とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第7節 ヴィッセル神戸vs.ガンバ大阪

 週末はDAZNグランパスのゲームを観ようと思ったら、なぜかグランパスサンフレッチェのゲームだけメニューにない。DAZNって全試合中継じゃなかったっけ、と思いながら、色々探した後に、もしやと思いHPで検索したら、何と新たにコロナ感染者が2名見つかり、彼らの濃厚接触者について確定できないことから、安全を見て試合が中止になったとのこと。先にコロナ感染が判明したのは前節ベンチに入ったばかりの宮原であり、今回、感染が判明したのは、渡邉柊斗とコーチ。渡邉はこれまで出場歴はないし、宮原も成瀬が好調な中、3人とも出場しなくてもチーム力的には支障ない。とは思うが、濃厚接触者がいる可能性があると言われれば、試合中止の判断も仕方がない。結局、広島へ遠征した選手の中に濃厚接触者はいなかったということで、「それならできたじゃん」と思わないではないが、闇雲に「Go To キャンペーン」に突っ走る某政府と比べれば、Jリーグのこうした姿勢は評価してしかるべき。それにしても、前節の観戦の感想で「次は週末のサンフレッチェ戦。アウェイが続くが、いったん愛知県へ帰るんだろうか? コロナの第二波がやってきた愛知県よりは広島の方が安全そう。」と書いたが、実際はいったん愛知県へ帰ったということのようだ。直接広島に向かっていれば、感染はなかったのだろうか。

 それでやむを得ず、ヴィッセルとガンバのゲームを観戦した。ここ4試合2勝2分のヴィッセルに対し、ガンバはグランパスと引き分けた後、3連勝中。けっして強いという感じはしないが、守備がしっかりしていて、攻撃面では宇佐美らの個人技で崩せる選手が多くいる。好ゲームを期待した。

 ヴィッセルの布陣は4-3-3。ドウグラスをトップに、古橋と小川慶治朗がシャドーに入る。中盤は若い佐々木大樹をアンカーに、左IHイニエスタ、右IHに山口蛍。DFは右SBに藤谷、左SBは酒井高徳フェルマーレンと大崎のCBにGKは飯倉が守る。対するガンバは3-5-2。渡邉千真と宇佐美が2トップを組み、中盤は矢島をアンカーに、左IH小野、右IH井手口。WBには右に福田湧矢、左は藤春。CBは右から高尾、三浦、キムヨングォン。GKは東口が守る。

 序盤、ガンバが積極的に前からプレスをかけていく。4分にはFW宇佐美のミドルシュートから、続くCKをCBキムヨングォンがヘディングシュート。ヴィッセルは6分、左IHイニエスタがGKの東口が前にいるのを見て、ロングシュートを放つ。その後、しばらくはガンバが攻めていったが、しばらくすると次第にヴィッセルがパスを回し、主導権を握る時間が長くなってくる。20分には左IHイニエスタの縦パスに右SB藤谷が抜け出すが、トラップはミス。31分にはCH佐々木の縦パスに走り込んだ左SB酒井がクロス。左FW古橋がミドルシュートを放つが、CB三浦がブロック。ゲームを通じて、ガンバはCB三浦の守備が効いていた。35分、ガンバは右IH井手口から左IH小野とパスをつなぎ、最後は左WB藤春がミドルシュート。だがGK飯倉がキャッチする。

 その後もヴィッセルがパスを回して攻める。40分、左SB酒井の縦パスに走り込んだ左FW古橋がミドルシュート。だがGK東口がファインセーブ。古橋は44分にもミドルシュートを放つが、枠を捉えられない。ガンバも43分、FW渡邉の落としからCH矢島がミドルシュート。だがこれはGK飯倉が正面でキャッチした。前半はこのままスコアレスで折り返した。

 後半も序盤はガンバが積極的に前からプレスをかけていく。7分にはFW宇佐美のCKから左IH小野がヘディングシュート。だがポストの左。後ろのCB三浦に任せれば面白かった。ヴィッセルもパスを回すが、FWとの連携がイマイチか、ガンバの早い寄せの前になかなかシュートまで行けない。そして17分、ガンバが左サイドから右へサイドを変えると、右CB高尾が上がって斜めの縦パス。これに左IH小野が走り込んで、ダイレクトでシュート。ジャストミートしなかったことが幸いしたか、GKのタイミングを外したシュートがふわっとゴールに突き刺さった。ガンバが先制点を挙げる。ガンバはFWの宇佐美と渡邉が右へ動いて、CBを釣り出したのがよかった。

 直後、ガンバが左IH小野に代えて倉田を入れると、ヴィッセルも21分、CH佐々木を下げて、右IHに郷家を投入する。山口がアンカーに下がった。さらに26分、この日、今一つ起点となれなかったドウグラスに代えて田中順也を投入する。すると28分、右IH郷家の中へのドリブルから、左IHイニエスタが縦パス。これをCF田中が中へ切れ込んでミドルシュート。GK東口がナイスセーブ。ガンバは30分、足を痙攣した右CB高尾に代えてこのゲームがJ1初出場となる松田陸を投入する。

 31分、左IHイニエスタのスルーパスに左FW古橋が抜け出して、GKと一対一。だがシュートはGK東口がファインセーブ。33分、右FW小川の落としから左IHイニエスタミドルシュートを放つも、枠の外。35分、左SB酒井の縦パスに走り込んだCF田中のクロスに左FW古橋がヘディングシュート。しかしこれもGK東口がスーパーセーブで止めた。ヴィッセル、怒涛の攻撃もGK東口が立ちはだかる。

 すると41分、左サイドからのパスを受けたFW宇佐美へのプレスが甘い。すかさず強烈なミドルシュート。これが決まり、押されていたガンバが追加点を挙げた。そして42分にはFW渡邉千真に代えてCFパトリック。FW宇佐美に代えて右SH山本悠樹。右WB福田に代えて黒川を投入。布陣も5-4-1に変更して守る。ヴィッセルも必死に攻めるが、崩しきれず。ガンバが時間もうまく使って逃げ切った。2-0。ガンバが4連勝を飾った。

 これでガンバはゲームのなかったグランパスを浮いて2位に浮上。ヴィッセルは9位に順位を下げた。攻めるヴィッセルに対して、守るガンバという展開だったが、ヴィッセルの攻撃をしっかり受け止めながら、ここ一番ではしっかりと決めきる。それぞれの特徴が出た面白いゲームだった。ガンバは次節、首位フロンターレとの対戦。これまで東西に分かれた対戦が続いたが、奇しくも初めての東西交流戦がここまでの東西チャンピオン同士の対戦となった。7試合20得点と圧倒的な攻撃力を見せるフロンターレに対して、ガンバがどう戦うのか。見逃せないゲームだ。