とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

プレミアム付商品券と相乗りタクシー実証実験と敬老パス

 1月半ばに妻の実家へ行った際に、義母から「町役場からこんなものが送られてきた」と言って、プレミアム付商品券の案内を見せられた。「どうしたらいい?」と聞かれたので内容を読むと、「4000円で5000円分の商品券。ただし使用期限は2月末。しかも町内の限られた店舗限定」となっている。比較的近いスーパーマーケットも使用できるが、最近、足が悪くなった義母にとってはそこまで行くのも大変。しかも2月末までに5000円も使うかと言えば、よくわからない。使い切れなければ却って損になるかもしれない。そんなこんなの話をしたが、結局、義母がどうしただろうか。

 プレミアム付商品券の販売が始められてしばらく経った11月頃、申請率が低いとニュースになっていたが、最終的にどのくらいの申請率になったのか。子育て世帯にとっては朗報だったが、高齢者世帯に対してはあまり効果のない施策だったかもしれない。

 私の住む街で、相乗りタクシー実証実験が行われている。先日の新聞によれば、11月から始めて3ヶ月間の利用数は約400回。このうち1割弱が相乗り利用だったという。相乗りの如何に関わらず運賃は約半額というのだが、約400回という利用数をどう評価していいのかわからない。そもそも実証実験の評価事項と設定値はどこにあったのか。

 普段、タクシーを利用している人は、「安いから利用しよう」と思うかもしれないが(それでも事前に利用登録が必要なこと等はハードルになる)、たぶん実証実験の評価点はそこではなく、普段あまり外出したがらない高齢者に外出を促すという点にあるのではないか。そう考えると、効果はどれだけあったのか。

 一方、先日は横浜市が敬老パスの値上げを検討しているというニュースを目にした。運転者不足等で運行経費が嵩む中、高齢化の進展で想定以上の利用があり、値上げによる収入増をバス事業者への助成金に回したいということらしい。

 あまり関係もないような3つの話題だが、共通点は高齢者施策の立案にあたって、高齢者の行動特性をどう捉えるべきかという点。手軽で安価なものには手を出すが、少し面倒だとなかなか手を出さない。習慣化がキーワードか。高齢者を何らかの施策で動かそうというのは簡単ではない。