とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

2006年12月2日 J1リーグ最終節 浦和レッズvs.ガンバ大阪

 2006年のJリーグは最終節で首位のレッズと2位のガンバが直接対決。とは言っても、その勝ち点差は3。得失点差は5もあって、ガンバが逆転優勝するには3点差以上での勝利が必要という状況。しかもレッズホームの埼玉スタジアムでのゲーム。よほどのことがないかぎり、レッズの優位は変わらない。と書きつつ、このゲーム、やはり当時、テレビ観戦していたなあと思った。ゲーム自体も戦術的・技術的というよりも、気持ちが籠った、感情を揺すぶられるような内容のゲームだった。

 レッズの布陣は3-4-3。ワシントンをトップに、山田暢久とポンテがトップ下に入る。ボランチ鈴木啓太と長谷部。ちなみに長谷部はこの時22歳。平川と三都主が両WBに入るが、ガンバも同様、その位置は非常に高い。CBは右から内館、闘莉王、ネネ。GKは山岸。一方、ガンバは3-4-1-2。播戸とマグノ・アウベスの2トップに、二川がトップ下に入る形。ボランチは橋本と明神。WBには加地と家長が入る。ちなみに家長はこの時20歳。WBというポジションにも驚くし、中継で何度も「速い」と言われることも違和感を持った。20歳の時はそういう評価だったのか。CBは右からシジクレイ、宮本、山口。GKは松代。懐かしい名前がいくつも見られる。

 ゲームは序盤からガンバが押していくが、決定機までは作れない。逆に最初にチャンスを作ったのはレッズ。6分、左WB三都主のFKを左FW山田がフリックし、CFワシントンがヘディングシュート。GK松代がファインセーブを見せる。ガンバは18分、左WB家長が左サイドを突破。ゴール前にクロスを入れるが、FW播戸もFWマグノ・アウベスも触れない。20分にはレッズが右WB平川の縦パスに右FWポンテが走り込み、クロスに平川が走り込む。これで得たCKにCB闘莉王がヘディングシュートを放つが、枠は捉えられなかった。

 そして22分、CH橋本の縦パスに走り込んだFW播戸がクロスを入れると、FWマグノ・アウベスがヒールシュート。ひょっとするとCB闘莉王に当たってオウンゴールだったかもしれないが、レッズを追いかけるガンバが先にゴールを挙げた。これでゲームが動き出した。25分、左FW山田のミドルシュートはGK松代がキャッチ。ガンバも26分、FWマグノ・アウベスの落としからFW播戸が反転ミドルシュート。これもGK山岸にセーブされる。

 そして28分、後方からのパスにうまくDFをかわして前を向いたCFワシントンから右FWポンテにパス。そのままポンテがドリブルで進み、CBシジクレイをかわしてシュート。すぐにレッズが同点に追い付いた。その後はガンバが必死に攻める。40分過ぎにはCKが4本連続。3本目のCKにはCB宮本がヘディングシュートするが、GK山岸がナイスセーブ。このまま前半は同点で終わるかと思った45分、CH長谷部からのパスを受けたCH鈴木啓太が縦パス。右FWポンテがCB宮本をかわしてクロスを入れると、CFワシントンが走り込んでシュート。レッズ、逆転。前半はレッズの1点リードで折り返した。

 後半は当然、ガンバが必死に攻めていく。4分にはCBシジクレイのフィードにFW播戸がうまく合わせてシュートを放つ。しかしGK山岸がキャッチ。10分、肝炎でリーグ終盤を休んでいた遠藤がCH橋本に代わって出場する。そういえばそんなこともあったな。次第に思い出してきた。するとさっそく12分、FWマグノ・アウベスがCH遠藤とのワンツーで抜け出してクロス。FW播戸が走り込むが、その手前でCB闘莉王がクリアする。

 そして14分、CBシジクレイが守備で走った際に足を痛めてしまう。代わりの選手を入れられずガンバが一人少ない状況が続く中、左WB三都主がドリブル突破からミドルシュート。それで得たCKから三都主がクロス。CB闘莉王がヘディングで落としたボールをCFワシントンがヘディングシュート。レッズが優勝を決定付ける3点目を挙げた。得点後、ようやくガンバはシジクレイに代えて右WB前田を投入。加地を右CBに下げた。

 22分、OH二川がミドルシュート。24分、OH二川のスルーパスに抜け出したFWマグノ・アウベスがシュートするも、サイドネット。25分、左WB家長のクロスにFW播戸がヘディングシュート。しかしGK山岸がファインセーブで弾き出す。28分、CH遠藤のFKはバーの上を越えた。レッズは29分、左WB三都主を下げて、田中達也を投入する。この時、田中達也は24歳。若い。ガンバも33分、FW播戸に代えて長身の中山を投入。

 するとその直後、CH遠藤のCKをCH明神がフリック。ファーでCB山口がヘディングシュートを決めて、ガンバが2点目を挙げる。しかしその後はレッズが守備を固める。39分にはポンテと平川を下げて、左WB坪井と右WB岡野を投入。田中達也が右FW。CFワシントンも精力的にゴール前まで下がって守備をする。45分、CH遠藤のCKにCB宮本のヘディングシュートは左サイドネット。45+1分、遠藤のCKをFW中山がフリック。CB宮本がヘディングシュートするが、これは左WB坪井がブロックした。最後まで攻め続けたガンバだったが、結局そのままタイムアップ。最終節の首位決戦は3-1でレッズが勝利。Jリーグ初優勝を決めた。

 今から13年前だが、遠藤や長谷部、家長など、未だに第一線で活躍している選手もいれば、播戸のように解説者として活躍している者、宮本のようにガンバの監督になっている者、そして指導者として活躍している人々も多い。まだその多くが健在なだけに、当時のプレーぶりを観るのも興味深い。コロナ禍がまだまだ続く中、こうしたゲームを振り返るのは楽しい。次はフリューゲルス最後の天皇杯決勝だそうだ。観たかったゲーム。楽しみにしたい。