とんま天狗は雲の上

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ブンデスリーガ第26節 フランクフルト対メルヘングラードバッハ

 久しぶりに生のサッカー中継が観られる。欧州リーグの先陣を切って、ブンデスリーガが再開した。他国ではリーグ打ち切りとしたところもある中で、ドイツはメルケル首相の的確なコロナ対策もあり、リーグ再開へこぎつけることができた。週2回のPCR検査を義務付けることができるというのも、ドイツだからこそ。それでも無観客で、長谷部ら控え選手はスタンドでマスクを着用して離れて座っている。まだまだ手探りだし、2部のディナモ・ドレスデンでは新型コロナ感染者が出て、対戦相手だった原口のハノーファーも再試合延期となってしまった。それでもまずは再開したのは喜ばしいことだ。日本人選手にとってゲーム内容がもっといいものであれば、さらによかったのだが。

 フランクフルトは4-1-4-1の布陣。ドストをトップに、鎌田は右SHで先発した。左SHにはコスティッチ。ソウとローデがIHに入って、イルザンカーがアンカー。DFは右SBにトゥーレ、左SBヌディカ。CBはヒンターエッガーとアブラハム。GKはトラップ。長谷部はスタンドで見守る。対するメルヘングラードバッハは4-2-3-1。プレアをトップに、ホフマンとテュラムがワイドに張り、トップ下にはエンボロ。CHにシュトローブルとノイハウスが並ぶ。DFは右SBライナー、左SBベンセバイニ。CBにはギンターとエルベディが入り、GKはゾマー。3連敗で12位まで落ちたフランクフルトに対して、メルヘングラードバッハはCL圏内の4位。先に戦った3位ライプチヒが引き分けたため、勝てば3位に進出する。

 開始1分、OHエンボロの縦パスをCFプレアが落とすと、右SHホフマンが右に流して、走り込んだCFプレアがシュート。これがGKトラップの手の先を抜けて、ゴール左隅に転がり込む。メルヘングラードバッハが幸先よく先制点を挙げた。ゲームに入り切れていないフランクフルト守備陣。さらに7分には右CBギンターからの大きなフィードを左SBベンセバイニが上がって仕掛けると、右SBトゥーレをかわしてゴール前へクロス。GKトラップとCBアブラハムの間を通ったクロスを左SHテュラムが押し込んで、メルヘングラードバッハが早々に追加点を挙げた。CBアブラハムの反応がお粗末。やはり久しぶりのゲームで、まだゲーム感が戻っていない印象だ。

 フランクフルトも10分、右SH鎌田のCKにCFドストがヘディングシュートするが、枠は捉えられない。ゲームはその後もメルヘングラードバッハのペースで進む。19分、CBアブラハムの縦パスをCFドストが落とし、右SH鎌田がライン際まで持ち込むが、角度がなく、クロスはゴール前を通り過ぎた。逆に21分、DFラインまで戻った右IHソウの縦パスを左SHコスティッチがカット。クロスをCFプレアがシュート。GKトラップがナイスセーブするが、はね返りを右SHホフマンがシュート。しかしこれは枠を超えていった。フランクフルトも23分、左SHコスティッチのFKが枠を捉えるが、GKゾマーがファインセーブで弾き出す。その後はメルヘングラードバッハの勢いを落ちて、互角の展開。終了間際の45+1分、右SHホフマンの縦パスをOHエンボロがつなぎ、CFプレアがシュートを放つが、GKトラップがナイスセーブ。前半はこのまま2-0で折り返した。

 コロナ後のFIFAの提言に従って、このゲームでは5人の選手交代が可能。フランクフルトは後半最初に右IHソウを下げて、FWアンドレ・シウバを投入。鎌田をトップ下に置く3-4-1-2の布陣に変更して反撃を試みる。3分、左ライン際に位置したFWアンドレ・シウバからのパスを受けて、OH鎌田がドリブル。切り返しからシュートを放つが、DFがブロック。7分にはCHイルザンカーの縦パスをFWアンドレ・シウバが落とし、OH鎌田から右に展開。右WBトゥーレのクロスにCFドストがヘディングシュートをするも、枠は捉えられなかった。

 その後もしばらくはフランクフルトがパスを回して攻めていく。すると12分、メルヘングラードバッハはSHテュラムに代えて右SHヘアマンを投入、ホフマンを左SHに回す。直後の23分にはCFプレアのミドルシュートが右ポスト直撃。それでもなかなかゲームが動かないと、フランクフルトは交代選手として長谷部らの用意を進めた。しかしその前の28分、CHノイハウスがドリブルで前進すると、スルーパスに走り込んだOHエンボロを左CBヌディカが後ろから押して倒してしまう。PK。これを左SBベンセバイニが決めて、メルヘングラードバッハが3点目を挙げた。

 直後の29分、フランクフルトはCH長谷部と右WBチャンドラーを投入。さらに33分にはOH鎌田を下げて、ガチノビッチを投入する。メルヘングラードバッハもOHエンボロに代えてスティンドル、左SBベンセバイニに代えてベンツを投入する。すると36分、CHローデが持ち込んで、右へのパスをFWアンドレ・シウバがシュート。フランクフルトがようやく1点を返した。38分には左CBヌディカを下げてCHコーアを投入。長谷部をCBに下げて、ヒンターエッガーを左CBに回す。

 これで最終ラインからのパス出しや全体的な落ち着きは出たが、メルヘングラードバッハの勢いは落ちない。40分、OHスティンドルのスルーパスに右SHヘアマンが走り込み、GKトラップをかわして左サイドにパスをすると、左SHホフマンがフリー。だがシュートはCBヒンターエッガーがブロックした。43分にはOHスティンドルがCB長谷部をかわして左へパス。CFプレアがシュートするが、GKトラップがナイスセーブ。45分、OHスティンドルのFKはわずかにバーの上に外れる。結局、フランクフルトはその後もなかなか反撃もできずに終わる。1-3。4位メルヘングラードバッハが序盤の2点で優位に立ち、そのまま勝利した。

 フランクフルトにとって2ヶ月ぶりという間隔は大いに影響があった。なかなか集中しきれないままの2失点が重く、そのまま敗退。鎌田もほとんど見せ場が作れなかったし、長谷部は、存在感は示したが、投入が遅過ぎた。次節は首位のバイエルン。その後も上位との連戦が続く。再開早々に厳しい戦いが続くが、何とか立て直していきたい。長谷部の役割も大きいように思う。久しぶりのゲームだったが、残念な結果だった。