GKアリソンがセーブ。その後はリバプールが落ち着いてゲームを閉じる。4-1。リバプールが完勝した。

 それでも若いヘンクにとっては大きな経験となるゲームだった。伊東純也もそのスピードは左CBファンダイクから始まる強力なリバプールの左サイドに対してもある程度は通じたし、オフサイドの判定は惜しかったが、再三のクロスは日本にいた時よりも格段に正確性が増し、脅威となっていた。これでグループリーグ前半が終わった。ヘンクもCLリーグのレベルにも慣れたことだろう。第5節にはザルツブルクとの第2戦もある。初戦は2-6で大敗したが、次の日本人対決も楽しみだ。