とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

「Go To キャンペーン」の補助金は本当に支給されるのか

 一時、大都市における特別定額給付金の支給が遅いと話題になっていた。名古屋市が14日に発表したところでは、その時点での給付率が約8割。7月中には給付を完了するということだった。大阪や東京ではもっと遅いと言われていたが、話題にならないということは、概ね給付が完了したと思っていいのだろうか。

 そして、話題はいつしか「Go To キャンペーン」に移っている。前送りして22日から始まった「Go To トラベル」だが、21日に観光庁から発表された申請手続きによると、7月22日以降に旅行業者により販売されたツアーについては、旅行業者から割引相当分の還付が行われるが、それ以外の個人旅行や26日以前に予約したパック旅行などは、旅行者自身が還付申請をする必要があるということだ。還付申請の受付期間は9月14日までとなっているが、未だに申請書類や提出先も不明。また、旅行業者が販売したツアーについては、旅行業者が参画事業者として認定された場合のみ還付対象ということだから、現時点では還付対象となるかどうかもわからない。

 ということで、色々と不明な点が多いままで「Go To トラベル」がスタートしたが、9月14日までに還付申請をしたとして、実際に還付金が届くのは何時になるのだろう。秋にも総選挙なんて噂もあるが、万一、政権交代となった時には本当に補助金は支払われるのだろうか。

 「Go To トラベル」に続いて先日は「Go To イート」の概要も農水省から発表されたが、これがまた複雑でわかりにくい。25%のプレミアム付き食事券が発行されるということだが、登録店がどうなるかはまだ不明。先日、わが市でも同様のプレミアム券が発行されたが、既に多くの市町村で様々な飲食店支援策が講じられており、それらとの違いもわかりにくい。

 オンライン予約によるポイント付与に至っては、いくらの飲食でも500円ないし1000円分のポイント付与ってホントかいな? 回転すしを予約して、10皿食べて、1000円もらって、また予約して、ポイントを使って10皿食べて、1000円分のポイントをもらって、そしてまた予約して…そうしたら、最初の1000円で何食でも食べることができてしまう。これを考えた人は、予約して食事というと、高級レストランを思い浮かべたのかもしれないが、ほとんどの庶民は500~1000円前後で食事をしている。ちなみに昨日、娘と二人で回転すしに行って払った金額は1800円だった。

 また、「Go Toイート」の事業費は約2003億円で、プレミアム付き食事券事業に767億円、オンライン飲食予約事業に767億円というのだが、それぞれ人口で割ると、一人600円にも満たない。全国民が利用するとは限らないが、少な過ぎないか。こちらは飲食店が補助金の申請をするようだが、政府から補助金が間違いなく支給されるのか、不安だ。しかも委託費が469億円。こちらは事業費に対して多すぎる印象を持つ。予約システムの構築などに費用がかかるのは理解できるが、いっそ地方自治体へそのままお金を配分した方が、安く、早く、間違いなく実施できるような気がする。

 肝心の保健所や医療機関への支援などはなおざりにしたまま、「Go To キャンペーン」にうつつを抜かす。それって、新型コロナの感染拡大やアベノマスクなどの愚策から目を逸らそうという作戦なのか。よくよく考えてみれば、旅行や外食に補助金をもらっても、残りの大半は自分で負担しなくてはいけない。それなら、ステイホーム週間の時と同様に、家でじっとしていた方がマシかもしれない。新型コロナの感染第二波が始まった今の時期に命を賭けてまで「Go To キャンペーン」に参加する必要はないのではないか。先日は「『Go To キャンペーン』に目を奪われ、足下のコロナに嵌まらないようにしよう」と書いたが、本当に補助金がもらえるかどうかもあやしいような気がしてきた。