とんま天狗は雲の上

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「不要不急」と「自粛」の意味

 週末は特にNHKで、新型コロナウイルスに関する情報番組をのべつ幕なしに放送していた。外出の自粛を要請するなら、せめてテレビ番組くらい自宅で楽しめる番組を放送すればいいのに、これではますます気が滅入る。首都圏ほどの自粛要請が出ていない地方の住民にとっては、なおのこと。NHKも首都偏重なんだと改めて感じた。

 そんな放送の中で「『不要不急』の区分けがわかりにくい」として、その説明をしていた。「生活用品の買い物や医療機関への受診は大丈夫です」というのはともかくとして、その反対の行動として「3つの密」などを挙げるのはわかりにくい。「不要不急」とは、「不要」かつ「不急」なのか、「不要」または「不急」なのかは迷うが、たぶん「かつ」。要・不要で区分けすれば「要」。急・不急で区分けすれば「急」。「不要不急の外出を自粛」という言葉は、二重の否定になっていてわかりにくいが、「不要不急の外出はOK。それ以外は×」という意味だから、小池都知事が言っていたとおり「その日でないとダメなこと以外は自粛」という意味である。「3つの密」でなければOKという意味ではない。

 「自粛」という言葉の意味もわかりにくい。「禁止」ではなく、あくまで「自粛」。「本当の『自粛』の話をしよう~3つの誤った日本的『自』縛について~」というサイトでは、「『自粛』は自分でよく考えて判断すること」と説明されている。確かにそのとおりで、「禁止」ではないのだから、「その日でないとダメなこと」かどうかを自分で判断して「極力、外出は避ける」ことが求められている。

 しかしそれでも「『不要不急』の区分けがわかりにくい」という声が出るのは、そこまで要請するのは「やり過ぎではないか」という疑念が浮かぶからだろう。「自粛は自分で判断」と言っても、日本人は得てして、他人の目を気にして、外出がバッタリ止まってしまう恐れがある。そのことを恐れる商業者が「やり過ぎではないか」と思う気持ちは理解できる。単に自粛を要請するだけでなく、自粛に伴う生活や家計への影響に対する対応方針も合わせて示すべきだが、安倍首相の突然の休校要請の時と同様、こうした影響は「後から考える」ということになっているようだ。先手・先手も結構だが、せめて二手、三手目まで位は考慮した上で、最初の一手を打ってほしい。それこそ不要不急でない対応が求められる。