とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第8節 北海道コンサドーレ札幌vs.ヴィッセル神戸

 前節のコンサドーレが面白かった。今節はヴィッセルとの対戦。ペトロビッチ監督がどんな戦術で戦うか、興味を持った。コンサドーレの布陣は前節と同じゼロトップ。チャナティップと駒井の両FWの間で荒野が自由に動き回る。ただ前節に比べ、このゲームでは終始高い位置を保っている。中盤は深井と宮澤。深井がアンカー的に構え、宮澤はトップ下と言ってもいいような形。両WB、ルーカス・フェルナンデスと菅は前節と変わらない。CBは田中駿汰が中央に入り、左に高嶺。大卒ルーキー二人がDFラインに入り、右CBには進藤が座る。GKは菅野。対するヴィッセルは3-5-2。ドウグラスと古橋の2トップに、イニエスタと山口がトップ下に入り、アンカーはサンペール。WBは右に西、左は酒井。経験値の高い二人が入る。CBは右からダンクレー、大崎、フェルマーレン。GKには飯倉が入る。

 序盤、コンサドーレが積極的に攻めていく。6分、右FW駒井の仕掛けから、クロスを左FWチャナティップがシュート。DFに当たったこぼれ球を左WB菅がミドルシュート。DFがブロックする。11分、ヴィッセルはFW古橋が股の内側を痛め、小川慶次朗と交代する。13分、コンサドーレはCF荒野を起点に右FW駒井がドリブルで運び、戻しをCF荒野がスルーパス。抜け出したチャナティップがGKの上を抜くループシュートを狙う。また14分にはGK飯倉の縦パスに対して、CB高嶺が直接蹴り返すロングシュート。枠には届かなかったが、積極的にゴールを狙っていく。

 19分にはCH深井から右に展開。右WBルーカス・フェルナンデスの縦パスにそのまま深井が上がり、左へのパスからCF荒野がミドルシュートを放つ。さらに28分、左CB高嶺がドリブルで持ち上がり、ミドルシュート。守備的選手も積極的にゴールを狙っていく。そして29分、左CB高嶺のアーリークロスをCBフェルメーレンがヘディングでクリアしようとするが、後方にこぼれたボールをCF荒野が拾ってシュート。序盤から攻め続けたコンサドーレがついに先制点を挙げた。

 ところが直後の31分、CBフェルメーレンのフィードにFWドウグラスがCB田中駿汰と競り合って、ボールを収めると、横にパス。左CB高嶺がドウグラスに寄せて、フリーとなった右IH山口がミドルシュートを放つ。すぐにヴィッセルが同点に追い付いた。その後はようやくヴィッセルがパスを回せるようになってきた。しかし36分にはヴィッセルの攻撃からコンサドーレがカウンター。左WB菅がドリブルで持ち上がり、いったん右に流して、右FW駒井の折り返しを菅がシュート。しかしGK飯倉がセーブする。そして45分、左IHイニエスタがDFラインまで下がって前線へフィード。右WB西が走り込み、クロスにCFドウグラスがシュート。前半終了間際、ヴィッセルが勝ち越し点を挙げて、前半を終えた。

 しかし後半早々にコンサドーレが追い付く。3分、右CB進藤のフィードをCF荒野が落とすと、右FW駒井のパスから左FWチャナティップが右に展開。駒井が走り込み、クロスを入れると、GK飯倉と荒野の間。交錯したが、荒野のシュートがゴールに転がり込んだ。ヴィッセルも5分、右IH山口から右に展開。右WB西のクロスをFW小川がヘディングで落とすと、左WB酒井がシュート。だがうまく当たらず、シュートは大きく右に外れた。

 その後はコンサドーレがパスを回して攻めていくが、ヴィッセルは守備の場面では小川が左SHに下がって、5-4-1の布陣を取る。この守備をなかなか崩しきれないコンサドーレ。すると17分、ヴィッセルはCB大崎の縦パスをCFドウグラスが落とす。これをCB進藤が中へパスするが、これが弱い。WB酒井がカットして右に流し、右IH山口がミドルシュートヴィッセルが3点目、勝ち越しゴールを挙げた。進藤のミスが痛かった。

 すると28分、コンサドーレはCH宮澤を下げて、右FW金子を投入。駒井をCHに下げる。ヴィッセルも32分、CB大崎に代えて渡部。さらにCHサンペールに代えて右IH郷家を投入。山口をアンカーに下げる。33分、コンサドーレは右FW金子のサイドチェンジから左CB高嶺が上がって、中へのパスから左FWチャナティップミドルシュート。GK飯倉がナイスセーブ。すると、こぼれ球を拾った左WB酒井が大きくフィード。FW小川が落とし、左IHイニエスタがスルーパス。FWドウグラスが抜け出してシュート。これはGK菅野がナイスセーブしたが、ヴィッセルのゴール前からコンサドーレのゴール前へ。あっという間にピンチがチャンスになっていく。

 34分にはコンサドーレも左WB菅に代えて白井。CH深井に代えてCBキムミンテを投入。田中駿汰をCHに上げる。36分、CH山口の縦パスを受けた右WB西がスルーパス。走り込んだ右IH郷家のクロスはDFに当たるが、こぼれ球をCHイニエスタがシュート。わずかにポスト右に外れた。コンサドーレも40分、右WBルーカス・フェルナンデスのCKにCB進藤がヘディングシュートを放つが、GK飯倉がセーブ。41分にはCB進藤を下げて、CFにドウグラスオリヴェイラを投入。田中駿汰が右CB。だがヴィッセルの守備を崩せない。結局このままタイムアップ。点の取り合いとなったゲームだが、ヴィッセルが逆転で3-2。3試合ぶりの勝利を挙げた。

 ゴールの場面はお互いミス絡みだったが、終始、攻撃的で楽しいゲームだった。中でもコンサドーレの左CB高嶺は常に攻撃的にプレー。また、CB田中駿汰も随時ドリブルで持ち上がるなど、終始、攻撃的な姿勢を見せた。だが、ドウグラスとの一対一では経験の差を露呈。これがヴィッセルの1点目につながった。しかし、若い選手がこうして積極的にプレーするのはすばらしい。コンサドーレの若々しいプレーぶりは見ているだけで楽しくなる。これからも注目していきたい。