とんま天狗は雲の上

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「三密」「接触8割減」より「ソーシャル・ディスタンス」の方がまだ理解できる。

 専門家会議や政府は、「三密を避けろ」と言い、「人と人との接触 8割減」と言う。新型コロナウイルスの感染は「人から人へ」と言われ、「接触感染」「飛沫感染」が中心だ。また、「エアロゾル感染」の可能性もあると言うが、「『エアロゾル感染』『空気感染』違いはあるの?」によれば、「エアロゾル感染」は「飛沫感染の一種」らしい。

 これらの情報を元にすれば、「人が密集しない野外であれば、感染リスクは小さい」と考えるのが普通だ。このため、緊急事態宣言が全国に拡大された初めての週末だった先週は、都心の人出は減ったものの、郊外の自然公園や海岸等には県外ナンバーのクルマが押し寄せ、かなりの人出があったと言う。週末、知人から届いたFacebookに、京大ウイルス研の宮沢准教授の名前を出した上で、「屋外はキリング・フィールド」という文言が書かれており、びっくりした。その後、宮沢准教授のツイッターなどを検索したが、直接「屋外はキリング・フィールド」という言葉はヒットせず、どうやら「屋外」=「野外」ではなく、「自宅以外はキリング・フィールド」という意味ではないかと理解した。

 野外に出ることが危険なのではなく、野外であっても、人と密に接触することが危険。「三密は避けろ」と言われたら、「野外なら密閉ではない」と判断してもしょうがない。「接触8割減」と言われても、何をもって接触と言うのか、定義がはっきりしない。その点、「ソーシャル・ディスタンス」の方が「人との接近距離を開ける」ということで、飛沫感染を抑えるという意味では科学的だし、具体的に何をすべきかがよくわかる。しかし残念なのは、欧米発の言葉だけにカタカナ語だということ。そして具体的にどれだけ間隔を取るべきかが明示されていない。例えば「他人と2m以内に近づかない」という感じで表現してもらえればわかりやすい。

 また、2m以下と言われても、瞬間的にはもっと近くに接近してしまうことはあるし、そうせざるを得ないことも多い。その時には例えば「2m以内の接近は3秒以内でマスク着用」とか、具体的な数字がほしい。ちなみにこれらの数字は野外と室内では異なるかもしれない。また、テレワークが推奨されているが、どうしても対面での打合せが必要なこともある。その時には例えば「6畳に3人以下、30分以内」といった具体的な提示があればわかりやすい。ちなみに、上の例示で挙げた数字はいずれも私が適当に置いたものなので、うっかりそのまま信じないでいただきたい。

 日本人はルールをはっきりさせれば守るはずだが、「三密」にしろ「接触8割減」にしろ、政府や専門家会議から出るスローガンがいずれも曖昧で、それが却って人々の行動を混乱させている可能性がある。もっと具体的で納得のできる、かつ具体的に行動が可能なスローガンを示す必要がある。