とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

脳室ドレナージ術を受ける

 「妻がクモ膜下出血」の続き

  • 5月8日に記す

 5日の昼頃、ICUに入っていった後、「何かあったら連絡します」と言われたが、一向に連絡がない。7日も眠れない夜に鬱々としていたところ、深夜1時半頃、突然、携帯電話が鳴った。主治医の先生から「これから緊急手術をしたいので、同意がほしい」という内容。口頭で同意するとともに、娘を起こして、すぐに病院へ向かった。

 麻酔医などがまだ到着しておらず、少し時間があるというので、手術前に改めて主治医から手術内容等の説明を受ける。「7日夜になって意識レベルの低下が見られたので、CT検査をしたところ、脳室の拡大があることから、脳室ドレナージ術を施術したい。脳室は脳の中央にあって、髄液を産出しているが、出血した血液が一部、脳室内に入り込み、循環を阻害している。そのため脳室内の圧力が高まって周辺の脳を圧迫した結果、意識レベルの低下が起こっていると思われる。そこで、頭蓋骨に1cm程度の穴を開けてチューブを差し込み、髄液を外に逃がす手術である」とのこと。「簡単な手術だが、多少の危険性もある」ということで説明を受け、同意書に署名した。

 控室で娘と二人、1時間余り待つ。3時過ぎに手術が終わり、「無事成功しました」と先生が説明に来てくれた。併せて、今後の治療方針や現状などについて伺う。「くも膜下出血については、今のところ新たな出血はなく、2週間ほどもすれば血液も吸収されてしまうので、そうなればチューブを抜いて一般病室へ移ることが可能となる。しかし、奥さんの場合、血糖値などが不安定で、それへの対応に苦慮している。こちらが意識レベル低下の要因の可能性もあり、これについては循環器内科の医師が対応しているが、最悪の場合、臓器不全等を起こす恐れもある。現在はこの二つの治療に全力を挙げて対応しているところである」とのこと。

 何かあれば連絡があることは今回の対応で確認できた。逆に「何も問題が発生しなければ、次の連絡は2週間後ですか」と聞いたところ、「その間にも適宜、説明をさせてもらいます」と言ってもらう(でも実際は、説明だけに呼び出されることはほとんどなかったけど)。それでも「何かあれば連絡がある。連絡がないのは順調な証拠」と考えればいいということがわかり、少し安心した。しかしまだまだ全く予断を許さない。最悪の事態は覚悟している。だが、これまであれほど不摂生をしても元気に生きてきたではないか。いつもの踏ん張りを見せろ。帰宅した後、寝床の中で妻にそう呼びかけた。