とんま天狗は雲の上

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ヨーロッパリーグ グループF第5節 アーセナル対フランクフルト

 CLと同様、ELもグループリーグが佳境を迎えつつある。フランクフルトは前節スタンダールに不覚を取って勝ち点6。今節、首位のアーセナルに敗れると、決勝トーナメント進出も厳しくなってくる。あまり期待せずに、先にヘンク対ザルツブルクのCLでの日本人対決を観ていたら、鎌田がELで2ゴールのニュースが耳に入った。今季、フランクフルトに戻ってきて先発で定着するも、ここまでリーグ戦、ELでゴールのない鎌田。ついにまずはELで爆発したか。さっそくこのゲームを観戦した。

 アーセナルは4-2-3-1の布陣、オバメヤンをトップに、ウィロックがトップ下に入り、マルティネッリとサカという若い10代コンビが両SHに入る。中盤はダビド・ルイスとジャカ。DFは右SBチャンバース、CBムスタフィ、CBソクラティス、左SBは今季新加入のキーラン・ティアニー。GKはマルティネスが守る。アーセナルはEL第3節のギラマンイス戦以降勝利がなく、エメリ監督の交代も囁かれている状況。ここは絶対勝利が欲しい。一方、フランクフルトは3-5-2。パシエンシアアンドレ・シルバの2トップに鎌田とソウがIH。アンカーにはジェルソン・フェルナンデス、WBはいつものとおり、右WBダコスタ、左WBコスティッチ。CBは右からアブラハム、長谷部、ヒンターエッガー。GKはレノウが守る。

 前半はアーセナルがペースを握るが、フランクフルトもしっかりと対応する。11分、左SHサカのクロスにOHウィロックとCFオバメヤンが被って、ヘディングシュートは枠を外す。16分、CHジャカのCKを右WBダコスタがヘディングでクリアするが、これが右SHマルティネッリへの絶好のパスとなってシュート。GKレノウがファインセーブで弾き出す。続くジャカのCKには右SHマルティネスがニアでヘディングシュート。しかしCHフェルナンデスがライン上ではね返した。粘り強く守るフランクフルト。

 21分にはCHジャカのFKをクリアしようとしたCBヒンターエッガーのヘディングがあわやオウンゴール。これもGKレノウが反応よくナイスセーブ。アーセナルにゴールを許さない。29分、GKマルティネスのフィードからこぼれ球をCFオバメヤンがヘディングで前にパス。左SHサカが快足でCB長谷部を置き去りにして、シュートを放つが、これもGKレノウがファインセーブした。31分、アーセナルはCHダビド・ルイスが胸の痛みを訴えて、ゲンドゥージに交代する。

 しかし変わらず攻め続けるアーセナル。41分、OHウィロックがドリブルで持ち上がり、落としを左SHサカがシュート。これもGKレノウがセーブした。このままスコアレスで前半を終わるかと思ったアディショナルタイム1分、GKマルティネスのフィードを受けた左SHサカが大きく右へサイドチェンジ。右SHマルティネスのクロスに左SHサカがCB長谷部を引き付けてスルーすると、CFオバメヤンがフリーとなってシュート。ついにアーセナルが先制点を挙げた。45+5分にはCFオバメヤンの縦パスからOHウィロックのパスからCFオバメヤンがクロス。CHジャカがミドルシュートを放つが、ポストの右。前半はアーセナルの1点リードで折り返した。

 すると追い付きたいフランクフルトは後半の頭に2枚代え。FWアンドレ・シルバに代えてガチノビッチを入れると、FWはパシエンシアの下に鎌田とガチノビッチがシャドーで並ぶ3トップ。中盤もCHジェイソン・フェルナンデスを下げてコールを投入し、ソウとダブルボランチで並ぶ形。3-4-3の布陣に変更した。しかし後半序盤はアーセナルが攻勢をかける。2分、右SBチャンバースの縦パスに走り込んだ右SHマルティネッリのクロスにOHウィロックがシュート。CBアブラハムが身体を張る。3分にはCHジャカが左FW鎌田をかわして持ち上がると、クロスに右SBチャンバースがシュート。しかし枠を外す。

 しかし序盤の劣勢を凌ぐと、その後はフランクフルトが積極的に攻めていく。そして10分、右WBダコスタのパスを受けたFW鎌田がうまくフェイントでCBソクラティスをかわしてミドルシュート。同点弾をネットに突き刺した。フランクフルトが同点に追い付いた。するとその後もフランクフルトの攻勢が続く。13分には左WBコスティッチが長い距離のFKを直接狙うが、これはGKマルティネスがキャッチする。

 アーセナルは15分、右SHマルティネッリに代えてエジルを投入。しかし18分、右FWガチノビッチがドリブルで上がり、CHコールからCHソウとパスをつないで、最後は左WBコスティッチがシュート。GKマルティネスが弾く。すると続くCHコールのCKのこぼれを左FW鎌田がミドルシュート。これが狭いDFに間を抜けて、再びネットに突き刺さった。フランクフルトが逆転。いずれも鎌田のミドルシュートがゴールとなった。

 この時に足を痛めたCBムスタフィは何とかその後もしばらくプレーを続けたが、31分、CHトレイラに交代。ジャカがCBに下がる。これで3枚の交代カードを切り終えたアーセナル。何とか追い付こうと反撃するも、フランクフルトがしっかりと守り、35分過ぎには逆にフランクフルトの方が攻勢になる。攻めても決定機までいけないアーセナル。45+2分には右WBダコスタのクロスにCFパシエンシアがシュートを放つが、これはポストの右。そしてタイムアップ。2-1。フランクフルトが鎌田のミドルシュート2発で逆転勝利を挙げた。

 これでギラマンイスと引き分けたスタンダールを抜いて2位に浮上。最終節はグループ最弱のギマランイスが相手。これで決勝トーナメント進出はほぼ決まった。次はこの勢いをブンデスリーガにぶつけたい。次節マインツ、次々節はヘルタと下位チームとの対戦が続く。このゲーム同様、鎌田に活躍してもらって、リーグ戦でも上位に進出していきたい。一方、アーセナルは深刻。ついにエメリ監督の解任が発表された。ユングベリが暫定監督を務めるが、明日以降、プレミアリーグでの対戦はノリッジ、ブライトン、ウェストハムと下位チームが続く。ここで何とか立て直さないと、EL最終節のスタンダール戦で逆転グループリーグ敗退という結果にもなりかねない。アーセナルに早くも試練の時がやってきた。