とんま天狗は雲の上

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天皇杯準決勝 ヴィッセル神戸 対 清水エスパルス

 最終節で勝利して何とかJ1残留を果たしたエスパルス。一方、ヴィッセルは終盤3連勝して8位。好調を維持したまま、初めての天皇杯決勝を目指す。リーグ最終戦ではホームでビジャの引退セレモニーを祝ったヴィッセルだったが、天皇杯で再びホームに戻ってきた。しかしビジャは体調不良でベンチ外。ビジャ最後のゲームは新国立競技場で迎えたい。

 ヴィッセルの布陣は3-5-2。田中順也と古橋の2トップに、中盤はサンペールをアンカーにトップ下にイニエスタと山口蛍が並ぶ。WBは右に西、左に酒井高徳。CBは右からダンクレー、大崎、フェルマーレン。GKは飯倉が守る。対するエスパルスは4-2-3-1。ドウグラスをトップに、右SH金子、左SHにはジュニオールドゥトラ。河井がトップ下に入り、ボランチには竹内と六平。DFは右SBエウシーニョ、左SB松原后、CBにはファンソッコと二見。GKには西部が入る。

 序盤からパスを回していくヴィッセルに対して、エスパルスはカウンター。3分、FW田中順也にCH竹内がプレスをかけてボールを奪うと、左SHドゥトラからCFドウグラスミドルシュートを放つ。しかしその後も攻め込むのはヴィッセル。そして13分、IHイニエスタPA左角付近でボールを持つと、パスを出すと見せかけて、GKのニアを抜くミドルシュート。これがネットに突き刺さり、ヴィッセルが幸先よく先制点を挙げた。

 その後もパスを回すヴィッセルに対して、エスパルスはプレスをかけられず、ズルズルと下がっていく。22分にはCB大崎が上がっていって、クロスにFW田中順也がヘディングシュート。エスパルスも23分、OH河井のサイドチェンジから右SBエウシーニョが中に持ち込み、CFドウグラスが左に展開。SH金子のクロスにCFドウグラスがヘディングシュート。だが枠を捉えられない。しかしここからエスパルスがようやく攻め始める。27分には右SH金子のドリブルをCHサンペールが止めて得たFKを左SHジュニオールドゥトラが直接狙うが、わずかにバーを越えた。そして30分、GK飯倉からのパスを受けたCHサンペールがOH河井のプレスにボールを失う。CFドウグラスがシュート。だがGK飯倉の飛び出しが早い。左手一本で止めるファインセーブ。さらにはね返りをドウグラスがオーバーヘッドシュートで狙うが、これは枠を捉えられない。エスパルスは絶好機を逃した。

 すると直後の33分、左サイドで右SH金子から左WB酒井高徳がうまく身体を使って奪うと、ドリブルからクロス。FW田中順也が押し込んだ。ヴィッセルが追加点。35分にもショートCKからイニエスタのクロスにGK西部がわずかに触ってポストに当たる。はね返りをCB大崎がボレーシュート。だがこれはCBファンソッコがブロックした。そして38分、右SBエウシーニョの縦パスをCBダンクレーがブロック。こぼれ球を右SH金子が縦に入れると、CFドウグラスミドルシュートエスパルスが1点を返した。アディショナルタイムの45+3分にはCFドウグラスがFKを狙うが、これはDFがブロック。前半は2-1、ヴィッセルのリードで折り返した。

 後半はエスパルスも前からプレスをかけ始める。互角の展開でゲームは進む。すると9分、エスパルスは右SH金子に代えて西澤を投入。早めに動いた。すると10分、ショートCKから右SBエウシーニョのクロスにCFドウグラスがヘディングシュートを放つ。12分、左IHイニエスタミドルシュート。15分過ぎ位にはエスパルスヴィッセル・ゴール前に攻め込むが、シュートは打てない。18分過ぎにはヴィッセルが攻め込む。お互いゴール前に攻め込むが、ゴールはならず。19分、六平のミドルシュートも枠を外した。

 24分、エスパルスはCHサンペールのバックパスをCFドウグラスが奪って、シュート。しかしこれも飛び出したGK飯倉がビッグセーブ。ゴールを許さない。するとその直後の24分、左IHイニエスタの縦パスに反応したFW古橋が中へ切り込んでミドルシュート。これが決まり、ヴィッセルが追加点を挙げた。3点目。これは効いた。31分、エスパルスはOH河井に代えて楠神を投入。ヴィッセルもFW田中順也に代えて藤本を投入する。

 32分、左IHイニエスタから右に展開。右WB西のクロスにFW古橋がヘディングシュート。33分にはCH竹内のバックパスをCF藤本が奪ってシュートを放つが、ポスト左に外す。35分には左IHイニエスタが左WB酒井高徳とのワンツーからミドルシュート。次第にヴィッセルのやり放題、エスパルスの戦意が消沈していく。37分にはショートCKから右WB西のクロスにCBフェルマーレンがヘディングシュート。41分、CB大崎が持ち上がり、スルーパスにFW藤本が抜け出してシュート。これはGK西部がファインセーブした。

 42分、エスパルスエウシーニョを下げてFWチョンテセを投入。西澤を右SBに下げて、4-4-2の布陣。ヴィッセルも44分、左IHイニエスタに代えて小川慶治朗エスパルスと同じく、4-4-2の布陣に変更。45+3分にはCHサンペールのスルーパスにCF藤本が抜け出すが、シュートはわずかにポスト左。そしてタイムアップ。3-1。ヴィッセル天皇杯決勝進出を決めた。

 もう一つの準決勝では、アントラーズV・ファーレン長崎に粘られながらも、3-2で勝利。これで2020年元旦の決勝はアントラーズヴィッセルの対戦となった。リーグ戦の順位ではアントラーズが上だが、ヴィッセルイニエスタを始め、ビジャ、ポドルスキとW杯優勝経験者を揃えて、けっして引けを取らない。東京五輪のメイン会場と思えば、新国立競技場こけら落としにふさわしい組み合わせとも言える。個人的にはビジャの引退を天皇杯優勝で飾る結果を期待したい。今から元旦が楽しみだ。