とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

首都圏の人ほど危機感が低いように感じる。

 新年度を迎え、人事異動により首都圏から転勤となり、当社へもあいさつに来られた方がいた。先日まで首都圏で生活していた人にどう対応したらいいのか。できれば名刺交換も避けたいが、そういうわけにも行かず、相手がマスクを外していれば、こちらもマスクは外さざるを得ない。断固としてあいさつも断る方がいいのかもしれないが、そこまでは(日本人としては)さすがにやりにくい。

 それで、儀礼的なあいさつの後、開口一番「コロナ感染の状況はどうですか」と聞いた。すると、テレワークなどの対策は講じているとは言うものの、通勤や出社してからの業務には変化はないということだった。仕事モードで、私生活レベルの話はしないということだったのかもしれないが、日常生活での危機感は低いと感じざるを得なかった。一方で、愛媛県庁は、首都圏・関西圏で勤務していた職員の愛媛県への異動については、2週間の自宅待機を命じた。やはり地方の方が感染に対する危機感が強いのだ。もっとも、石川県知事のような人もいるが。

 この差は何だろうか。一つには、朝早く家を出て、夜遅く帰ってくる生活では、新聞以外にニュースに触れる機会が少なく、あまり危機感を感じていない可能性がある。スマホでネットニュースは見るかもしれないが、勤務中はのんびりテレビを見ている時間もないだろう。また、ほぼ「三密」状態の通勤ラッシュを通過してくると、出社後の職場環境ははるかにマシと感じられるのかも。休日も、日頃のラッシュ状態からすれば、多少の人出も少なく感じられるかもしれないし、買い物はOKと言われれば、たいていは不要不急な外出ではない。

 さらに、地方で「○市から感染者が発生」と報道されれば、数万程度の市であればたいていは土地勘があるし、危機が身近に近付いているような気がする。一方、東京都では先週から市区町村別の感染者を発表するようになったが、最も人口が少ない千代田区で6万人余、次は中央区の16万人余、その他は軒並み20万人以上(台東区は20万人弱だが)、鳥取県を超える人口を擁する区も多い。永寿総合病院と言われても、知らない人の方が多いだろうし、日々、様々な事件も起こるから、一々反応していたら身がもたない。自然、感染情報に対して不感症になっているかもしれない。

 それでも今日には緊急事態宣言が発令される。特措法に基づき緊急事態宣言が発令されても、外出や営業自粛などはこれまでと同様、要請に留まり、これまでと大差ないという報道もされている。緊急事態宣言発令で首都圏はどうなるだろうか。

 一方で、4月1日付けで地方へ転勤をした人も多い。彼らが地方へ新型コロナウイルスを運んだ可能性は否定できない。緊急事態宣言の発令がここまで遅れたのは、人事異動への影響を抑えるためだったということはないだろうか。政府官邸の対応が遅いのも、首都圏の薄い危機感が影響しているかもしれない。それが日本全国に波及すること。それが一番怖い。日本は大丈夫だろうか。