とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

リハビリ病院について決める

 「久しぶりに主治医から説明を受ける」からの続き

  • 6月10日に記す

 リハビリ病院への転院について話を聞いたのは土曜日で、担当の相談員が不在だった。翌週の週明けにも連絡をするという話だったが、結局、月曜日には連絡がない。面会に行くと、何と妻が車イスに乗って、広間でみんなと一緒に食事をしていた。もっともお粥などは残し、豆腐などの食べやすいものだけを食べていた様子。食事後、病室へ戻るが、体を起こしていた。話ができないのが辛いが、格段の進歩だとびっくりした。

 帰りがけに看護師に相談員から連絡がない旨を伝えたところ、翌日の昼前に電話があった。さっそくその日の午後、お会いする約束をした。思った以上に若い方だったが、いくつか転院するリハビリ病院の候補を挙げられた。今、入院している病院の脳神経外科の医師が非常勤で勤務している病院がお勧めのようだが、そこはリハビリ専門の病院。一方、無料送迎バスの停留所が自宅近くにある総合病院には、循環器内科等の診療科もある。糖尿病の管理を考えると、こちらの病院の方がいいのではないか。それとも、リハビリ病院を退院後も現在入院している病院へは定期的に通院する必要があるそうなので、糖尿病管理も現在の病院でお願いすると思えば、勧められたリハビリ専門病院の方がいいのか。迷った末、それぞれのパンフレットをもらい、妻の希望を聞くことにした。

 いったん家に帰り、夕食の準備をした後、改めて面会に行く。前日の様子から、コップで水を飲むこともできるようなので、ペットボトルを数本持っていた。またタオルの替えも持っていく。トイレに行きたいというので、娘が車イスに乗せて連れていった。車イスの乗り換えもけっこうスムーズだ。その後は車イスのまま、ベッド横で話をした。看護師が「金曜日に美容師が来るけど、髪を切りますか」と聞いてくれたので、さっそく申し込んだ。妻もうれしそうだ。リハビリ病院について伝えると、妻は、リハビリ専門病院の方を指差す。翌日、電話で相談員にその旨、希望を伝えた。

 翌日は娘が仕事の関係で面会に間に合わないというので、私が一人で面会に行った。するとこれまでとは違うパジャマを着ている。さかんに脱ごうとするが、うまくできず、私に脱がせろと身振りで指示をする。「暑いのか」と聞くと「そうだ」という身振り。そこでベッド脇にあった扇風機を回してあげた。しばらくすると、次はトイレに行くと言う。看護師を呼ぼうかと思ったが、一人で立ち上がり車イスに移ろうとするので、介助して、トイレまで連れていった。用を足し終えた後、うまくおむつを穿かせられない。それでもベッドまで戻って、何とか穿かせた。

 手で文字を書く素振りをするが、意味が分からない。すると再び車イスに乗ろうとする。そして「廊下へ出ろ」と指示をする。どこへ行きたいのかわからない。さかんに下を指差す。「エレベータで下へ行きたいのか」と聞くと「そうだ」という返事。それはダメだ。車イスで部屋まで戻すと、15分の面会時間もとうに過ぎている。「もう帰る」と言って、捨て置くように帰ってきた。言葉がわからない、意思が伝わらないことがこれほどまでに歯痒いものか。1階の売店で何か買いたいのか、それとも病院の誰かに話したいことでもあるのか。いずれにせよ、そんなことはできない。「看護師さんを呼んだら」と言うと、「それは嫌だ」と首を振る。困った。かなり痴呆が進んでいるのだろうか。

 娘に伝えたら「大変だったね」と慰めてくれた。娘と夫では妻の反応も違うようだ。明日、娘と一緒に行けば、いつもの妻が戻っているだろうか。何かすごく情けないような気がしてきた。大丈夫だろうか。不安が募ってきた。

 「筆談ならできた!」に続く。