とんま天狗は雲の上

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小池都知事の「夜の街」への言及は、権力者による「いじめ」ではないか

 小池都知事が「東京アラート」を発令した。これって、3月末に北海道が、4月10日に愛知県が、それぞれ独自の緊急事態宣言を発表したが、それに類するものと考えればいいのかな? それにしても「ロックダウン」に始まり、「ステイホーム週間」、そして今回の「東京アラート」、「ウィズ・コロナ宣言」と次から次へと目新しい言葉を考え付くものだ。で、結局、「東京アラート」って、レインボーブリッジを赤くライトアップすることだったんだ。その前には、河野防衛相はブルーインパルスを飛ばして、「青と赤」って、まるでFC東京のユニフォームみたいだ。

 でも、休業要請はステップ2のまま変わらない。それにしては「夜の街」を連呼して、悪者は風俗営業だと強調しているように聞こえる。少し前には「パチンコ店」が標的となっていたが、今度は「夜の街」。最初に休業要請をした時に「美容室」はOKなのに「理髪店」はダメとされていたのは意外だったが、これは政府とのやり取りの末に取り下げられた。それを言うなら「小中高、一斉休校要請」の方が強烈だったかな。別に、学校が新型コロナ感染拡大の温床でもなければ、理髪店だってクラスターが発生したわけでもない。パチンコ店や夜の街だって「クラスター認定」はされていないよね。一方的に「夜の街」を非難するのではなく、「どの店舗でクラスターが発生したのか」はっきりと明示しなくては、ただの誹謗中傷のように感じられる。

 これって、テラスハウスの事件と同じ構図ではないか。善意を装って、一方的に指摘し非難する。しかも「夜の街」って、いかにも「悪の温床」のようなイメージ。私は個人的には酒も飲めないし、ギャンブルもやらないので、夜の街もパチンコ店もほとんど立ち入ることはないのだが、だからと言って、一方的に悪者扱いされているのは如何なものかと思う。

 「夜の街」が本当に「悪の温床」であるのなら、新型コロナ危機の発生以前から適切に浄化対策を進めるべきだったし、新型コロナ感染の「クラスター発生源」であるのなら、徹底した消毒や濃厚接触が疑われる人々へのPCR検査を早急に進めるべきだ。新宿区には既に4月の段階でPCR検査スポットが設置されているのだから、歌舞伎町近辺でも検査を始めたらどうか。

 でもそんな動きは見られない。実は「夜の街」をスケープゴードにすることで隠したい何かがあるのだろうか。それとも「夜の街」を標的にすることが都知事選の得票アップにつながるとでも言うのか。わかりやすい言葉には隠された意図がある。小池都知事が「夜の街」という言葉を使った裏には、いったいどんな意図があるのだろうか。