とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第7節 北海道コンサドーレ札幌vs.横浜F.マリノス

 今日にも第8節が開催される。先週はグランパスが急遽試合中止になり、代わりにヴィッセル対ガンバのゲームを観戦したが、それ以上、観る気がしなかった。だが、昨日になって、サッカーのサイトを見ていたら、ゼロトップで戦ったコンサドーレのゲームが面白かったと言う。興味が沸いて、遅まきながら観戦した。

 コンサドーレの布陣は3-5-2というか、5-5-0というか。前線に鈴木武蔵もジェイやドウグラスも起用せず、チャナティップと駒井が入るゼロトップ。中盤は深井をアンカーに、左IH荒野、右IH中野。だがこの二人と前線の二人はほぼ同じ高さでプレーして中盤は厚い。WBは右にルーカス・フェルナンデス、左は菅。CBには宮澤を中央に、右に進藤、左CBには大卒ルーキーの高嶺が入る。福森は体調不良でお休み。GKは菅野が守る。一方、マリノスは4-2-3-1。マルコス・ジュニオールと仲川がケガ。エリキとチアゴ・マルチンスも体調が整わず、ベンチにも入らない。ワントップはエジカル・ジュニオ。右SHに水沼。左SHにはこのゲームを最後にウニオン・ベルリンへ移籍する遠藤渓太が入る。トップ下には天野。ボランチは扇原と喜田。DFは右SBに松原、左SBティーラトン。CBは畠中と伊藤槙人で組み、GKは梶川。コンサドーレは再開後2勝3分と負けなし。一方、マリノスは2勝2敗1分。前節は横浜ダービーに4-0で快勝して札幌に乗り込んできた。

 序盤からお互い積極的にゴール前に迫っていく。開始1分、左SH遠藤がドリブルで持ち上がり、落としをCFエジカル・ジュニオがシュート。GK菅野がナイスセーブで弾くと、コンサドーレも2分、FWチャナティップの縦パスをFW駒井が落とし、右WBルーカス・フェルナンデスがミドルシュートを放つ。DFがブロックした。6分、ショートCKから菅がミドルシュート。だがGK梶川の正面を突く。マリノスも9分、左SBティーラトンの縦パスからOH天野がシュート。はね返りを右SB松原が拾って、CFエジカル・ジュニオがシュート。これもDFがブロックした。

 序盤から激しい打ち合い。そして15分、右SB松原の縦パスに走り込んだ右SH水沼からのパスをOH天野がグラウンダーのミドルシュートを放つと、きれいにカーブを描いてゴールに飛び込んだ。ナイスシュート。マリノスが先制点を挙げた。だがコンサドーレもすぐに反撃する。16分、GK菅野のフィードを受けた右WBルーカス・フェルナンデスがキープからスルーパス。これに抜け出したFW駒井がシュートを放ち、すぐにコンサドーレが追い付いた。

 直後の17分、左SH遠藤が股裏を痛めて大津に交代する。それでやや集中力を欠いたか、18分、CB畠中の緩慢な対応をついてFW駒井が奪い取ると、FWチャナティップに渡してシュート。GK梶川が飛び出してブロックするが、はね返りを再びFWチャナティップが拾うと、飛び出したGK梶川を前にボールをキープ。そして右に走り込んだIH荒野に流してシュート。マリノスの先制からわずか3分、コンサドーレが逆転ゴールを挙げた。

 マリノスもすぐに反撃。20分、OH天野のスルーパスに右SH水沼が走り込んで、ゴール前にクロスを入れるが、左SH大津がわずかに届かない。22分には左SH大津のクロスにCFエジカル・ジュニオがヘディングシュートするが、枠は捉えられない。その後はチャナティップと駒井が中盤に下がるコンサドーレに対して、マリノスが攻めあぐねる。33分、OH天野が先制点と同じような位置から、再びミドルシュートを放つが、今度はGK菅野がナイスセーブ。コンサドーレも37分、右WBルーカス・フェルナンデスのパスからFW駒井が左に流して、左WB菅がミドルシュート。GK梶川がナイスセーブする。アディショナルタイム48分、コンサドーレは右IH中野が故障で早坂に交代。直後に前半終了の笛が吹かれた。

 後半最初にマリノスは左SBティーラトンを下げて、小池を投入する。コンサドーレは前半終了間際に投入した早坂がFWに入り、駒井が左IHに下がった。後半はマリノスがもっぱら攻めていく。だがコンサドーレの中盤を厚く、寄せも早く、なかなかゴール前まで入っていけない。12分、マリノスはCFエジカル・ジュニオに代えてオナイウ阿道、CH喜田に代えて左IH仙頭を投入。扇原をワンボランチにして、仙頭と天野がトップ下に並ぶ。だがそれでもなかなか攻めきれない。17分、右SB松原が遠めからミドルシュート。21分には左SH大津のクロスにCFオナイウ阿道がヘディングシュートするが、枠は捉えられない。

 両チームとも運動量多く、特にコンサドーレは寄せが早い。20分にはCH深井を下げて左CBにキムミンテ。高嶺をアンカーに上げる。さらに32分にはFWチャナティップに代えてジェイ。右WBルーカス・フェルナンデスに代えて白井。そして高嶺に代えて、同じく大卒ルーキーの金子を投入する。金子はトップ下に入り、荒野と駒井がボランチに並ぶ3-5-2の形。マリノスも39分、OH天野を下げて渡辺皓太を投入する。42分、左SH大津のミドルシュートは枠の外。そして44分、CB進藤がルーズに蹴り込んだフィードの処理をCB伊藤がミス。CH荒野が奪い、そのままドリブルで運んで、最後は落としをOH金子がミドルシュートコンサドーレがダメ押しの3点目を挙げた。アディショナルタイム48分にはOH仙頭のスルーパスに抜け出したCFオナイウ阿道がシュートを放つが、GK菅野がナイスセーブ。そしてタイムアップ。結局、コンサドーレが3-1で勝利。今季ホームでの初勝利を挙げた。

 前半はお互いシュートの打ち合い。ところが後半は一転、パスを回すマリノスに対してコンサドーレが中盤の早いプレスで対抗。シュートこそ少ないが、伯仲の好ゲームとなった。しかしやはりコンサドーレのゼロトップが効いていた。マリノスのDFラインにコンサドーレの選手はおらず、中盤に密集。DFラインから前にパスが入らない。一方、マリノスも両SBが中盤でプレーをするので、ますます中盤が混み合う。さらにコンサドーレはCB宮澤が機を見て最前線まで上がってクロスを入れる。Jリーグきっての戦術家であるペトロビッチ監督とポステコグルー監督の対戦はとにかく楽しいゲームだった。